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第八十七話  頼れる用心棒

 ジュヴェルビーク南方部――


 額から二本の角が生えたドレッドヘアーの男が、数十体の魔獣と猛獣を引き連れ現れた。

 男の名は、“バジリスク・アーミー”。

 公安特務部隊“G.L.R.S.A(グローサ)”、三番隊隊長を務める人物だ。彼自身の戦闘能力もさる事ながら、魔獣をいとも簡単に操る特殊能力を持っている。


「止まれー!!」


「おっと! ははっ!」


「世界政府! 何の用だ!」


「門番は、あんたらだけかい? 手薄な事だな。でもまあ、喧嘩を売りに来た訳じゃない。探し物だ」


「探し物だと?」


「ああ、ヒューマライズを一体な。差し出せば、手荒な事をするつもりはない」


「帰ってもらおう。貴様らのように我々を物扱いする連中に仲間を渡すつもりはない!」


「仲間? はは! 勘違いするな。あれは元々俺らの所有する物だ。お前らの仲間などに興味は無い」


「貴様が探す者が誰であろうと、ヒューマライズは例外なく俺たちの仲間だ!! 仲間に危害を加えようと言うのであれば、ここを通す訳にはいかない!!」


「ゴミがほざけ。お前らのような雑魚に何ができる? まあいい……、押し通る!!」


 互いの言い分はすれ違い、武力による強行突破を図るバジリスク。


 必死に守りを固める門番たちだが、圧倒的兵力の前にあっという間に追い詰められてしまった。


「くっ! もう壁がもたん……」


 門を突破されようとしたその時、空から無数の光が降り注ぎ、魔獣たちを襲った。脳天を撃ち抜かれた魔獣たちが次々と倒れていく。


 ズシィィィン……――


「ルクスカリフ……だと!? まさかっ!」


 現れたのはマルクスだった。


「やあ。ご機嫌麗しゅう。隊長さん」


「マ、マルクス! 何故お前がここに!?」


「まあ、頼れる用心棒ってとこかな」


「くっ!……お前と争うつもりは無い。戦力が無駄に削れるだけだ」


「うん。いい心掛けだ。あ、ちなみに北にはクリオネが向かったよ。こちらの大所帯を囮に北から隠密潜入って作戦だったのかな。危うく引っ掛かるところだったよ」


「ちっ!……ははっ! 流石は難攻不落のジュヴェルビーク。そう簡単にはいかねえか。まあ、いい今日は引く。だが、盗んだもんはきっちり返してもらうからな。忘れるな」


 作戦がバレた事に加え、想定外のマルクスの登場にここが引き際と見極めたバジリスク。深追いはせず、潔く引き返していった。

 その様子を確認した門番がマルクスに駆け寄った。


「マルクスさん、助かりました! 班長が不在の時に攻め込まれると正直……」


「気にする事は無いよ。それより、皆無事かい?」


「ええ、なんとか」


「よく凌いでくれた! だけど、このタイミングで攻めて来たところを見ると、カルマ不在の情報が漏れたか……もしくは……」


「……ヒューマライズを一人探している……。そう言ってました」


「なるほど……、その情報を口にするという事は、ここ以外の可能性は調べ尽くしたという事か……。カルマに戻るように伝えよう」


「いいんですか。おそらくカルマもまだ……」


「大丈夫、もう探す必要は無くなったと思うから」


「え?」


 そう言い残すとマルクスは町の方へ帰っていった。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


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