タバコ会社がポイ捨て吸殻を拾い集めるのは 飲料メーカーも追随
新入社員は1年間の清掃業務を義務付けられている。
朝夕の2回。指定された区域をくまなく歩きまわりタバコの吸い殻だけを拾い集めるだけ。
だいたい1時間で終わる楽な仕事。
しかも他の缶瓶や紙くずなどは無視してタバコだけを拾う。
吸い殻だけだから量も知れている。
ついでに拾えばいいのではと思うだろうが、僕は煙草を販売している会社で働いているから当然だ。
べつに地域ボランティア地域ボラとしての奉仕じゃない、あくまで業務として拾い集めている。
なぜそんなことをやっているかというと、タバコの販売価格を上げるためである。
すぐには理解できないだろう、僕も最初はそう思った。
捨ててある銘柄ごとに分別して集計する。
そして結果を世間に公表して、一番捨てられている銘柄を値上げすることを宣言する。
すると喫煙者はこれ以上の値上げはたまらないと考え捨てなくなる。
捨てられるのが多いということは販売量にも比例してるから都合がいい。
一部マナーの良い喫煙者にはとばっちりだが、その他の銘柄は据え置くのでそちらに変更するだろう。
捨てられる銘柄を好むというのは印象が悪くなるので、どちらが自分の価値観に見合うか悩むところ。
銘柄はランキングで毎年発表されるので、人事の査定にも影響があるそうだ。
確かに僕は煙草に限らず清涼飲料の缶瓶やファストフードの紙が捨てられていると、自分も同じタイプの人間と思われたくないので、同じ銘柄は買わないようにしたり食べたしないようにしている。
もちろん付き合いや支給されれば食べるが、ちゃんときれいに処分している。
この清掃活動のようなことが各メーカーも真似をし始めた。
一見すると清掃活動をする好ましい企業という印象をあたえることばかりか、同じように捨てられる銘柄を値上げしている。ただし集計結果ランキングは発表していない。
タバコは元々良い印象のないマイナスからのスタートだったが、食品メーカーからすればそうはいかない。
人気のあるものはしれっと値上げして、その他の商品も買ってもらおうという魂胆のようだ。
タバコも食品も依存性を持たせるためいろいろ添加しているので、値上げしたところで購買量は多少減っても買うだろう。
生産量は減るが人件費がその分いらなくなる。当然経費も少なくなる。
値上げも相まって利益が上がる仕組み。
まあこのやり方も限界があるだろうが、この国がいつまで存続しているかどうかのほうが怪しい。
少子化が加速度的に進行しているから10年後には社会の仕組みが成り立たなくなっているだろう。
どうも古来から大陸の端に浮かんでいる小さな島国は、近隣諸国から根深く嫌われているようだ。
あらゆる形で政治に介入してきた成果が現れているからだろう。
戦争とかで滅ぼすのではなく自滅させるという。
せめて最後は世界で一番街がきれいな国として歴史に載ってくれればやりがいがあるものだ。