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椿の姫と哀れな翅蟲

作者: 紙舟

椿の枝に蜘蛛の巣一つ

花は血のいろ (べに)のいろ

黄金(きん)の冠 椿姫

月夜の圓舞曲(ワルツ) 椿姫


椿の枝に蜘蛛の巣一つ

阿呆な翅蟲 花虜

花に見惚れて 蜘蛛虜

藻掻き足掻けば 尚虜


椿の枝に(はりつけ)翅蟲

花が踊れば 溜息一つ

花が笑えば 喜び一つ

花が落つれば 哀しみホロリ


椿の下に翅蟲の骸

季節巡りて花椿

花は血のいろ 紅のいろ

月夜の圓舞曲 椿姫


椿の上に宵の空

椿見護る 星一つ

かつては翅蟲 今は星

毎夜毎夜と 花愛づる

届かぬ想いと 知りながら

嬉し哀しや 幾月夜












これは詩のような形式を持った、小さな物語として書きました。本来は絵本にしたいと考えていたのですが……。住む世界が違う相手に恋をしてしまい、恋の対象を遠くから眺めることしかできない。というのはとても苦しい、もどかしい事だと思います。そして恋というのは相手に「求める」ことが多い物でもあります。主人公である翅蟲の命は儚く、その恋は叶う事はありません。そして椿の命はとても長く、季節が巡ればまた美しい姿を見せてくれます。恋焦がれたまま、星となった翅蟲の心にあるのは未だ以って恋と言えるのでしょうか?いえ、相手の幸せを願って遠くから無欲に眺めるそれは、「愛」へと変化しているのではないのでしょうか。そして椿は翅蟲の想いに気づいていたでしょうか?椿のから見た翅蟲はどのように映っているでしょうか?儚いけれど自由に動き回る事ができる彼を羨んでいたでしょうか?それまはた別の機会に。

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