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第七十九話  謎の少女

 しかし、発砲の瞬間ロキはモーゼスの手から銃を奪っていた。


「な……? きさま、いつの間に!?」


「なあ、おっさん。さっきさ、“殺すと面倒な事になる”とかなんとか言ってなかったっけ? そのルールあんた自身は破ってもいいわけ?」


「うるさい!! 私に偉そうな事を言うな!!」


 その時……


「モーゼス!!」


 突然背後からモーゼスを呼ぶ声がした。そして現れたのは一人の少女だった。


「ソ、ソフィア様……!? 何故あなたがこんなところへ……」


「あんたに話す筋合いは無いわ。それよりモーゼス、あんたよくもまあこんな物騒な物を……」


「え? あの子、いつの間に俺の手から銃を……」


 少女に銃を回収された事に気が付かなかったロキ。


「ねえ、人殺してたらあんたどうなるか分かってた?」


「……そそ、それは……、し、しかしこれはリゼルグ様からの指令で……」


「は? リゼルグが言ったのはヒューマライズの回収でしょ? 何の理由もなく人を殺せなんて言うはずないじゃん」


「……そ、それはそうですが……、このガキが生意気を言うものですからつい……」


「あー、もう聞きたくない。外に私の部下がいるから、その伸びっちゃてる二人運んでもらいなさい。 それが済んだらあんたもう帰っていいから」


「は、はい! し、失礼しました!!」


 少女に指示されるとモーゼスは怯えた様子で、その指示に従い去って行った。


 少女は町長に話しかけた。


「ねえ、おじいさん、困ってたみたいだね」


「っ! あ、あなたは、一体……?」


「うーん、外では迂闊に名乗ったりするなってパパに言われてるんだよね。まあ、モーゼスの上官の同僚ってとこかな」


「なっ!! そ、その……ご用件は?」


「そんなに怯えなくてもいいって。私、割とあんたたちの味方だと思うけど」


「え?」


「育成師マルクス・ガレットの居場所が知りたいんでしょ?」


「っ!! あなたは知っていると!?」


「たぶん、ジュヴェルビークにいるはず。……ま、まあ、私も聞いた情報なんだけどねっ」


「ジ、ジュヴェっ……!? な、何故そんな危険な場所に!」


「そ、そこまでは知らないわよっ」


「……しかし、なぜあなたのような立場の方が、このような助言を……」


「え? んー……、教えてもらったからかな、友達に。困っている老人や子供がいたら助けてあげなさいって。あんた老人でしょ?」


「は……はあ。あ、いやしかし助かりました。助言に感謝いたします!」


「そ。じゃ、私行くから」


「ちょっと!」


「え? ああ、モーゼスから銃を取り上げた……。あんた、やるわね」


「いや、それはこっちのセリフだって。俺、キミに銃を取られた事に気が付かなかったよ。それに見た目は子供みたいだし」


「子供って……。あんただって子供でしょ?」


「そ、そりゃ大人から見たらそうかもしれないけど、キミは俺から見ても子供だよ」


「ふん! 見た目で判断するなんて愚かなヤツ! 私の動きも見えなかったくせに!」


「い、いや……、怒らせるつもりじゃなかったけど……」


「あーもう最悪……。ふん! じゃあね、“こどものおにいさん”!」


 ロキに嫌味を言い放つと、少女は上空へと消えていった。


「と、飛んだ? 何なんだあの子……。(クインシーが言ってた政府に存在する強者の内の一人なのか?)」


「あーあ、ロキ、怒らせちゃったね」


「まあでも、悪い子には見えなかったし、大丈夫だと思うけどな」


「助けてくれたし、いい子かもね」


 ともあれ、謎の少女の出現で大きな被害が出る事も無くその場は治まった。

 少女からマルクスの居場所を伝えられたロキたちだったが情報が少なすぎる為、一旦ロザンヌに残る事にするのであった。


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


もし少しでも、面白い! 続きが読みたい! と思っていただけましたら、


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