第二十七話 スーパー猫覚醒!?
2時間後、キャンプ場に到着した一行は、まず皆でテントを立てた。
テントを立てたら次はお昼ご飯。キャンプと言えば、みんなで作るのが定番だ。
そんな話をしながらみんなでカレー作りが始まった。
トントントン…………
「わぁ~! お姉ちゃん、包丁上手だねー!」
「ふふっ。生活支援型ヒューマライズにとって家事は得意分野だからね!」
「へー、普段お父さんがご飯作ってるから全然知らなかった~」
楽しそうな二人を他所に、吾郎は深刻な問題に気づいていた。
「しまった……」
「どうしたの? お父さん」
「……えっと、米を持ってくるのを忘れた……」
「えぇぇぇーーー!! どうすんの?」
「えと……、じゃあこの切った野菜はどうしよう……」
「いや~……ホントすまん!! とりあえず、ご飯なくてもカレーだけでも作ろうか?」
「う~ん、カレーだけかぁ……。どうする? お姉ちゃん」
「私はいいけど……って、あれ? レミーは? さっきまでいたのにどこか行っちゃった?」
「え? あ、ホントだ! いない……。おーいレミー!!」
周りを見渡す三人。すると吾郎が川の方にいるレミーを見つけた。
「お! あれレミーだ!」
吾郎が川の方を指さすと二人もレミーの姿に気が付いた。
「あ! ホントだ! 水苦手なはずなのになんで?」
三人はレミーの元まで行く。すると、その理由が分かった。
「わ! 魚がいっぱい! ねっ! ノア、魚がいっぱい泳いでるよ!!」
「ホントだぁ! お姉ちゃんも珍しく興奮してるね!」
「え? ははは……。私、魚屋さんの魚しか見た事無かったから、ちょっとびっくりで……」
魚の大群に驚いている二人。しかし次の瞬間、吾郎も驚くような光景を目の当たりにした。
「え……!?」
開いた口が塞がらない吾郎。なんと子猫のレミーがまるで熊が鮭を獲るかのごとく魚を捕まえているのだ。
「レミーすごーい!!」
そして、4匹の魚を陸に打ち上げるとレミーは三人の元に戻ってきた。
「にゃ~!」
「“打ち上げた魚はお昼ご飯だよ。”って言ってる。お父さん、レミーお昼ご飯確保してくれたみたいだよ!」
「う、嘘だろ……?」
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