白と黒と闇
掲載日:2020/04/29
真っ白な紙に、鉛筆で思いを書き出す。
やりたい事を、つらつらと書き出す。
今、自分のやりたいことを、ただひたすらに。
書き込む手は、止まらない。
今自分が何を望み、何を成すべきなのか。
真っ白な紙に、黒い文字を書き込んで、確認する。
文字は、白い紙を、黒く染めてゆく。
隙間を見つけては、文字を埋めてゆく。
欲求が、白を黒へを染めてゆく。
望むものが。
目指すものが。
思うものが。
慕うものが。
白い部分を埋め尽くしてゆく。
やがて、白い紙は、黒い紙へと、成った。
あんなにも何もなかった白い面に、ただ、広がる、黒い闇。
何が書いてあったのかさえ、黒に飲み込まれて確認できない。
私は何を書いたのだろう。
私の書いたものは、希望であり、未来であったはず。
それが、こんなにも、黒い。
こんなにも、闇だ。
真っ黒な一面。
闇の裏側は、ただの、白。
裏側は、真っ白だ。
まだ、書き込める。
書き込んでゆく。
そして裏も表も黒く塗りつぶされた。
ああ、この上なく、闇だ。
やりたいことを書くだけで、こんなにも白を黒に変える。
もう、この紙には、白が、どこにもいないのだ。
自分の闇を、これでもかと、現実に引き出し。
私は消しゴムを、手に取る。
すっと、闇の上を消しゴムが、すべる。
白が、出てきた。
夢中になって、黒を、消す。
すべて白くなったとき、幾分私の、心が、晴れた。




