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若返った老夫婦は、異世界できままに旅をする  作者: ハトサン
プロローグ「夫婦、異世界への旅立ち」
1/4

夫婦、どこかにとばされる

 その日、僕は妻と50年目の結婚記念日を迎えた。


 「いい天気だね、祥子しょうこさん」

「本当ね」

午後の日差しが暖かくて眠たいのか、僕の妻の祥子さんの返事は少し気だるそうだった。


 「にゃ~あぁ」

ライトグレーの毛玉が僕の腰元にすり寄ってきた。

「そうか、ポンも今日の天気はお昼寝日和だなぁ~」

僕はペットの猫「ポン」の脇を両手で捕まえて、膝にのせて背中を撫でた。

「お前も僕たちと一緒で、もうおばあちゃんだなぁ」

「ぐるぐるる」

ポンは目を細めてまったりしており、すこし寝息のようなものが聞こえてくる。

僕もその姿を見ていると、同じように睡魔に誘われそうだった。

「うたた寝はいいけど、風邪はひかないように気を付けなよ」

そういう君のほうが縁側で座布団を枕に寝ていて、説得力皆無なんですけど…



 お互い年齢は75を超えた老夫婦。


一般の夫婦と少し異なっているのは、二人とも生粋のオタク。

漫画、ゲーム、アニメが大好き。

(好みのジャンルは少し異なるが・・・・)


旦那である僕、芝野直之しばのなおゆき

ゲームはRPGやファンタジー、あと牧場系のシミュレーション系。

漫画はレシピの載っている料理系ほのぼのが好きだ。



妻の芝野祥子しばのしょうこ

ゲームは対戦格闘技やサバイバルホラーやステルスゲーム

漫画はSFや合体ロボット系などの熱い話が好きだ。



 「今日はいつものゲームをしないの?」

祥子さんが僕の日課について聞いてきた。

「そういえば今日はまだしてなかったね。ちょっとしてもいいかな?」

最近はオープンワールド系のRPGで採取作業に凝っている。

モンスターとのバトルは苦手ではないが、あまり得意でもない。

ゴブリンやリザードマンなどの初級モンスターならボタンの連打で何とかなるが、

ケンタウロスやワイバーンなどの中級以上になると、まったく勝てない。

なので、いつも中級以上のバトルでは彼女に交代してもらって、倒してもらっている。

うん、我ながら女々しい!

でも怖いし、仕方がない。

「今日はヘルマウンテンの方に行かないの?

ビックサラマンダーとかデスロックとか最近狩ってないでしょ?」

「う~ん・・・今日はパスかな。アルミナ湖の方で野草採取と魚釣りをしようかな」


同じゲーム好きといっても、こうもベクトルは分かれる。


「なんだ、つまんないなぁ」

返事はそっけないけど、僕がプレイし始めるといつも隣に座って

なんとなくといった様子で終わるまでずっと観て一緒にいてくれている。

「ま、大物が釣れるといいね」

「うん、がんばるよ」

また、彼女の自分と異なる他人の考えも受け止めてくれるところが、

僕が彼女を好きな理由の一つでもあり、50年の夫婦生活が続いた一つのカギだとも思う。

「祥子さん、ありがとうね」

「なにいってんの。ほら、さっさと電源付けなよ」


そういって電源を付けた瞬間-



ボフン!!!



急に僕の視界は真っ白になった。

読んでくださってありがとうございます。

はじめまして、【ハトサン】です。

スロースペースでも、頭に浮かんだ物語を書いていきたいと思います!

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