表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/201

第五十七話  謝りたい事

 ドサ……


「え!?」




「お……、お母さーーん!!!!」


 瞬間、ソラがソアラを押し出した。

 真面に食らった……。


 光の槍の消滅と同時にソラの体から大量の血が吹き出る。


「ちっ! 猫に当たったか。 まあいいさ、もう一発お見舞いするだけ……うっ!!」


 更に攻撃しようと構える新に吾郎が攻撃を仕掛けた。

 しかし、その拳が新の顔を捉える寸前で斑鳩に止められた。

 だが吾郎の殺気を近距離で真面に受けた新は、もう立ち上がれない。


「あ゛あ゛……」


「新、もういい。下がれ」


「す、すみ……ません……」




「お……母さん?……いや……」


 膝から崩れ落ちるノア。一方、自分のエネルギーを分け与え治療を試みるソアラ。


「うっ、……ソアラ……もう……いいわ。この傷じゃ……もう……」


「お母さん、喋らないで」


「……やめて……あな……たが、保たない……わ」


「ダメ!! お姉ちゃん頑張って! お願い……お母さんを助けて!!」


「当たり前!! 絶対助ける!!」


「ノ……ア、ごめ……んね。お母……さんの……読みが……甘かった……みたい……。怪我……ない?」


「無いよ!! 無いからもう喋っちゃダメだって!!」


 泣きじゃくるノア。


「ノア……、泣かないの……。お父さんと……約束……してたじゃない?」


「だって、……だってお母さんがぁぁーー!!」


「はぁはぁ……、血が止まらない……」


 息が切れ始めるソアラ。


「ソアラ……お願い……もうやめて……。あなたまで倒れたら……」


「いやだ!! やめない!!」


 その様子を見てノアが動き出す。


「お姉ちゃん! 私が傷口押さえるから、そこに集中させて!! お母さん、ちょっと我慢してよ!!」


「ああっ!!……ノア……お母さん、……お姉ちゃんに謝らなきゃ……いけない事が……あるの……。だけどそれは……あなたには……受け入れがたい……事かも……しれない……それでも……聞ける?」


「お母さん!! 私は謝ってもらう事なんて無い!! だからもうこれ以上体力使うのやめて!! お願い!! 死んじゃうって!!」


 叫ぶソアラ。


「ごめんね……ソアラ、……あなたのくれた力を……私のわがままに……使っちゃって……でも、私はもう……助からない。最後に……あなたのくれた力で……謝りたい」


「お母さん!! 最後じゃない! 諦めちゃダメ!」


 しかし、直接傷口を手で押さえたノアは血まみれで分かり難かった傷口が想像を絶するものである事に気づいていた。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


もし少しでも、面白い! 続きが読みたい! と思っていただけましたら、


ブックマーク、評価をお願できましたら幸いです。


とても励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ