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第五十四話  運命の日

 そして、運命の日……。

 時刻は、12時を迎えようとしていた。


 それまで穏やかだった空気が徐々に張りつめていくのを四人は感じていた。


「っ! 来たか。皆、下がってなさい」


 吾郎が遠くに見える人影の方に歩み出した。


「私も行く!」


 ノアが勇む。


「ダメだ」


「うっ!」


 静かな口調とは裏腹に、いつになく殺気だった吾郎の気を感じ、大人しく従うノア。

 そして、吾郎は斑鳩と新の前まで歩み寄った。すると、斑鳩が口を開いた。


「お久しぶりです、式神さん。……ふふっ、恐ろしいまでの殺気ですね。お答えを聞くまでありませんか」


「ああ、帰ってくれ」


「そういう訳にはいきません。我々も任務を遂行する義務があります故。まあ、このような場合を想定して、10億ほど賠償金を用意させていただきましたので、お納めください」


「バカな!! 金などいらん!!」


「……式神さん、我々は殺人集団ではないのです。穏便に済ませようじゃありませんか。どうぞ、お納めください」


「だったら、何も言わず帰ってくれ! 私達はただ、家族で生活したいだけなんだ。頼む! どうかお引取り願いたい!!」


「やめてください。頭を下げて済ませようなど見苦しい。……分かりました。では、あなたの命をもって償っていただき、それによりヒューマライズの破棄……。と言いたいところですが、育成師を殺める事はジャネクサス様より禁じられております。よって、あなたが破棄をせざるを得ない状況を作らねばなりません……か。ふぅ……」


 一息つき、斑鳩は刀を抜いた。そして一瞬で目の前から消えた次の瞬間……。


 ザシュッ!!


「うっ……! ノア、逃げなさい……!」


「お父さん!! 手……」


 ノアを狙った斑鳩の一突きを吾郎が庇った。刃を掴んだ手から血が流れ落ちる。


「(斑鳩さんがいきなり“獅子丸新月”を抜くなんて初めて見た。しかもあいつ、それを片手で止めやがった……これが育成師の実力……)」


 吾郎の戦闘能力の高さにたじろぐ新。一方で斑鳩は尚も冷静だった。


「ほう……、あの位置から私に追いつくとは……流石といったところですね。ただ、残念です。無駄に食らってしまわれて。(はな)から当てるつもりはありませんよ。大事な人質になってもらわねばなりませんからね」


「関係無い。娘に刃を向けられて見過ごす訳にはいかん。」


 言葉とは裏腹に斑鳩の想像以上の戦闘能力に余裕の無い吾郎。


 と、そこに、ソアラが攻撃を仕掛けてきた。


「お父さんから離れろー!!」

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


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