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第百二十六話  いざ、ソートリオールへ

 トトニスを人質に取り、身柄の保証を条件に再びロキとレンの引き渡しを要求する政府。ここで要求を無視すればトトニスの命が危ぶまれる。

 カルマの意識が戻らない中、指揮を執るクリオネは、それでも二人行かせる事は危険と判断し、敵を欺きつつ自らがトトニスの救出に向かう決断をする。

 手薄になるジュヴェルビークの防衛指揮はマルクスに託された。


 しかしその最中、予想外の事態が起きた。グローサ全七部隊の内五部隊という未だかつて無いほどの勢力が強襲を仕掛けてきたのだ。

 カルマが戦線離脱の中、この強襲からロキとレンを守る事は難しい。むしろ、自らも防衛に加わらなければジュヴェルビークが陥落するような状況……。これで、トトニスを救出する為の戦力も割く事も難しくなった。

 マルクスとの話し合いの末クリオネは、僅かながら可能性に賭け、ロキとレンをトトニス救出に向かわせる事を選択するのだった――。


「ロキ、見えてきた。あれが中枢都市ソートリオールだよ」


「ああ。……俺たちのせいでこうなったんだ。絶対トトニスを助けような」


「うん!……トトニスちゃん、どうか酷い事されていませんように……」


「向こうにはソフィアもいるんだ。きっと大丈夫」


「うん……。まずは、そのソフィアちゃんに会って何とか味方になってもらわなきゃ。……ロキ、隠密行動だよ」


「ああ。気配は、ゴローじいの護符の力で消せる。あとは、どこに居るか分からないソフィアをどう見つけるか……」


「大丈夫。一度会った事で、あの子の気配は私が覚えてる」


「よし! なんとか行けそうな気がしてきた」


「油断はダメだよ。強い力を近くに感じたら、隠れる事。あと監視にも常に意識を払って」


「分かってる。絶対に戦わない事。だろ?」


「うん。……じゃあ、いよいよ作戦決行だよ」


 ソートリオールの玄関口まで辿り着いたロキとレン。元々政府の関係者以外が近づく事など有り得ない為、領域外周に対して広範囲の防衛線などは見られない。それでも僅かに残った部隊が中枢を防衛している事は確実。二人は気配を消し、周囲の状況を確認しながら潜入した。


 潜入して間もなく、不意にロキが立ち止まった。


「ロキ? どうしたの?」


「……いや。(なんだ? 初めて来たはずなのに、俺、ここを知ってる?)」


「あんまりぼーっとしてると見つかっちゃうよ」


「……レン、そっちは危ない。コッチだ。専用の抜け道がある」


「え? どういう事……? 専用って誰の……?」


「誰の……? いや、分からないけど、大丈夫。信じてくれ」


「う、うん。……分かった」

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