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凄腕Player Killerは、死亡遊戯の地にて罪を重ねる  作者: 不来 末才
「◾️◾️の◾️◾️」
1/14

1-0

こんばんはおはようございます。

不来 末才と申します。

お目を通していただきありがとうございます。

一生懸命書いていきたいと思いますので、見守っていただければ幸いです。

至らぬ点もあると思いますが、よろしくお願いいたします。


 心臓が悲鳴をあげた。

 筋は痛みを訴えた。

 足はすでに棒のようだ。

 それでも立ち止まることは許されない、みっともなく逃げていた。


 鬱蒼とした森。その中を駆ける。

木々が小枝を広げ、行く手を阻む。構わずに突っ込む。

 枝が肌に食い込み、一筋の切り傷を残していく。いくつ目かの傷。一つ一つは小さい。だが積み重なることで、それは無視できなくなっていく。

 HPを回復させる必要があった。あったが、今どうにかすることはできない。

もし足を止めれば、きっと――――きっと殺されてしまうから。



 痛い、つらい、苦しい、嫌だ。

 そんな気持ちがぐるぐるグルグルと頭の中を駆けまわる。心をへし折ろうとする。それでも俺は走り続ける。


 死にたくない。


 ただその気持ちだけが俺のことを動かし続けていた。

 本当に、心の底から、死にたくなかった。こんな理不尽に、不条理に殺されたくなかった。


 「逃げてんじゃねぇぞ!」


 恐ろしい死神の声が聞こえる。思わず振り返ってしまう。

 あぁ、見える。

 追いかけてくる。

 俺を殺したくて、殺したくて仕方のないプレイヤー(死神)が。


 「うちのギルマス殺しておいて、おちおち逃げてんじゃねぇぞ! この人殺しがぁああああ!」


 死神(プレイヤー)が吠える。その声は耳を刺す。心を締め付ける。




 違う。

 違う違う違う。

 殺したくて殺したわけじゃない。誰も言ってくれなかった。教えてくれなかった。知っていたら俺だって殺さなかった。いくら趣味だからって、そんなことはしなかった。




 人を殺すこと(PK)なんてしなかったのに。




 どうして。どうしてこんなことに。なんで俺がこんな目に。どうして。

 必死に走る。

 視界が揺れる。

 はからずも自分の「二つ名」が目に入る。


 〈恩寵を捨てし者(ロストマン)


 それは赤く妖しく輝いていた。

 赤の二つ名はPKの証。

 ゲームが現実になったこの世界で。

 ゲームオーバーが本当の死になったこの地獄で。

 その二つ名は俺が人殺しだという事実を証明する何よりの証拠だった。


ツイッターで日常と日記、小説の更新報告を呟いています。

フォローしていただければと幸いです。

アカウントIDは @Bassai_Kozu です。

よろしくお願いいたします。

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