表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
175/201

第百七十五話  最終決戦の幕開け

 ――ジュヴェルビーク 深夜二時


 町中に警報が鳴り響いていた。


「カルマ!! クリオネだ。恐れていた事態だ。予想された内で一番最悪のケースだ」


「ああ、分かっている。深夜だが、四の五の言っていられん。まず、町の皆を新設した地下中央シェルターに避難させる」


「ああ、了解した」


「カルマ! クリオネ! ノイだ。俺の班は東から南、西の流れで外周辺の皆に呼びかける。避難誘導は何度か訓練した通り、外周辺に住む者から内に向かって行き避難する中、内に住む者を誘導していく流れで進めるぞ」


「ノイ、対応が早くて助かる。私の班は西から北、東に向かう。そのままお前達は西門の防衛、私達は東門の防衛に就く」


「ノイ。クリオネ。頼んだ。俺は、ジャネクサスとの交渉に向かう」


「カルマ。分かっていると思うが、レンが再び稼働されているなら人質に捕られる可能性が高い。交渉は不利だぞ」


「分かっている。だが、連れられて来ているとすれば救出する。レンがソートリオールで捕らえれているようなら、ジャネクサスを捕らえて交渉する手もある」


「ジャネクサスを……? 相当賭けだな。……だが、お前を信じる。承知した。レンの事は頼んだ」


 そして、ノイとクリオネを中心に各防衛班の誘導の下、深夜にも関わらず、住民の避難は訓練通り無事に終わった。そして、それぞれが戦闘配置に着いて間も無く、東西で途轍もない衝撃と同時に大地が揺れた。西でバジリスク、東でリゼルグが防御壁を粉砕したのだ。


「ほう……、こりゃまた大層な防御壁を作ったもんだ。一枚ブチ破ったと思ったら直ぐに内側に壁が再生する仕組みとは……、しかもこれはマルクスとクリオネの共作……なるほど、かなり強固に練り込まれてるな。骨が折れそうなこって。これは、西のバジも相当、手ぇ焼いてるだろうな」


 そのリゼルグの背後からクリオネが襲い掛かる。


「ここは通さん!」


 しかし、その攻撃を斑鳩が止める。


「私が相手をしよう。リゼルグ、お前は壁の破壊に専念しろ」


「ああ、助かるぜ。じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうか……」


 斑鳩の助太刀を受け、壁の破壊に集中するリゼルグ。そして更には、時朗がクリオネの背後を狙う。


 ザンっ……――


 ――ガっ!!


 しかし、クリオネの背を男女二人の若い剣士が守った。

 クリオネ隊の中でも成長目まぐるしいルーキー達だ。


「いくらクリオネさんが強いからって、流石に隊長二人はズルくない?」


「へへっ! 敵の隊長さんと差しでやり合ってみたい気もするが、まずはここを守る事が先決。悪いが、二人でやらせてもらうよ」


「実興、蝉丸、そっちは任せた。私は、こいつを止める!」


「承知です」


「クリオネさん、ご武運を」


「ああ、互いにな」


 そしてクリオネは、水でサーベルを作り、斑鳩と対峙する。


「参る……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ