第7話 狂った世界
目が覚めると日は既に高く昇っていた。周りで寝ていた大勢の兵士達も一人もいない。
慌てて飛び起きて、昨日食事をとった食堂に行くと。
「ガブリエラ、寝坊助が起きてきたぞ。」
「あ、本当だ。おはようございます! 優さん! ご飯出来てますよ、食べます?」
彼女達が厨房に立っていた。
「あ、ありがとう。いただきます。」
勢いに押されて条件反射で返事を返す。席に着きながら………あれ? 今…。
「俺の名前、教えましたっけ?」
「昨日、マグワイヤ大尉が言ってましたよ。」
…ああ、褒めてくれた時か。………ん?
「マグワイヤ大尉?」
「? 宿舎から一緒におられた方ですよ。…まさかお名前知らなかったんですか!??」
「いや、あの、えっと………。」
そう言えば知らなかった。名前の紹介されなかったし。軍人としか呼んでなかった。
優の反応に二人は呆れる。
「これは…、食事の前にしなくてはならないことがありますね。ミカエル。」
「そうだな、ガブリエラ。」
そう言うと二人は優の机を挟んで目の前に並んで座った。
「私はガブリエラと言います、私達は双子で私は妹です。」
「ミカエル、姉だ。」
「改めて、姉共々助けていただきありがとうございました!」
「ありがと。」
二人が自己紹介して頭を下げる。
「いえいえそんなご丁寧に。自分は銅優です。」
優も自己紹介をする。
「アカガネスグル………なるほど、長いから略してスグルとしているんですね。」
「…………………………………………はい?…………………………」
何を言っているんだ? このカブリエラという子は。
「いや、銅は苗字ですよ。ラストネームです。ファミリーネームと言った方が通じますか?」
優にとっては何でもない返答だった。少なくともこれで通じると思った。しかし、
「………苗字? ラストネーム?」
「ファミリーネーム? どれも聞いたことない。」
………………………………………………………………………冗談だろう!!?
「…え? いやあの……家族の方の、家の名前ですよ! 親と同じ共通の姓を受け継ぐでしょう!? 多くは父方からの姓でその下に自分の名前、ファーストネームが来るでしょう!?」
しかし、二人の口から出てきたのは信じがたい言葉だった。
「………か……ぞく?」
「なんか不思議な単語が一杯出てきたぞ。」
……………………………落ち着け、KOOL(誤字にあらず)になれ銅優。
「あの、お二人のご両親は?」
「いますよ。もう亡くなってしまいましたが。」
う、聞いちゃいけなかったか? いやここで引いてはいけない。もしかしたらこの世界は考えている以上にとんでもない世界かもしれない。
「失礼ですがご両親のお名前を伺っても?」
「はぁ、父はシャイターン、母はルシフェラといいました。」
「………それだけ?(;’∀’)」
「それだけですが??( ̄д ̄)」
おかしい、明らかにおかしい。
「あの、マグワイヤ大尉と言いましたよね。彼の名前はそれだけですか? マグワイヤの前にも後ろにも何もつかない、マグワイヤだけですか?」
「それ以外に何か必要なんですか???」
どういうことだ? この世界には苗字というものが存在しないのか?
実のところ、ここが異世界である以上、苗字がないこと自体はそこまで重要なことではない。そういう世界もあるだろう。優が焦っていたのはもっと別の、根本的な何かが致命的に違うことを感じ取ったから。
「家族………という単語が通じない。」
そう、家族と言う社会の最小単位の言葉の意味が通じなかった。これこそが最大の不安材料だった。
ぐぎゅるるるるるる~~~。
「「「………。」」」
…胃袋は空気を読まない。
「とりあえず、ご飯食べます?」
「…はい、いただきます。」
「そう言えば、大尉達はどこへ? 他の兵士の皆さんも姿が見えないんですが?」
「皆さん、後処理と残党狩りに行かれました。残党は流石にもういないだろうということですが、念には念をということでマグワイヤ大尉が指揮を執っています。」
「え!? それ私も行かなきゃならないんじゃ!?」
朝ごはんとして用意された野菜と肉の炒め物とパン、ミルクを頬張りながら慌てて立ち上がる優に。
「大尉より{寝かせおいてやれ}、と指示がありました。」
「起きたら伝言、{待っていろ}。以上。」
置いてけぼりかよ、とも思ったが、そもそも優は民間人なのだから残党狩りに付いていくほうがおかしい。昨日無理した反動か、体はバキバキで各所が筋肉痛で悲鳴を上げている。
正直、目の前の料理を乗せたトレイを持ち上げることすら重労働に感じる。これでは付いて行ってもお荷物になるだけだろう。昨日が特別だったのだ。
とは言え、何もしないというのも気が引ける。昨日使った銃は置いて行ってくれたらしい。それを持って司令部の玄関に立って歩哨の真似事をしてみる。
………立っているだけで結構キツイ。結局、椅子を持ってきて立ったり座ったりしながら大尉達が戻ってくるのを待つ。
「何をやっているんだ? スグル。」
「お帰りなさい、お疲れ様です。」
日が傾きかけた頃に大尉達が戻ってきた。敬礼するだけで腕がピクピク痙攣する。
「聞いたぞ、また訳のわからないこと言って二人を混乱させたらしいな。」
「…? 彼女達は司令部から出ていません。話をする機会などなかったはずですが?」
「シーバーで連絡したに決まっているだろう。君が起きたら状態を連絡するよう要請していたからな。」
シーバー? 何だそれ?と思っていたら、大尉がポケットから取り出したそれはどう見ても、元の世界で言うスマートフォンだった。
「正式名称はトランシーバーと言う。知らない人間はおらず、幼少期を除いて持っていない人間もいないはずだが・・・。君は明らかに持っていないな。」
この世界に来た時に一緒に付いてきてくれたのはパジャマとパンツが一着ずつのみ。
それ以外は体以外何一つない。当然スマホもないので最初の日は辛かった。昨日まで当たり前のように、何の用もなくても弄っていたものがなくなったのだから。だからこそ目の前に現れた物に興奮する。
この世界にも、スマホに類する通信機器があったんだ! 優はそのことに感動した。
「大尉、それください!」
「はぁ?これは私のだ。他の人に渡せるか。」
「じゃ、手に入る場所を教えてください!」
「手に入るって・・・。支給品だぞ。」
「なら支給してください! 書類が必要なら書きます。」
「…ふむ、まあ落ち着け。これの申請も含めて君の今後を話し合いたい。」
「…! わかりました。」
軍人改めマグワイヤ大尉の顔が真剣味を帯びる。優も直ぐに何かあると直感し、その場での話を切り上げた。
「さて、君が目覚めた最初の日に病院で私が言ったことを覚えているかね。」
「ええと…、君は何なのだ? でしたっけ。」
今、優は大尉と共に個室にいる。
大尉は病院で最初に尋問をした時のような鋭い眼差しで優を凝視している。
「そうだ。その答えを今言おうと思う。」
「………お願いします。」
「……………この人類存続機構では生まれた人間は、国民表と遺伝子データベースに登録されて管理される。生まれた瞬間から死ぬまでだ。君はまず、ここに入っていなかった。登録された記録がないのだ。ただ、これだけなら書類の不備や漏れで片がつくかもしれない。その年まで登録無しで問題なく生活できるのか?という疑問はあるが、それでも納得は可能だ。」
「しかし、君には決定的にあり得ないことがあった。それが、君自身の肉体そのものの問題だ。すなわち、肉体改造を施された形跡が見当たらない。さらに、それだけではない。検査をしたところ、君には膵臓ガンの因子が見つかった。つまり、将来膵臓ガンを発症する可能性があるということだ。これは絶対に、絶対にありえないことなんだ。」
一呼吸おいて大尉は一気にしゃべってくれた。
なるほど、自分は元の日本でいう戸籍がないのか。いうなれば、銅優は現状無国籍状態で、それは人類が一つの国家にまとまっている現在ではありえない状況と。
そして・・・ガン・・・か。しかも膵臓ガン。………やばい、心当たりがありすぎる。
曾祖父も祖父も膵臓ガンで亡くなった。親父も先月、人間ドックで要検査の通知をもらったとしょげていた。『いよいよ自分も来るべきものが来た。』とか言っていたな。
ただ、それが何故ありえないのか。それがわからない。肉体改造と何か関係があるのだろうか?
「ガンの因子があることがあり得ない。どういう意味か教えていただけますか。」
「簡単だ、そんな物は生まれる前に遺伝子改造で消去するからだ。仮に生まれた後に判明したとしても、直ぐに対処してきれいさっぱり消えるからだ。君にはガンだけではなく、糖尿病と高血圧の因子も見つかっている。そうした遺伝子疾患を処置せず放置して生きているなんて…ありえない事なんだよ。仮にそれを本人が望んだとしても国が許さないだろう。生まれてくる以上は基本、完全な健康体であることが普通なんだ。」
「国が健康体であることを強制しているんですか?」
「そういう訳ではない。法律として決まっているようなものではない。しかし考えてもみたまえ。病気の因子を持って生まれてきたいかね? いつか発症するかもわからない時限爆弾を抱えて生きていきたいかね? 少なくともこの処置に疑問や異論を唱える者を私は見たことはない。」
まぁ、確かに。病気になる危険性を最初に潰してくれるなら、それを望む親や人は多いだろう。
「しかも、君も知っての通り今は宇宙大戦の真っ最中だ。この戦乱の時代に処置できる病気を放置して、将来の非生産者・非出産者・不戦闘員を増やしかねない要因など認められるわけがない。国が健康体であることを国民に要求するのは、ある意味当然とは思わないかね?」
非生産者はわかる。非出産者、不戦闘員ってなんだ? 言葉の響きから何となく意味はわかるが。
ただ、大尉の言う通り、戦争中は怪我で膨大な人が治療を受けるだろう。その際の医療費はバカにならな・・・・・・お金なかった。お金の問題がなくても、病気でベッドを長期に使用したり、出産が出来なくなったり、なにより働けないというのは確かに都合が悪い。
戦争中の国の思惑と、病気になりたくないという個人の願いが合致した結果、この国では少なくとも遺伝子疾患に関しては完全に排除されることになったのだ。そしてその処置を自分は受けていない。
「遺伝子疾患に対して処置がなされた形跡がないから、そしてそれがこの世界ではありえないことだったから、何なのだ? になったわけですね。」
「そうだ、ついでに免疫機能の向上や筋力強化、目や耳などの五官の感覚強化といった普通なら施される処置が一切されていなかった。これもまた、ありえないんだよ。兵士として戦うことを全く想定していない、ということだからね。」
・・・・・んん? 戦争中だから男が徴兵されるのは当然としても何か言い方が変だな? まるで男なら全員兵士が当たり前な・・・・・・・。
『はいはーい、ミーモです! 私は今ナイアース復興広場に来ています。』
『この犠牲を無駄にしないためにも責任をとって新たな防衛線を構築してほしいです。』
『慣れはやがて慢心に繋がる。思い切った人員の配置転換も必要だと愚考する次第だ。』
『政府の方針にも問題あるんちゃうかー。はっきり言ってこのままじゃ、じり貧やわ。』
不意にTVで見たインタビュー画面が頭をよぎる。女性だらけの町。
…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………何だ、この感覚? 何か、とてつもなく嫌なことを理解してしまったような。
「へっ? そいつ、男なのに軍人じゃないんですかい?」
「へっ? そいつ、男なのに軍人じゃないんですかい?」
「へっ? そいつ、男なのに軍人じゃないんですかい?」
ダームと呼ばれていた兵士が、昨日呟いた言葉を思い出す。
「この国では・・・男は全員兵士として・・・・・徴兵されるのが普通なんですか?」
「当然だろう。じゃなきゃ誰が戦う?」
さも当たり前のように大尉は返事をした。思わず声を荒げる。
「んなバカな!? 男が軍人として例外なく徴兵されるなら、軍隊以外の社会を誰がどうやって維持していくんですか!??」
「!??? 女性に決まっているだろう。それ以外に誰がいる。何を言っているんだ!??」
「町の建物の建設や修繕は?」
「女性だ。」
「電気、ガス、水道等のインフラ整備は?」
「女性だ。」
「運輸郵便、通信、農業、漁業、鉱物採掘、食料飲料ゴム木材機械、軍の装備を含む各種製造業、卸売業、医療福祉、学術研究、学校教育、その他生活関連サービスは??」
「全て女性が担っている。あ…いや、教育に関しては一人例外がいたな。」
大尉の後半の呟きは聞いていなかった。
…信じられない。この世界では、男の役割と女性の役割がはっきり分かれてしまっている。すなわち、男は兵士として軍役に就き、女性が文明維持のためあらゆる社会活動を担っているのだ。
「人類存続機構は国ですよね。じゃ政治家がいるはずですよね。それも?」
「無論だ。立候補して選挙で選ばれた女性が代議士になる。全部で10000人。」
「男は立候補出来ないんですか?」
「出来ないわけではないが…。軍人として人類社会を守るという崇高な任務があるのに、それを放棄して安全なエイアースで暮らしたいです。なんて言う奴は当選できないと思うぞ。少なくとも私は入れない。」
あ、投票権自体は男にもあるのね。そして政治の中心はエイアースと。
いや、それにしても…なんでこんな社会になったんだ? いくら兵士が足りないからといっても男全員がなんて………あれ?
「宿舎で女性の兵士を見た気がするんですが?」
ミカエルとガブリエラに一目ぼれしたその日。自分の部屋に戻る途中にすれ違った、モデルと見まがう容姿とプロポーションの赤いモジャモジャ髪の女性を思い出す。
「ああ、アンジェラか。彼女は志願者だ。」
「女性でも軍人に志願出来るんですか?」
「出来る。多くはないが女性兵士はいる。ただ社会的に推奨されているわけではない。むしろ奇人変人の類として見られている。私も反対だ。女性は安全な後方にいてほしい。戦争で殺し殺され、傷つけ傷つけられ、仲間の死やトラウマといった業を背負うのは、大人の男の特権であるべきだ。本来、そうでなくてはならないのだ!」ダンッ!
な、なんか急に熱く語りだして机を叩いたぞ。思わず少し引いてしまう。しかし気持ちが理解できない訳ではない。
きっとこの人は多くの死と悲劇を見てきたんだ。
周辺国と諍いはあれど、基本平和な日本に育った自分には到底想像もつかないような光景をいくつも見てきたんだろう。
「男手が全て軍に取られているなら…育児とかはどうなるんです?」
もう一つの、今日判明したこの世界の疑問をぶつけてみる。
「もちろん、女性達が育てる。」
「父親は育児には関わらない。いえ、関われないんですか?」
「関われない、と言うか………………やはり君は不思議な存在だな。」
「いきなりなんです?」
「そんなことを聞いて来るなんて…。正直、本当に異世界から来たんじゃないかと信じたくなるよ。」
いや、合ってます。私異世界人です。
「結論から言うと男が育児に関わることはない。全て女性達にまかせる。」
「しかし、それだと母親の負担が大きすぎませんか?」
「…何の話だ?」
大尉には今の優の問いかけの意味がわからないらしい。
「大尉は、家族という言葉を知っていますか?」
「か・・・ぞく・・・? いや聞いたことがないな。」
「大尉は…ご両親はおられますか。」
「そりゃいるさ。でなきゃ生まれてこれないじゃないか?」
いや、そういうことではなくて。
「ご両親のお名前は?」
「……………………何故そんなことを?」
「大尉の名前はマグワイヤと伺いました。その名前を付けてくれたのはご両親では?」
「正確には母親だな。このマグワイヤという名前と肉体半分が母親からの、もう半分の肉体のみが父親からの唯一の贈り物だ。」
ん? どういうこと??
「私は父親と母親の名前も顔も知らないんだ。生まれてすぐに育児会に預けられたからね。」
「っ! そ、それは失礼しました!」
慌てて頭を下げる。しかし、続くマグワイヤ大尉との会話でとんでもないことが判明する。
「何故頭を下げるんだ? 私は恵まれているほうだと思うんだが?」
「………恵まれている?」
「だって名前をもらえたんだぞ。大抵の者は産んでもらったらそのまま育児会に預けられるのが普通なのに。子供の頃、そのことがちょっとした自慢だった。今となっては恥ずかしい限りだが。」
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顔から嫌な汗が噴き出来る。何なんだよ・・・この世界。
「あの・・・この国では生まれてくる子供は男も女も例外なく両親ではなく育児会、というのに育てられるんですか?」
「極々一部で例外はいるが…、基本はそうだ。」
「生まれて直ぐ!?」
「そうだが?」
「そのことを、子供の父親と母親は疑問に思わないんですか!!? 生まれて直ぐに引き離されて文句や抗議が出ないんですか!!?」
「??? 言っている意味がわからない。むしろ両親が生んだ子供と一緒にいたら…次の種を宿すのに障害にしかならないじゃないか?? 父親は言わずもがな兵役でそばになどいれられないし、そもそもその子の母親一人を相手に種をつけているわけでない! 母親は人類を存続させるために次の相手を直ぐに探しに行かなくてはいけないんだぞ? むしろ育児会に預けない方がどうかしている。効率的に子供が生まれないじゃないか???」
…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………何を言っているんだこの人は!!!????
こ、この国は。この世界の人類は・・・・・・・一夫一妻制はもちろん、一夫多妻制でも一妻多夫制でもない! 男性も女性も、行きずりの相手で行為に及び、男はその場でさよなら。女性は子を産んだらさよなら。また次の相手を探しにいく。そんな社会形態だというのか!!!?
家族という言葉が通じなかったはずだ。そんなものないのだ。名前を付けてもらえることすら珍しいことだなんて・・・・・。
「い、育児会のメンバーはもちろん女性ですよね?」
「当然。それが何か?」
「母親がそこに在籍して自分の生んだ子を育てることは出来ないんですか?」
「勘違いしているようだが、育児会というのは子供を産めなくなった高齢の女性達が生まれてきた子供たちを育てる仕組みだぞ。若い女性は文明維持のための仕事と、人類存続のための生殖活動に忙しいんだ。そんな一人の子供に構っている暇などないよ。」
……………………………………………………………………………………………………………………どこまで狂った社会なんだ。どうして………こうなった???