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裏山で遊んでいたら、されこうべが出てきた話。

作者: 穂高

 わたしの家の裏は、すぐ山になっている。それはただの山ではない。戦国の乱世に天下を取り損ねた、あの織田信長が築城した“安土山”である。

 むかし、父からこんな話を聞いた。


 父が子どものころ、裏山で遊んでいたら、足に白いものがあたった。気になったので掘り返してみると、されこうべが出てきたというのだ。

 それが人の骨だと幼いながらに理解し、こわくなって、その場に捨て置いたそうだ。

 しかし、どうにも頭から離れない。

 現代になっても墓に入れてもらえない人の骨。あまりに不憫だと、翌日になってもう一度、されこうべを捨て置いた場所に向かった。

 すると、それはまだある。

 家に持ち帰ってはおそらく母親に怒られると思った幼い父は、それを持って安土の山を登り、今は土台しか残らない山の天辺の木の片隅に土を掘って、それを埋めた。

「ここにあんたが命を懸けた、信長公はいないけれど、かつて主君が見た景色を見下ろしながら目指す極楽浄土はまた格別だろう。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。いざ、天を仰ぎ見ん!」


 おしまい

物語の出来方:実父から聞いた話に色を付けた。実際には、父は触らず目にしただけである。

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