表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

カレカノチギリ

作者: 篠嵜 皐月

カレカノチギリって知ってる?


両思いの二人でしたら永久に一緒に居られるんだって



知ってる! あれでしょ?



ダレ1人成功してないゲームだよね



私の住む日本は何年も不況に煽られ続けた。

そして、やっとこさ景気が安定したかと思えば何と!

高度経済成長期に発展していった。



そして、そんな高度な成長をした日本では最近流行りのゲームがある。

それは『カレカノチギリ』と呼ばれているゲームで、3ヶ月絶対に彼氏又は彼女と離れないと言う何ともリア充爆発しろ!と言いたくなるゲームなのだが、簡単な様でムズカシイらしく----




そのゲームをやった彼氏、彼女は誰一人とも結ばれないのだ。




まるで独り身の私達の願いが聞き届けられたみたいにリア充爆発は行なわれる。

これで独り身クリスマスサヨウナラ、女子会で騒ぐ仲間が増えてニヤニヤしています。


そんな底意地が悪い女である私 宮前桜(みやまえさくら)は大学生で、専攻はアニメ製作等に携わりたいからオタッキーな大学を選び、果ては貴腐人を目指す女だ。



さて、軽く自己紹介したので、現代の若者に流行りの『カレカノチギリ』について話そう。



『カレカノチギリ』とは、両思いの男女のアクセサリーに赤い紐を括り付け、互いに交換をして、3ヶ月外出時に絶対外さないというルールのゲームだ。


アクセサリーに大小は関係なく、紐が赤ければ何でもいいのだ。



ただ、外出時に外さないことだけで一緒にいられるお手軽願掛けである。




しかし、現在このゲームでの成功者0な理由は、2ヶ月目に必ずどちらかが心変わりするのだ。

どんな永久の約束をしても心変わりする。

まさに他人の不幸は蜜の味と言えるほど滑稽で面白いと思うが、現在私はちょっと数時間前の私を殴りたい何故かと言うと私の親友である要 明人(かなめあきひと)が今さっきカレカノチギリによって彼女と別れたのだ。

正に不幸な出来事である。


「ちさぁ~」

「落ち着きなよ、そんな下らない遊びするからこんなことになるんだよ」

「だって、チーがしたいって言ったから……」

「結果がコレじゃあ哀れにもならないね、自業自得」



そう、こいつがそんなゲームのせいで別れたことなど私にとってはどうでもいいこと

私が怒りたいのは貴重な休みがなくなったことだ。

炬燵に入りながらゲーム出来る日を無駄にされたので苛ついていた。


この明人という男は惚れっぽい上に飽きられやすいというまさに可哀想系男子を地で行く男なのである。

だが、そんな明人によく悩み相談室よろしくという感じで呼ばれて(呼ばれる以前に押し掛けられる)聞いてあげる私はこいつのことを親友としかみていない、つまりは男女の中を身を以て証明している女のなのだ。

だからこいつは別れるたびに私に泣き言を言いにくる。

まじでうざいと思う。



「あんたにはまた良い出会いがあるんだから、カレカノチギリなんてやめて大人しく愛を確かめなさいな」

「桜、お前なんて良いやつなんだ...。だがお前には絶対惚れないがな」

「それはよござんした、あんたもいい加減その惚れっぽい癖直して良い出会いしなよね」

「さく「では、もうおかえりください。私の貴重な休みをあんたの下らない恋愛話でなくしたくないので、ではさようなら」・・・おまえらしいは、じゃあありがとな」


そういって明人は出て行った。

しかし、私は彼が行ったカレカノチギリの本当の意味を知っている。


『帰ったのか、また犠牲者が出たな』

「こんだけ犠牲者が出てもみんな明日には忘れて恋をする」


「だって、彼氏または彼女の魂と肉体の接続を切る願いをしているんだから」


そんな犠牲をすぐに記憶から忘れられニュースにもならない


なぜなら、やった本人たちのどちらかの存在を消されてしまうもの



明日は何人の人間が消えるのかしら



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ