誰かの語る物語、2
よろしくお願い致します。
あるとき、彼女はある男に出会いました。
彼は宰相をしている男でした。
彼も周囲と同じで、未来の王を操るために彼女に近付いてきましたが、それは彼の国を思う気持ちからであり、周囲のように私利私欲からくる物ではありませんでした。
そのことに、彼女は少しの好感を抱きました。
彼は彼女を手ずから教育しました。
宰相である彼には、周囲を黙らせる権力があったからです。
彼女を育てることで彼の心境は変化していきました。
それは彼女も同じで、彼に育てられることで、彼女の心は確実に変わっていきました。
ある日、城で事件が起きました。
死んだはずの彼女の母が、王家の主催するダンスパーティーに現れたのです。
無気力に生きていた彼女の父は、その女に夢中になりました。
そのことで、政治がどんどん傾いていきました。
もともとギリギリの政治を行っていたのに、王が、政治をないがしろにしたことで国中がガタガタになってしまったのです。
ついには、国民の不満が高まり、反乱がおきました。
反乱のリーダーは、あの国の未来を憂いていた宰相様でした。
政治をないがしろにした王様は処刑され、元の宰相様が新しい王様になりました。
彼の隣には、古い王様の息女であるあの姫様が立っていました。
反対の声もありましたが、彼女は負けずに国を導きました。
最後には彼女もまた、伝説の王妃と呼ばれました。
めでたし、めでたし。
ありがとうございました。