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世界が為に、メアリー師匠爆誕

 メアリーとティファ、2人の古代魔法の撃ち合いはランスを介して国王ローレンスへと伝わり、翌日、呼び出しを受けた。

 王城、謁見の間には重々しい空気と共に国王ローレンスが難しい顔をしている。

 場には国王一家が集合し、母様、ルーク、イズール、そしてもう1人、ガチガチに緊張したメアリーがいた。


 「はあ、リラよ、今回の件話す前に其方とティファレンスに詫びなければならぬ事がある。

 ファストーロへの留学の話しだ」


 「え?! まさか、お、お父様!」


 「ティファ、最後まで話を聞くのだ、ティファの留学先が変更となってしまった。

 第一王都のデュネーンの今年開校の新学校、国立デュネーン総合学術校の一期生として入学が決まった。

 国立ロンド学術校がモデルとなった学術校だ。

 しかし、今年開校されるのは貴族や良家の留学者通う学院だけでな、他は3年後の開校となるらしい。

 悪いが其方には初等部の3年間、バトリン学園に通ってもらう事となる」


 ん? これって私がバトリン学園に通う事なくね? と、思ったが既にロンフェロー公国からの招待として願書が受理されているらしく、ティファが猛抗議をするも、変更は不可能と言う事だった。



 ——でも待てよ……、お金の心配はないし……、マジこれエンジョイライフの到来じゃね?!



 と、内心喜んだのだが……。


 「詫びと言ってはなんだが、バトリンにある我が別邸をリラの為に解放する事にした。

 従業員はもう確保し、()()()()()で迎える準備をしておる、安心いたせ」


 ——お、王家の別邸だと?! 自由と言うよりほぼ隔離状態じゃないか! 断固拒否!


 「国王様、そこまでしただく訳にはまいりません!

 バトリン学園は名門校、通えるだけ有り難いと思ってあります、私はそこら辺のボロ宿で十分でございます」


 「「「「……」」」」


 一同一斉に無言となる、そして、呆れた表情でローレンス国王が口を開いた。


 「ランス、ルークの言っていた通りだな……、初めにこの話をしたのは正解だった」


 国王の言葉に、即ランスとルークに目を向けるが、2人は目を逸らす。



 ——ヤロー! な、何かやりやがったな!!



 「リラよ、随分と破天荒らしいな、しかも今回は古代魔法を派手に披露したそうじゃないか」


 「そ、それはティファとメアリー……」


 「そうであったな、しかし、それを教えたのは其方だと聞いたぞ。

 知っておるか? 古代魔法は教えるのが困難だと周知の事、そこのイズールでさえ研究の結果の講義はするも教えのなると拒んでおったのだぞ?

 更に入手困難である、古代の遺産(アーティファクト)を複数持っておると聞く。

 それはどこで手に入れた物なのだろうな? 

 ティファに聞いたがティファの持つ古代の遺産(アーティファクト)は何でも()()()じゃそうじゃないか、のお、リラよ。

 まあ、この話は後で()()()に聞くとして、そんな国家機密の塊の様な其方を他国の、しかもボロ宿なんかに送るとでも?

 先程、()()()()()と言ったであろう、安心しろ、万全だ」

 

 万全……、何と言う絶望を意味する言葉だろう。

 私のエンジョイライフは脆くも崩れた。



 ——このままじゃマズい! 何とか、何とかしなければ!!



 ……。


 ……。


 ダメだ……、反撃の一手が見つからない。

 国王はティファに弱い、ここはティファをだしに何かいい方法は……。


 「おっと忘れる所であった、デュネーンとバトリンは比較的近くてな馬車で3日とかからない、竜車であれは1日だ」


 

 ——ん? なんの話?



 「リラ、其方に送った車は竜車として使っても強度に何ら問題はない。

 我が国最高の走竜も其方に送る、今回の詫びとして受け取ってくれ。

 学園は週休3日、週末デュネーンを楽しんでくれ。

 当然、御者は適任者を用意してある。

 なぁに、礼にはおよばん、其方を守る事が国家機密を守るのと同意なのだからな」


 言葉を失う……、失うなんてもんじゃない、何も言わせない気だ!


 私包囲網は完璧だった、365日目を離さないつもりだ。


 私は酷い脱力感に襲われ、思考を放棄した。



 「では、本題に入ろう……」

 

 ——終わった……、さよなら私のエンジョイライフ……。


 国王っぽいオッさんが何か話しているけど、全く内容が入って来ない。


 「リラ、そう、気を落とすな。

 其方はティファの恩人、それは我々の恩人でもあるのだ、感謝してもしきれん。

 現地の者にもそれは通達しておる、其方は自由にすれば良い。

 しかし、これだけは知っておいてくれ、其方の事が知れれば、他国、聖教、多くの組織……、それらが黙ってないだろう、くれぐれも自重するのだぞ、くれぐれもだぞ。

 さて、本題だが……」


 国王ローレンスはそう言うと本題を切り出す。


 「メアリーと言ったか」


 「は、はひ! 陛下!」


 緊張のあまり声が裏返るメアリー、その緊張ほぐれぬままに話が進む。

 

 古代魔法の事、イズールを弟子候補として迎えた事、そして、新たな弟子候補の事。

 途中、どこで得た知識かと言う質問では、トトから得たと答えた。

 流石に、読み漁った書物のどれかでは辻褄が合わなくなって来たのだ、今後はこれ一本でゴリ押す事に決めた。


 質問攻めにあう逆天・無双流の私とメアリー、そしてティファ。

 話が進むにつれメアリーも緊張もほぐれ、ハキハキとそれに答えていく。


 「世界には負の眷属どもが溢れておる、先の魔物大進行(スタンピード)のおりは運良く被害軽微で凌げたが、次も同じとは限らん……。

 ローゼンマルクの暗躍、不穏な動きを見せる国々、勢力の拡大に躍起な聖教、それに魔王復活の噂……。

 古代魔法は世界の平穏を守る切り札にあるやもしれんか……。

 よし、わかった! リラの提案を受けよう。

 ランスとアルフにも逆天・無双流への入門を許可する」


 「え? ランスロット殿下とアルフレッド殿下……」


 目を丸くさせ驚くメアリー、しかし、それは当然の事、平民であるメアリーが第一王子、第二王子、そして賢者、3人の弟子を持った瞬間だった。


 「これより第一試験場は逆天・無双流の道場といたす、今後はそこで鍛錬に励め、ルーク、其方も学んだ方が良かろう、ワシもフローラも時間があれば参加させてもらうぞ、メアリーよ、よろしく頼む」


 第一王子、第二王子、賢者にルーク、そして国王、王妃……、ここにそれら6人の師匠、平民メアリーが爆誕した。


 

 

 

 

 読んで頂きありがとうございます。


 次回投稿は1月24(月)の予定です。

 

 多くの皆様に読んで頂ける様、精進して参ります。


 応援宜しくお願いします。

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