天使は悪魔である。
まるで、その光景を見たことがあるかのような感覚だった。
村は至る所から炎が吹き出しており、地獄のような熱さと息苦しさに倒れてピクリとも動かない人達。
何故こうなったのか?
俺は知っているようで、知らない。
「ティーナ・・・」
彼女もまた、ピクリとも動かない。
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英雄育成機関ー王立ラーシア学園
この学園はラーシア王国の全土から才能ある者を集め、まさしくその名の通り"英雄"を育成する為、王国が作った学園であり多くの英雄を生み出してきた機関である。
時には他国からも入学希望者が現れる程の教育水準である。才能がある者ならば、貴族平民は関係なく入学する事ができる。
そんな学園の門の前に立つのは、めずらしい白い髪に赤い瞳の少年。
どこかめんどくさそうにしている。
「どうしたの?門の前でじっと立っているけど」
門の向こう側には少々赤みがかった髪に碧眼、そしてかなり顔立ちは整っており街を歩けば、通りかかる男達が全員振り向いてもおかしくないほどの美少女であった。
「新入生でしょ、早く行った方がいいわよ」
改めて声を聞くと、天使のような声でとても心地いい。まさしく目の前にいる少女は天使である。
「可愛いですね。」
俺ーシル=サイヤードは変なことを口走ってしまったのだ。
俺はやってしまったと思いつつ全く後悔はしていない。何故ならこの子を目の前にした男子達は無力であり、この子は最強であるからだ。
え?意味がわからないって、実際見てみればわかるものだ。
「あなたひょっとしてお馬鹿さん?」
照れる様子は全く無い。悲しいくらい真顔なんですが、なんかすいません。
「私が可愛いなんて当たり前よ、だって私が世界で一番可愛いもの」
?ー普通こういう時は謙遜するのでは無いのか?
初対面の相手に「可愛いね」っていうチャラ男の俺が言うのもあれだがこの子、馬鹿だね。
完全に私が一番可愛いって宣言しやがったのだ、うん、まぁ世界で一番可愛いかもしれん。
だが世界は広い。
もっと可愛い子が居るかもしれん、俺は認めぬぞ。この世界を全て自分の目で見るまでは信じぬこの子が一番可愛いということを。
「俺はもっと可愛い子がこの世にいると思う!」
俺は強く主張したのだ。自分の言いたいことを言うこれは俺の長所である。
「今なんて言ったのかしら・・・」
睨まれ殺気を向けられるとは、どうやら地雷をおもいっきり踏んでしまったようだな。
「ここは穏便に済ませましょうか。名を聞いてもいいかしら?ーいえ名乗りなさい!」
その殺気はどんどんと強くなっていく。訂正します、目の前の少女は決して天使などではない、天使の皮を被った悪魔である。
「え、えーと・・・シル=サイヤードで、す」
我ながら少し動揺してしまった。なんか情け無いな俺。
「平民ですか覚えておきましょう、退学まではしませんが、今後学園で平穏に過ごせるとは思わないでおくといいですよ。」
笑ってるけど目が笑ってない、むしろ目から殺気が溢れ出ていた。
「というか急がないと!」
少女は慌てた様子で去っていたのである。
「よしっ!」
「帰ろう!」
俺は学園を背に帰路へつくのだった。
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「火の最上位精霊第二位火蜥蜴を使役している者から光の魔法まで使う者までおります、今年の世代は過去に例を見ない逸材達が集まっております学園長。」
「ほぅ火蜥蜴に光属性か、めずらしいね。」
眼鏡かけ知的な雰囲気を醸し出すエルフ族、この学園の学園長であり、この世界で最高の魔法使いと称される者である。
その実力は人柄共に現国王に認められ、学園長を務めている。
「聖剣使いに魅了の魔眼を持つ者までいるし、本当に面白くなりそうだけど、本当に疲れそうだね」
苦笑しながらも学園長は楽しみで仕方ないのである。
処女作です。
なので文おかしいかも知れないが許して、ね♡
感想お待ちしております!