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第七十一話  闘賭博

 ロキは近くにいた男に聞いてみる事にした。


「あの、ちょっとすいません。闘賭博(とうとばく)って一体何ですか?」


 すると男は、めんどくさそうな顔をし、連れのヒューマライズに視線を送った。

 ヒューマライズは男の代わりにロキの質問に答えた。


「僕が、ご説明させていただきます。闘賭博というのは一対一の戦闘の勝敗を賭けの対象とした競技の事です。世界的に人気の高い娯楽施設の一つです」


「そ、それって、出場者側にも賞金とか出たりするんですか?」


「はい、勿論です。どの試合でも3位までに入れば賞金は出ます。最高グレードの優勝ともなると賞金額は10億R(リアル)にもなります」


「じゅ、10億!? その試合近々あったりしますか?」


「いえ、グレードⅠの試合は年に数回のビッグイベントですので……。ですが大きな試合という事でしたら明日、優勝賞金1000万クラスの大きな試合がありますが」


「十分過ぎますよ。それ」


「ってあなた、そのお連れさんを出場させるつもりですか? お見受けしたところ、お連れさんは生活支援型かと……。明日の試合は上級の戦闘特化型も出場するような試合です。生活支援型で出場したところで一回戦で破壊されるのがオチです」


「いや、レンはそんなにヤワじゃないですよ。それに、明日の試合には俺が出ます。って人間にも出場資格ってあるんですかね?」


「そ、それは出れますが……あなた正気ですか? 殺されますよ!? 悪い事は言いません。考え直し……」


「おい! いつまでしゃべってんだ! 行くぞっ!」


「すいません、ご主人様! そ、それでは僕達はこれにて……」


 男達は去っていった。


「……な? あったろ? 稼ぎ口。ってレンは闘賭博の事は知らなかったのか?」


「知ってたけど、一般の人間が出場する例はあんまり聞いた事が無かったから。でもロキ、大丈夫? 明日の試合、さっきの話からするとグレードⅢって試合だと思うけど、結構レベル高いよ?」


「ん~、まぁ、やってみない事には分からないけど、出るなら今の自分がどこまでやれるか試してみたいし……。今の俺なら戦闘特化型とも渡り合えると思うんだよな~」


「ロキ、過信はダメだよ」


「うっ! ゴローじいみたいな事言うな」


「私、ゴローじいに言われてるんだからね! ロキが無茶しそうな時は頼んだぞって」


「ゴローじい、そんな事を……。分かった。一回戦でヤバいと感じたら棄権する。そもそも、俺が死んだらレンも破棄なんだ。それは俺も分かってる。だから、勝ち目のない賭けは不用意にはしないよ。まぁ、見てなさいって!」


「う~ん、仕方ないなぁ。でも、私はヒューマライズ。(あるじ)を危険な目に合わせない事も私の役目だって事も忘れないでよ!」


「ま、それはお互いにだ。……でもお前のその気持ちには感謝するよ!」


 こうして、闘賭博の闘士としての出場を決めたロキであった……。

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