無意識系アイドルこいし!!
こいしはね、みんなのアイドルなの
…。
こいしはねみんなの心の中にいるから、だからね、こっちに来てくれると嬉しいな。
────いつだって、彼女はみんなのアイドルなのだから。
あなたに聞きますぅ。今日見た夢を覚えていますかぁ?
はーいと答えましたか。どうでも良いです。けどそれだけえじゃ流石につまんないのでちょっとした豆知識を語ります。
夢というのはあなたの世界の今日では、睡眠時に脳で行われる記憶整理の際に行われることで見るという説があります。どこかの頭のオカシイ学者様が言ってるのとは違いますが、これが最もポピュラーな話だと思い、また納得しやすいだろうと思ったので紹介しました。
…。
「いいえ」?普通そこは「はい」じゃないかしら。
あなたは今日夢を見ましたか?なになにぃ、「見たか見てないかは分かんない」だって?
そんなシュレディンガーの猫じみたこと言っても仕方ないですよぉ。もっと素直になって答えてください。
見たくないから見なかったんでしょ───?
無意識に夢を選別してるんじゃないですか、あなた方って。
思っていることを加工して言葉にするように、その染みついたルーティーンがそうさせてるんじゃないですかぁ?
…。
あれ、私って何言ってかしら。わかんないや。どうでもいいや。
お嬢さん、そんなことよりそっちの暮らしはどうなんですか?
そう、大変なんだね。それは…、個性を否定されるのは辛いよね。
ん、それよりもここは何処だって?んーわかんないや。けど、ここはあなたの暮らす世界なんかよりもずぅっと心地良い所でしょぉ?うん、だよね。ここってなんだかあったかいよね。
そっちの世界は意味というか歴史が無限に膨張して、楽しみとか友達とかがあってそれはそれで魅力的ではあるのだろうけど、なんか、冷たいんだよね。
ここはあったかいけどなんにも無い。でもストレスもありゃしない。こんなに無意味な虚無空間、最高でしょ。ここであったことはちっとも覚えられないけれど、それでも後悔した感じがしないんだ。
あなたもこっちで過ごしてみない?
…。
なんなのいきなりその表情。もしかして私、ナニカ言った?
なんでもない?そう、けどなんだか嬉しそうだねぇ。
この世界の空は突発的に変化するけど、あなたといるとそんな気がしないわ。
ねえ、「私のように小さいあなた」?この先、どんなに辛いことがあっても、この夢の世界にいたら救われるの。
ここじゃまるで私はアイドルだから、お友達を少しだけでも連れてきてくれたら嬉しいかな。ちょっぴりだけ。私の行動は無意識で不連続だからきっと私にとってはサプライズになると思うの。
叶うのなら、もっとあなたと遊んでいたかったのだけど、あなたはもう目覚めそう。
さようなら
…サヨナラ───。
昔、とっても可愛らしい、まるでアイドルのような少女に会った覚えがある。
幼時の頃のことなので仕方がないのだが、その子との約束を破ってしまった。結果的に。
その約束も今となっては覚えてないけど、その時の私はなんだかやるせなかった。物理的に不可能だったのだ。その稀に、無意識に浮かぶ後悔を私は思い出すたびに嘆く。
なぜここ最近こんな昔のこと、思い出すのだろう。
そんな理由、幻想を掴むより先に分かってる。
現実逃避だ。こんな夢うつつな記憶、高校生となった私には意味がないから都合の良い逃げ先として無意識に活用しているんだ、きっと。
この同情が喩え真実だとしても、現実にあるのは痛々しいだけの私。
「この世の中、あそこに比べたら虚無なのよね。」
暗闇の怖かった頃と違い、不思議も無く、薄っぺらい世の中だから。こんな些細な幻想に手を伸ばしているんだ。
「…。」
無敵を自称する私は無限であるために今日も寝る。昼間っから寝る。
この現実はまやかしなのだと、謎の自信ばかりが体が温める。
こんにちは──現実。
さよなら──ガラクタ(夢)。
ここにいればきっと大丈夫だから。夢の中のあいつらみたいに口うるさくないから。小中続くいじめなんてありやしないのだから。
こんな夜空の星々のごとく澄み渡る世界に覚醒するならば無敵だから。現実なら絶対無敵なんだから──。
今日は花火大会。この現実は本当に幻想的できっと映えるに違いない。
てなわけで、今日も私は現実を楽しむ。謳歌する。目いっぱい楽しんでる。
「綺麗ねぇ。」
「うん、ほんと。」
声のした方を振り返るとそこには誰もいなかった。いるのは行き過ぎた花火型弾幕を大声で注意する霊夢っちとか、素敵なメイドさんとかだった。
その時、無意識的に私はこの日常が壊れてしまう予感がした。
花火は咲く。けれどその瞬間的な美しさは恋のように冷めやすい。この幻想のような現実もいずれは消えちゃうのかな。
そうして私は思うのだ、「今を大切にしなきゃ」と。
────あなたは約束を守ってくれた。あなた一つの世界を犠牲にして、私の密かな友達としていてくた。だって私は潜在意識の中のアイドルなんだから。あなたの夢にいてもおかしくないでしょぉ?
この主人公、誰なんでしょうね?まあ董子のつもりで書きました。
ですが誰と取ってくれてもかまいません。
さて今回の作品はとある東方ボーカルを聞いていた時に発送したものです。
歪んだこいしへの愛を込めましたので。




