表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
131/201

第百三十一話  潜入! ソートリオール その2

 政府の猛攻で、陥落寸前まで追い込まれたジュヴェルビークだったが、カルマの復活により、難を逃れていた。

 一方、ソートリオールへの潜入に成功したロキとレンは、唯一面識のあるソフィアを頼ろうとするも、その道中、敵に見つかってしまった。この窮地をレンが請け負い、ロキを先に行かせる。

 しかし、格上相手にレンがいつまで持つか分からない。焦りが募るロキだったが、思わぬ形でトトニスを見つける。意識の無いトトニスを背負い、レンの下へ急ぐロキ。


 しかし、それを阻んだのはトトニスだった――。


「トトニス、やめてくれ! 俺だ! ロキだ!」


 攻撃を躱しながら必死に呼びかけるロキだが、動じる事なく攻撃を繰り返すトトニス。レヴェイであるトトニスは潜在的な戦闘力は高い。更に意識を奪われた今は闘争本能のままそれを向けてくるだけに、その攻撃を躱すのも容易ではなかった。


「くそっ! 躱し続けるのにも限界がある。……でもトトニスに攻撃はできない」


 対処に苦しみながら応戦するロキ。足元への攻撃を受けてしまい、倒れた。トトニスは馬乗りになり拳を振り上げた。


 しかし……


「ピィィィーー!!!」


 ロキは、咄嗟にラムーを呼ぶ時の指笛を吹いた。

 すると拳を振り上げたまま、トトニスの動きが止まった。


 そして……


「……うっ!……え?……ロキ君?」


「トトニス!!」

「わっ! ごめん!! 私何やって……」


 振り上げた拳に驚き、慌てて立ち上がるトトニス。


「大丈夫だよ! そんな事より、意識戻ってよかった!」


「ごめん!! 私、捕まって……途中からあんまり覚えて無くて……」


「いや、トトニスは何も悪くない。謝るのは俺だ。俺たちがジュヴェルビークを抜け出して……。それで、トトニスが捜してくれたって……。ごめん……こんな危険な目に遇わせてしまって」


「ううん……。それよりレンちゃんは? 一緒に抜け出したんだよね?」


「ああ。あいつ、俺を先に行かせる為に今一人で戦ってるんだ。だから早く戻らないと!」


「そんなっ! 急がなきゃ!」


「トトニス、走れるか?」


「うん! 大丈夫、急ごう!」


 ロキがトトニスを先導し、元来た方へ走る。しかし、どこまで走っても入り口が見えてこない。


「……おかしい。方角は確かにこっちのはずなのに出入り口が無い……」


「ねえ……ロキ君、ここってさっきの場所に似てない?」


「え?」


「……間違いない。さっきの場所だよ……。あちこちにある窪み……、私たちが戦った時にできた跡だ」


「……うそだろ。……どうなってるんだ」


「もしかして、これも敵の罠なの?」


「……悩んでても仕方ない。一旦さっきとは違う方角に行ってみよう」


 そして二人は、さっきとは違う方角へ走り始めた。しかし、結局元の場所に戻ってしまう。その後も出口を探して走り回るも、何度繰り返しても元の場所に戻る。


「はあはあ……」


「はあはあ……、大丈夫かトトニス……」


「うん、大丈夫……。でも、どうしよう。このままじゃここから出られないよ」


 ……と、ロキが思いついた顔をし、その場で高くジャンプし周りを見渡した。すると、遠くに地面の裂け目を見つけた。


「トトニス、あっちだ。あっちに谷がある。その向こうに何かあるかもしれない。行ってみよう!」


「うん!」

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


もし少しでも、面白い! 続きが読みたい! と思っていただけましたら、


ブックマーク、評価をお願できましたら幸いです。


とても励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ