虚無→幸
幸せと虚しさは瓜二つである。
胸の痛む場所が同じだ。
感じ方次第で、幸せにも虚無にもなるのかもしれない。
夜が来た。
夜風にあたった黒い髪がサラサラと舞う。頬をくすぐって、誰かに撫でられている気分になった。悲しくなった。
「誰もいないのにね。」
右には、川があった。
今、私は、橋を渡っている最中だったようだ。
夜の川は、とても綺麗だ。汚い部分など少しも見えない。ただ、反射した美しい夜の街が見えるだけ。あとは、全部真っ黒である。
こういう時に、幸せを感じる。私だけが知ってる美しさ。この景色は、私だけのもの。