名を呼んでくれたら、、、
それは、昨日の深夜、、、、
私が城の寝所で寝ていた頃、、、
「ナナミ、、、ナナミ、、、、」
と、声がした。
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リオウが私の寝所の直ぐ外までやってきていたのだ。
それは今までに無かった事で、最後に私に会いに来てくれたのだろうか。
私は眠い目をこすり、のそりと起き上がって
窓の外に顔を出す。
と、そこには私の大好きなリオウの顔があった。
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リオウ「俺に付いてこないか?」
彼は簡潔に単刀直入に私に尋ねてきた。
私は、嬉しかった。
嬉しかった、、、
けど。
私「、、、、出来ないよ、、、」
と、小声で答える。
リオウ「、、、、、そっか、、、」
リオウは悲しそうだ。
だってここに来たのだって命懸けなのだから。
誰かに見つかったら、即、首を落とされても文句は言えない。
王家の、施設に、入り込んでいるのだから、、、、
でも、私は、、、、
それでも、、、、
リオウ「、、、、、、、、」
リオウ「俺は、、、、ナナミと一緒にいたい。」
リオウ「世界中の全てを、敵に回しても。」
リオウ「俺はナナミが好きなんだ!」
リオウ「、、、離れたくない。」
私「、、、、私も」
私「私も好きだよ、リオウ」
私はリオウの目を見てニッコリ微笑み、
そして2人で軽いキスをする。
リオウは続ける
リオウ「もし」
リオウ「もし、世界の全てを、敵に回しても」
リオウ「俺に付いて来てくれるなら」
リオウ「そんな風に、思ってくれたなら」
リオウ「名前を、呼んでほしい。」
リオウ「そしたら、駆け付けるから」
リオウ「何処に居たって、ナナミの元に、、、、」
リオウ「、、、、駆け付けるから、、、、、!」
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ガラガラガラガラガラ
私「り、、、お、、、、」
牛車は門をくぐろうとしている。
ガラガラガラガラ
私「り、、、、」
牛車は、門を
ガラガラガラガラ
私は、そんな、言葉を、私は思い出していた。
(俺を呼んで)
私「りお、、、、、、、、、」
、、、くぐろうと、、、
して、、、、、
私「リオウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
気がついたら私は叫んでいた。
リオウに向かって!
声の限り!
私「リオウーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
彼に聞こえるように、、、、!
瞬間。
リオウは、その言葉を、待っていたかの様に
動き出した、、、、、!
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私は貴方と一緒にいたい!
世界中の、全てを敵に回しても!
貴方と、一緒に、いたい!!
私は!!!
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ドオオオオオオオオン!!!!
その時、門が爆発した!!
ドオオオオオオオオン!
ドオオオオオオオオン!!
音は続けて二発。
門が、崩れる、、、、、
崩れ落ちる、、、、
落ちて、くる、、、
破片が、私に向かって、、、
落ちて、、、、、
ガッ
私「!?」
体を誰かに支えられる。
「飛ぶよ!!!」
私「えっ?」
声の主は力強い脚力で、
その言葉通り、私を支えて飛び上がった、、、、!
、、、、、、、、、、。
、、、、、、。
、、、、、。
、、、。
声の主はそうして、私を牛車の中から連れ出した、、、の、だった、、、、、