詩 導かれたい私の保険
「先輩って、どうしていつもタロット持ち歩いてるんですか?」
「持っていないと不安でしょうがないのよ」
運命を示してくれる品物
私は自分では歩けないから
暗い夜道を照らしてほしい
正確でなくてもいいから
何も分からないから
定まらない状況から逃れたい
まるで無限の宇宙の中を
孤独に一人で漂っているよう
この世界に生きていると
何を信じればいいのか
時々わからなくなってしまうから
ほんの少しでも
わずかでもいい
手元を小さく照らすだけでも
安心できる