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3話:捜査初日 1

翌日、署では殺人事件として捜査準備に取り掛かった。

直接の指揮は佐々木部長が取る事になり二人一組の聞き込み調査に3ペアで当たる事になった。僕はもちろん遠山とペアになっている。


今日の捜査として、現場周辺の聞き込み、交遊関係、仕事上の付き合い関係を洗い出す事になった。僕と山さんは1番可能性の高い交遊関係を探る事になり先ず被害者の友達から聞き込みし、男女関係がなかったかどうかを調べる事になる。

佐々木部長がホワイトボードに被害者の写真を貼り、通報があった時刻、僕が昨日取った調書を元にラインと聞き込みをする範囲を書き出していく。


あらかた説明が終わった所で質問がないか聞くが取りあえずは情報をかき集めないと何とも言えないので直ぐに動く事になる。



「山さん…ご家族の方から親友であった白石さんの連絡先を聞いてますのでアポ取りましょうか?」


「あぁ……フーッ」


タバコを燻らせながら窓の外へと煙を吐き出していた。

私は車を左側の路肩に停め電話を取り出した。


「白石さんでしょうか?私西新宿署の北條と申しますが、昨日の天海さんの事件の事で幾つか聞きたい事がありますので、お時間頂けないでしょうか?」


「わかりました。12時頃に昼休みに入りますのでその時間でよければ大丈夫です。」


落ち着いたような様子で彼女は返答した。多分昨日の時点で連絡が入っていたのであろう。


「ありがとうございます。余り時間を取らせても悪いので時間になったら会社の前迄向かえに来ますので。」


「わかりました、それでは後ほど…」


電話を切った後、山さんに友達の何人かに連絡をして聞き込みをする事にした。手帳には交遊関係から幾つかの身の回りの情報が書き出されていく。



そろそろ時間がきたので白石が勤める会社へと車を走らせる…


「あ…出て来たみたいですね。」


会社の玄関から出て来てキョロキョロしている姿を発見し小走りで駆け寄った。

「白石さんですね、コチラは私の上司で遠山と言います。」


「遠山です。今日はお仕事中突然押しかけて来て申し訳ないですが事件ですのでご協力お願いします。」


「白石です。いえいえ親友の不幸事ですから…私も事件解決の為、少しでもお力になれればと……」


「立ち話も何ですので何処か近くの喫茶店に入りましょうか?」


「はい、わかりました。向かいのちょっと先にお店がありますので、そちらで…」


僕達は白石さんと店へ入った。

「カラン、カラン」


店内のドアを開けるとカウベルがなりコーヒーの良い香が漂ってきた。

老舗なのであろう古い時計とアンティークな置物が並んでいて。壁やテーブルがブラウンの木目で良い味を出していた。


「いらっしゃいませ。開いてる席へどうぞ。」


70過ぎ程の白髪のマスターが丁寧に頭を下げ挨拶をしてきた。

僕たちは角の席へ向かい僕と山さんは壁側に座る。

これは、お約束みたいな物で相手から集中して話を聞きたい時などはこうゆうポジションを取るのだ。相手はコチラしか目を向ける所がなくなり、回りに気をそらさないようにする為である。

女を口説きたい時にも利用出来る。(そんな事はどうでも良いか…)


「白石さん、何か飲みますか?」


「あ…モカで…」


「山さんは、コロンビアで良いですか?」


「あぁ」


「マスター、モカ二つとコロンビア一つ。」


「畏まりました。」


「白石さん、先ず最初に神埼さんに最近何か変わった事とかなかったでしょうか?」


「はい、特には…仕事も充実してたみたいだったし、彼氏の話も最近しましたけど結婚予定の話も出ていた位なので悪くはなかったと思います。」

話の途中でコーヒーが運ばれてきた。

私達はカップに手をつけ話を続ける。


「そうですか…その彼氏の名前と連絡先はわかりますか?」


「はい、名前はタナカ サトシさん、電話番号はわかりません。あ…ご両親にも紹介してたみたいなのでご両親に聞けばわかるかと思います。」


「後…ちょっと聞きにくいのですが…事件当日、7時頃はどちらへ…」

「これは関係者全員にお聞きする事ですのでお気を悪くなさらずにお願いします。」


「そうですか…家にいました。7時ぐらいは両親と一緒にご飯を食べていた頃です。」


「わかりました。ご協力ありがとうございます。」

山さんはずーっと黙ったままであった…


「山さん…後何かないですか?」


「そうだな…白石さんあんた何か隠してる事があるね?」


「えっ…私の知ってる事は全部話た積もりですが。」

少し動揺しているが山さんはそもそも確信して言っているのだろうか?」


「まぁいい、その内話したい事が出てきたら連絡してくれれば良い。」


白石さんは俯き加減で動揺しているように見えるが僕には山さんの意図が見えないし、白石さんの動揺も何かを隠しているというより重要人物として見られている事に憤りを感じてしまった感じに見えた。

後で山さんに何故そんな事を言ったのか聞いてみよう。


「それでは、お時間取らせました。また何かあったらお聞きしたい事もあるかもわかりませんが今日は此処までで…」



私達は店を後にした。

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