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第百三十六話  今やれる事を

 ――ジュヴェルビーク


「クリオネさん!!」


 クリオネに駆け寄り抱き着くトトニス。


「トトニス、無事でよかった。……お前、その足は?」


「そんな事より……、レンちゃんが……」


 抱き着いたまま涙を流すトトニス。


「え? カルマ、何があった?」


「……破棄された。……すべて俺の責任だ」


「っ!!!……なんだと。……ロキは? まさか……」


「……大丈夫だ。あいつは生きている。今はレイチェルの下に居る」


「レイチェルさん?……どういう事だ?」


「あのばあさんの事はよく分からん。……だがソートリオールに向かう途中、トトニスとロキを抱えている奴に遭遇した」


「二人を助けてくれたのはレイチェルさんという事か」


「ああ」


「でも何でロキだけが連れていかれたんだ? 大丈夫なのか?」


「レイチェルの思惑は分からん。だがロキの奴は、ここに連れてきても、閉じ込めて監視でもし続けない限りレンを取り戻すつもりで飛び出すだろう」


「え? 待ってカルマ! レンちゃんはレヴェイになって破棄されてるんだよ。だったらもう……。うっ……うう……」


「いや、奴らはレンをずっとハザマで保管していたんだ。利用するつもりなら完全廃棄はしないだろう」


「ホントっ!? だったら助けに……」


「……分かっているだろトトニス。……レンは、もうレンじゃない。破棄は……破棄だ」


 カルマの言葉で冷静になったトトニスは肩を落とした。


「……私……バカだ……」


「……今は、政府の動向を注視するのが最良ってとこか」


「ああ、政府の動きは今後もマルクスに探りを入れてもらうつもりだ。……レイチェルの方は、拠点も何処にあるか誰も分からん。ロキがそこで生活するのであれば、政府も手の出しようが無い。ここを抜け出して向かった先も、今思えばレイチェルのところだったんだろう。力がほしいなどと言っていたからな。だったら、あいつがレイチェルの下を去る可能性も低い」


「ある意味ここに置いておくより安全という訳か」


「ああ。……ところでマルクスはどうした?」


「……実は、カルマが出て行って数分後に倒れた。今は眠っている」


「……ルクスカリフの使い過ぎか。……負担を掛けてしまった」


「……ねえ、カルマ、クリオネさん。私、捕まってた時に意識を奪われて、それで……、気が付くとロキ君を襲ってた……。その時は、ロキ君が私の意識を戻してくれて、それで救われたけど……、ぼんやりとした記憶の中にロキ君ともう一人、マルクスさんの顔が思い浮かぶんだ。もしかして、私、マルクスさんにも酷い事したんじゃないかって……。それなら私、謝りたい」


「……クリオネ、マルクスが起きたらトトニスを案内してやれ」


「ああ、分かった」


「ありがとう、二人とも」

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


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