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第十四話  主として

「し、死ん……だ!? それに、恐らくって」


「それはワシにも説明できん。言えるのは、あの状況ではワシは死んでいたとしか……。じゃが、ワシは生き残り……あの子は……」


「良かった……」


「え?」


「ゴローじいは今もこうして生きてる。それにあいつだって、今はレンかもしれないですけど、処分なんてされずに生きています。ゴローじいは必死になって戦ってくれたんです。だから、合わせる顔が無いなんて……そんなのおかしいですよ。」


「……」


「それに人格を持つという事は自由に生きる権利を得るという事。そう思って俺は、あいつに人格が芽生える事を期待します。寧ろこのままでいるほうが寂しいです」


「なっ!……じゃが、人格を持てば政府はレンちゃんを消そうとしてくる。それを拒めば、キミもただでは済まない」


「それなら、俺がレンを守ればいいだけです」


「っ!」


 無謀な発言……、根拠の無い優しさ……、それがいかに危険な事か……、そんな事は百も承知のはずの吾郎だが、不思議とロキに期待感を抱いてしまっていた。


「ゴローじい?」


「……ロキ君、レンちゃんを守ると言ったな。だが、正直今のキミでは何もできん。酷な言い方をするようじゃが、あえて断言する」


「そ、それは分かってます! でも俺があいつの(あるじ)である以上、あいつに何かあった時に支えてやりたいんです!」


「……ワシの下に残りなさい」


「え?……そ、それって」


「ワシが、キミを育てる。誰にも負けんようにな」


 それはロキにとってこの上なく嬉しい申し出だった。


「は、はい! ぜ、是非! 宜しくお願いします!!」


 そこへ風呂から出てきたレンが現れた。


「どうしたんですか? 大声出して」


「おお、レンちゃん。いい湯じゃったかい?」


「お先に失礼しました、とってもいいお湯でした」


「そりゃ良かったわい。それじゃあ、ロキ君入って来ると良い。ワシは、最後で良いでの」


「はい、ありがとうございます。でも、その前にレンに話を……」


「私にですか? なんでしょう?」


「レン、今から俺と破棄の取り決めをしよう」

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


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