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第1回ゲスト

「同居人て会うたこともないのに…

 えっと、どんなふうに死にましたん?」


『..wrrr…xx..溺れ..x…死んだ..ssss.x.ら..しい.x…けど苦.xxx…るしく..xなかった.x.x.わー』

 (溺れ死んだらしいけど苦しくなかったわー)


「溺死!

 おいムラやん、合うてんの?」

「………

 ああ、合うてる思うで。

 隣の部屋の元ヤンの兄ちゃんが教えてくれたんやけどな。

 前の住人さん、アラサーのOLさんやったんやて。

 美人やったけど仕事がキツそうで髪パサパサで目の下に化粧で隠せないほどの隈作って朝早くから夜遅くまで働いてたらしい。

 ブラックな職場やったんやろうな。

 たまに夜中に酒飲んで奇声あげてたらしいが普段が気の毒すぎて見て見ぬふりしてやってたて。

 ある日、職場の上司かなんかのオッサンが大家のおばあさんとこに、その人が会社に来なくて困ってるいうてきてんて。

 なんでも翌日の会議の資料を作ってたんがその人だけやったらしい。

 「人より資料の心配か胸糞悪い」て兄ちゃんも言うてたで。

 で、大家のおばあさんの付き添いで兄ちゃんも立ち会うて部屋に入ったらプカーて服着たまま風呂に浮いてたんやて。

 なぜか死に顔は幸せそうで生きてる時より美人やった言うとった。」

「酔ったまま思いつきで風呂入ろうとして溺れたんやな…

 しかし、その兄ちゃんもええ人やな。」

「ええ人なんは間違いないけど大家のおばあさんのお使いは小遣い貰ろてんやで。

 おばあさん、大金持ちやから。」

「あの汚ったないアパートの大家さんが金持ちかい?

 信じられへんな。」

「あっこは亡くなった旦那さんと最初に建てたアパートやからそのまま残しとるらしいで。

 他にもあの周辺で何軒かマンション経営してるそうや。

 あの立地であれ以上の格安物件はないんやで。」

「なるほどな。

 小洒落たオシャレタウンには場違いのボロアパートやから不思議に思うてたんや。

 大家さんの思い出のアパートに親切な元ヤンの兄ちゃんか、なんやそのやさしい世界は。

 オマエの周辺だけ時空歪んでんちゃうか?」


『…xsss..お隣..gggxx…さん..xxxxyhm…いい.x.f..人だけ.ど..xxx.タイ..プxx…f.じゃ.な..ssxx.かった..v.わー』

 (お隣さん、いい人だけどタイプじゃなかったわー)


「おーい兄ちゃん、フラれたでー!」

「よう喋る幽霊さんやな。

 なんか暑なってきたわ。一応これ、怪奇現象やんな?」

「前の住人さんであることは確定やな。

 ほな、もう一つだけ質問させてもらうわ。

 俺の私生活、見られてるんですか?」

「必死やな」

「これ聞かんと帰れん」


『…ygvwsssxxx..s.見え..x.xx.ssちゃう…w.xxx.けどw.x.fff.だい..x.wrrr.じょぶ.s.私xx..rrsd.子ど..sss.x.も..x.じゃな..s..いか.xxx.らー』

 (見えちゃうけど大丈夫。私、子どもじゃないからー)


「そういう問題ちゃうわ〜見られてんのかーい!」

「ムラやん、しばらく使いものになれへん。

 おっと、時間がきてしまいました。

 今夜のゲストは前の住人さんでした。

 ありがとうね。

 では、次のコーナー…

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