第二十五話 名付け親
――そして夕食時
「ねー、猫ちゃんに名前付けようよー!」
「そうだなー……、どんな名前がいいかなー?」
「う~ん、お姉ちゃんはなんかいい名前思いつく?」
「私は、ノアやお父さんが付けた名前でいいよ!」
「う~ん、じゃあ、竹丸とかは?」
「ぶっ!! た、竹丸!? ……おいおいノア、あの子女の子だったぞ。それはちょっと無いんじゃないか?」
「えー、じゃあそーゆーお父さんはなんか思いついたの?」
「え……あ、いやー……、にゃん子……とかは?」
「……う~ん、やっぱお姉ちゃん名前考えて!」
「お、おいノア! にゃん子は無視かいっ!」
「それじゃあ……、“レミー”……なんてどうかな?」
「レミー……、可愛い~!! お姉ちゃん、その名前可愛いね!」
「レミーか! おお、いい名前だ! よーし、今日からキミはレミーだ!」
「にゃ~……」
「あ! 鳴いた! ねぇ、この子初めて鳴いたよ! 名前気に入ったって言ったのかも!」
「え? ノア、猫の言葉分るの?」
「えへへー、なんとなくそんな気がしただけだけど」
「すごいなー! 私も覚えてみようかな」
「あははっ! お姉ちゃんならホントに覚えちゃうかも!」
こうして猫の名前も決まった。
初めはノアのわがままが始まったと不安に思っていた吾郎だったが、楽しそうに笑う二人を見て、今後レミーのいる生活の中で二人が何か学んでくれればと期待をするのであった。
しかし吾郎は一つ不自然な事に気が付いていなかった。それは、ソアラが猫に名前をつけたという事だ。
一瞬ごく普通の事に思えるのだが、ヒューマライズにしては人間味がありすぎる。
事実、“名前をつける”なんて行為は本来ヒューマライズにはできない事だ。
そんな高度な事を当たり前のようにこなすソアラ……。
謎は深まる……。
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