表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/201

第四十二話  新たな日常

「おねーちゃーん、早くー! リオ来たよー!」


「ごめーん……! ふぅ、おまたせ! じゃあ、お父さん行って来るね!」


「おう! いってらっしゃい。気をつけてな」


「うん、行ってきまーす!」


 あの日から一週間が経った。あれ以来、政府がソアラに接触してくる様子は見せていない。だが近い内に必ず現れることを警戒し、3人はソアラを一人で行動させないようにしていた。


「行ってらっしゃい」


「ん? お母さんの声? あ! あんな所にいる……」


「お母さーん、いってきまーす!」


「おばさーん、いってきまーす!」


 屋根の上のソラに手を振る3人。あの日の翌朝、リオにもソラが自ら正体を明かした為、一週間が経った今では、リオもソラの存在を受け入れている。とはいえ、ソアラ失踪事件の真相については、知ってしまう事でリオに危険が及ぶ恐れを考慮し伏せている。


「さてと、私も行くかな。よっと……」


 屋根の上から軽やかに駆け降りるソラ。


「ゴローちゃん、偵察行って来るからあと宜しく」


「おう、頼んだ!」


 この偵察もソアラを守る為の一環である。ソラの提案で昼間仕事のある吾郎に代わり、学校近辺に異常が無いかなどをソラが偵察する事にしているのだ。


「よし、では私も仕事に行くとしよう」


 ソラの偵察のおかげで安心して仕事に向かう吾郎。

 この日は吾郎が月に一度、月末に行っている弟子達のテストの日だった。テストと言っても合否がある訳では無く、各弟子たちの成長度合を実際に吾郎との組み手で計るというものだ。普段は、監督としての指導がメインの吾郎だが、この日ばかりは弟子全員を相手に組み手をするという事で、毎回時間の経過を忘れてしまうのが通例だ。そしてこの日も例によって時間を忘れ、気が付けば正午を過ぎていた。


 ――


「むっ! もうこんな時間か。すまん皆! 少し遅れたが休憩にしようか!」


 吾郎が時間に気付き、弟子たちに声を掛けたその時だった。突然道場の戸が開いた。


 ガラーッ!!


 その音で吾郎は咄嗟に身構えた。


「ただいま~!!」


 しかしどうやら吾郎の早とちりだったようだ。顔を出したのはノアだった。


「ふぅー、なんだノアか~」


「なんだって何~! せっかく部活の午後練よりも優先して稽古しに来たってのに~!」


「あ、今日、土曜日か~。まあ、丁度どいいな。ノア、お昼にしようか?」


「ううん、あとでいいよ。それより先に誰か相手してよ」


「お! やる気満々だな! そしたら……よし、ロイド。休憩前にすまんが、ノアの相手を頼む」


「はい、先生!!」


 吾郎はノアの相手に弟子の中でも最も腕の立つロイドを指名した。


「ロイド! 手加減無用だよ! 今日こそは勝つからね!」


「はい、ノア嬢! では、行きますよ!」


「いいよ! いつでもOK!」

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


もし少しでも、面白い! 続きが読みたい! と思っていただけましたら、


ブックマーク、評価をお願できましたら幸いです。


とても励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ