第百八十七話 また逢う日まで
「あ、レン! こんなところに」
「ソフィアちゃん、手はもう大丈夫なの?」
「え?……まあね、少し時間経ったから痛みはだいぶ引いたし、この義手もいい感じに反応するしね」
「あ……、えっと」
初対面のトトニスは困惑している。
「あ、トトニスちゃん、紹介します! こちら、ソフィアちゃんです!」
「あ、……どうも」
「で、ソフィアちゃん、こちらがトトニスちゃんです」
「あ、……よ、よろしくね」
「…………あれ?」
「ってレン、あんた何その微妙な紹介は!」
「え?……あ、そっか二人は元々敵同士になるんだ……。トトニスちゃん、ソフィアちゃんはね……――」
「大丈夫、私はもう気にしないよ! ねえ、ソフィアちゃん。もしよかったら私ともお友達になってくれないかな」
「え……? わ……私は……」
「嫌だった……?」
「ううん……、そんなんじゃない。そんなんじゃないけど……いいの? 私は……」
にっこり笑って手を差し出すトトニス。
それを見て、一度頷き、その手を取るソフィア。
「よろしく! トトニス!」
「ははっ! よろしくね、ソフィアちゃん!」
――翌日
「カルマ、みんな、お世話になりました。私、行くね」
挨拶をするレンにクリオネが声を掛ける。
「……レン。ロキの事……、カルマから聞いたよ。だが、未だに信じ難い。もしかしたら今でも何処かに……」
「へへっ! ありがとうございます、クリオネさん。……でも大丈夫です。私もそんな気がしてますから」
「……すまん、根拠も無い事を……」
「クリオネさん、元気出してください!」
「ははっ、逆に励まされるとはな。……レン、またいつでも来い。トトニスもカルマもみんな待ってる。もちろん、私もだ」
「はい! また、来ます! ソフィアちゃんと一緒に。……ね、ソフィアちゃん!」
「え?……う、うん。……私は……」
「おい、ソフィア。義手はメンテが大事なんだ。だが、素人にはできん。最低でも月に一度は来い。俺が手入れしてやるから」
「ぐ……、あんたねぇ」
「ふふっ。なぁに、お二人さん。仲良しだねぇ~」
「んなわけないでしょ。……でもまあ、あんたがどうしてもメンテしたいって言うんなら来てやるわ」
「ふふっ、似た者同士だね」
「ふんっ!」
「さて、じゃあ……行こうか」
「またね、レンちゃん!」
「うん! トトニスちゃんも元気で!」
こうして二人はジュヴェルビークを去った――
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