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第百七十四話  最終幹部集結会議

 ――緊急幹部会議


「皆、揃った様じゃな。では、早速じゃが時朗、報告を」


「はっ。先日仰せつかった任務、“レイチェル・フィルエーテルとロキと名乗る少年の引き離し”は、師の暗殺が最良と判断したものの力及ばず、少年のバッドエンドへの幽閉という結果に終わりました」


「ちょ……ジャネクス、ばーさん絡みの案件は回避の方向じゃなかったのかよ。単独であのばーさんと対峙なんて危険すぎるぜ……」


「ここでの共有無しに進めた事については、詫びる。……ひと月ほど前から各地の闘賭博でレイチェルの弟子として登録されている怪しい新参者がおってな。時朗に密かに追わせておった」


「それが、あの少年だったと言う事ですか……」


「ああ、この短期間で大幅な戦闘能力の向上を確認した」


「……それで、ばーさんの企てを疑ったんだな……」


「……そうじゃ。時朗よ。危険な任務、ご苦労じゃった」


「……いえ、恥ずかしながら暗殺が未遂に終わったのちは、体に染みついたかつての恐怖に支配され、暫くドラグレスク付近に身を隠しておりました。命など捨てたものだと誓った我が……トラウマなどに支配され……あろう事か、そのドラグレスクで再度対峙し、一度……殺されました……」


「えっ!! 朗くん……」


「……体を塵にされたと思った瞬間に再生させられた……」


「ちょっと待って! パパ、この緊急招集の意図って……。続けていい?」


「ああ」


「時朗、聞きなさい。あんたの言う少年、バッドエンドからの脱走を図ったわ」


「っな!」


「実戦任務が禁じられてる私に代わってレンを配置して、捕縛には成功してる。あんた、さっきおばあちゃんがドラグレスクにって……。万が一バッドエンドで脱走が発生した時、脱獄囚が送られる場所……、分かるわよね」


「……主……我は……」


「時朗よ。お主はよくやった。嘆く必要は無い。仮にドラグレスクで再び奴らが遭遇するとしても数日は掛かるだろう。それに、少年の現在の力は今回のお主の働きにより推し量れた。現状、恐れるに足らん相手じゃ。情報量では我らが圧倒的有利」


「パパ……どうするつもり?」


「ソフィアよ、レンの仕上がり具合を確認したい。出力120%の持続可能時間は?」


「10分よ」


「十分じゃ」


「っ!! パパ、まさか、もうカルマにぶつけるつもりじゃ!?」


「今を逃す手は無い」


「待って! レンはまだ、こどおに……ロキにさえ手一杯なのよ!? そんな実力じゃ、みすみすやられに行くようなもの……」


「案ずるな……、策はある」


「……え?」


「皆の者!! これが最後の作戦になる。カルマの首を獲る! 分かっていると思うが奇襲は通用せん。ジュヴェルビーク東門の奪取を斑鳩、リゼルグ、時朗。西門の奪取をリュシオル、バジリスク、アルージャ。そして、ソフィア、レンを連れてわしとカルマを狙う。この布陣で挑む。各々抜かり無く、全力を尽くせ! ここで獲り逃せば、もう次は無い」


「はっ!」


 最終決戦の時が近づく。


 しかしソフィアは一人、不安を隠せないままその時を迎えるのであった――。

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