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19バンジー

「おい、メリア聞いたか? この子大分強いみたいだぞ。こりゃ、仲間に引き入れた方がいいんじゃないか? モンスターを討伐することを仕事にしているくらいのプロだ。きっと俺たちの安全のために役に立ってくれるだろ」


「そうね、何とか交渉してみて。私も成功するよう祈ってるから」


「いや、お前も一緒に説得するんだよ」


「無理よ。私は顔も上げられない状況なのよ。どうやって私が話に入っていくのよ」


 自分が殴ったせいとは言え、本当に使えないやつだな。この世界にきて役に立ったことと言えば、謎の女神パワーの幸運くらいなもんだろう。それもメリアのおかげだったのか怪しいところだけどな。


「二人で何をこそこそ話しているんですか?」


「ああ、君が凄い強いって話だから、俺たちの護衛をお願いしたいなと思ってな。どうだ? 報酬はもちろん払えないし、完全にボランティアになってしまうが俺たちの護衛をしてくれないか?」


「冒険者をなんだと思ってるんですか? 私はBランク冒険者何ですよ。クエストをこなすだけでもまとまったお金を得れるっていうのに、お金も貰えないような仕事をするわけないじゃないですか。護衛クエストとして冒険者協会を通して依頼してくれたら考えてあげますけどそうじゃないなら無理です」


 ですよねぇ。俺だって逆の立場だったら請け負うわけないわ。

 しかし、ここでこの子を仲間に引き入れることは俺たちの今後の異世界生活を安全にそして豊かにすることは間違いない。俺たちが持っていないこの世界の知識もモンスターの知識も持っていて、相当強い。これ以上の人材がほかにいるだろうか? 否!! この機会を逃すわけにはいかない。何とかしなければ。


「そこを何とか頼むよ。俺たちは困ってもうどうしようもないんだよ。お金も持っていなければ、身分証もないんだぞ? 哀れだと思って助けてくれよ」


「困っている人を助けるのは私の仕事ではありませんから。どうぞ、この町の領主にでも助けを求めてみてくださいよ。まあ、門前払いされるのが目に見えてますけど。あ、そうです。二人ともモンスターと戦えるんなら冒険者になればいいじゃないですか。モンスターと戦える力さえ持っていれば冒険者として生きていけますから、それで解決ですね」


 確かに、この子のいう通り冒険者として金を稼ぐのがこの能力を活かしていけるんじゃないか。俺の防御無視攻撃ならモンスターにも効果はあるはずだ。メリアにはこぶしでかましてやったが、これを武器を持って使えばどうだろう。防御を無視することで、サクッと一刀両断できちまう可能性もあるな。あれ? 結構強いそうだぞこの能力。


「ナイスアイデアだ。なあ、メリア。俺たちも冒険者ってのになろうぜ。一番現実的な稼ぎ方な気がする」


「ちょっと待ってよ。ダイゴロウは戦えるかもしれないけど、私は無理よ。なんの力もないんだからね」


「おとりや荷物持ちくらいはできるだろ。それくらいはしてもらわないとな」


「うそでしょ。モンスターのおとりなんて私は嫌よ。絶対に嫌なんだから!!


 メリアが嫌がる気持ちもわかるが、こいつは何もしないのに俺だけ必死にモンスターと戦うのはちょっと許容できない。せめてついてきてもらわないとな。


「何をもめてるんですか? そんな調子じゃ戦いで連携なんて取れませんよ。ソロで活動する場合を除いて、冒険者同士の連携はすごく大事なんですから。強力なモンスターと戦うときにはほぼ必須です」


「連携かぁ、残念ながらこっちのメリアは戦えないんだよ。だから、せめて荷物持ちとおとりくらいはしろって言ってるところなんだよ。君もこいつだけ戦わずに施しを受けるのはおかしいと思うだろ?」


「貴方は鬼ですか!? 戦うことのできない人をモンスター討伐に連れて行こうって言うんですか? 無茶に決まってますよ。モンスターと戦うのは常に危険が付きまとうんです、一般人を巻き込むなんてありえません」


 ちぇっ、いい考えだと思ったんだけどな。こいつだけ楽させたくなかったんだよ。


「ほらね、この子もこう言ってることだし、私は冒険者になんてなれないわ」


「それじゃあ、ここでさよならだな。今までありがとう。メリアも元気でやって行けよ」


「ちょっと!? おかしいわよ。わかったから、戦えないけど私も冒険者になるから待ってよ」


「え? 無理しなくてもいいんだぞ。冒険者ってのは危ないらしいし、戦えないメリアにはきついだろ。俺はこの能力で頑張ってみるが、メリアもほかの仕事を見つけて生きていけばいいじゃないか」


「厄介払いしようとしてるでしょ。一人で生きていくなんて無理よ。私がこれまでどれほど自堕落な生活を送ってきたと思ってるの?」


 そんなこと知らないっての。でもなあ、俺だけ冒険者になってメリアは何をするつもりなんだよ。

 この子みたいにメリアも強かったらよかったんだけどな。なんで、この世界に来たら力を失っちまうんだよ。そのせいで俺まで苦労する羽目になっているのが納得できないな。


「少しずつなれていけばいいですよ。私は最初から強かったですけど、それでも今ほどのレベルじゃありませんでしたから。メリアさんも頑張ればきっと強くなれますよ」


「だってよ、メリアも冒険者として生きていくしかないみたいだな。お互い頑張ろうぜ」


「うう、置いて行かれるよりはきっとマシよね……」


 思わぬところで今後の方針が固まったな。よし、さっさと身分証を作ってお兄さんに見せに行こう。

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