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「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞  応募作品

伝説の武具たちがリモート会議を開始しました。

作者: マガミアキ

「えー、では時間ですね。定例会議を始めます。議事進行は兜の精である私、ヘルムが務めさせていただきます」

 ヘルムは目の前の板状の水晶に向かって語りかけた。表面は四つに分割され、それぞれの区画に会議参加者の顔が映像表示されている。

「音声、映像等問題ないでしょうか?」

「シールドさんの顔が表示されてませんよお」

 剣の精、ソードの指摘が入る。確かに盾の精の区画が暗くなっているが、即座に声が届いた。

「あ、音声は聞こえてます。どうも水晶の調子が悪うてこっちの映像が送れんみたいで」

「そんなこと言ってシールドさあん、わざと水晶の映像共有魔法無効にしちゃってるんでしょお。駄目ですよう、リモート会議だからって身支度の手を抜いちゃあ」

「はあ? 一緒にせんといて貰えます?」

「はいはい、会議には支障なさそうなのでこのまま進めますよ。えーご存じのように世界の魔素濃度が基準値を超え、魔素の影響を受けやすい我々武具の精は不要不急の外出を避けてこうしてリモート魔法で情報共有することになった訳ですが、魔素濃度の上昇と勇者魔王という両極存在の誕生とは確かな因果関係が確認されています。現状について何か情報は?」

「俺の祠に近い村に住む少年な。魔素との親和性が異常に高い。急速に力をつけてるぞ」

 と、鎧の精、メイル。

「なるほど勇者候補と言っていいでしょう。祠にやって来る様子は?」

「一度来たけど、入口付近で引き返しやがった」

「何や余計なこと言ったん違いますやろな?」

「そう言うけどシールド姐さん。言うだろ、一応。資格なきものは引き返せ~って」

「ほんで素直に引き返したんか。しょうもない子や」

「しかし勇者の成長が遅れると世界の均衡が著しく崩れます。何とか祠の探索を促進していきたいところですね」

「オマケつけてみたらどうですかあ? 伝説の鎧の祠に行けば、伝説の小手も付いてくる! みたいなあ」

「え、ええ僕? ちょ、ソードちゃん。僕だって一応伝説の武具だよ。オマケ扱いはちょっと……」

「あはは、ガントレットさんが何にも発言しないから悪いんですよう」

「では次回の会議までにそれぞれ案を考えて持ち寄るとしましょうか。私は教会に魔王の成長を抑えるようお願いしておきます」

 ヘルムは四人に伝えた。

 世界の均衡を保つという目的は魔王教会と一致している。調整は難しくはないだろう。

なろうラジオ大賞2 応募作品です。

・1,000文字以下

・テーマ:伝説

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― 新着の感想 ―
[一言]  拝読しました。  ええ、こちらの作品に限らず(笑)  オールマイティに書ける方、そーゆー印象です。  いろいろな形を書かれているんですが、特にこちらの作品、雰囲気が他と違う印象です。…
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