明日も同じ話をしよう
私は今日何度目か分からないため息をついた。
「だからね、私はその言い訳はさっきも聞いたわ。」
「さっきから言ってるけどね、浮気なんてしてないから。」
「じゃああれは誰なの?!」
私は今、同棲して2年半になる恋人の拓人と喧嘩をしている。
女の子とお洒落なレストランから手を組んで出てきたら誰だって浮気を疑うと思う。
「円、落ち着いて。あれは取引先の人だから。円が嫌がると思ったからいわなかっただけだから。浮気してるなんて適当なこと言わないで。」
「じゃあその下品な匂いの香水はどうしてついたの?私が誕生日にあげたあのピアスしてないじゃない。それはどうなの?」
私は一気に捲し立てる。
私は拓人の誕生日に赤いピアスをあげたのだ。
「そもそも俺は青が好きなんだ。」
「ピアスをあげた時は赤が好きって言ってた。」
「好きな色なんて変わるだろ?俺のこと好きなら理解して?」
「嫌よ。浮気相手に新しいピアスでもプレゼントしてもらえば?」
「だから浮気なんてしてないから。だいたい円はいつも…」
「もううんざりよ。やめましょう。やっと気づいたわ。私は貴方より私自身を愛してるの。貴方のせいで傷ついて泣くなんてごめんだわ。だから別れてちょうだい。」
「そんなこと言わないで。お互い感情的になってるんだ。2人の愛は冷めていないだろ?だからもう寝よう?」
拓人はと私の頬に軽くキスをして、寝室に向かった。
次の日の朝
目を覚ますと拓人が私の寝顔を見ていた。
「なあに?」
眠い目を擦りながら尋ねる。
「昨日の怒りは治まった?何で円が怒ってるのか俺には分からないし分かりたくない。」
「嗚呼、本当に酷い人ね。やっぱり貴方とは別れたいかも。」
「そんなことを言われるなんて心外だ。なら、別れたくないと泣いて縋ろうか?」
「そうじゃないのだけど…はぁ」
「いつもの事だろ?明日もこの話をしよう。」
苦笑いをする私の頬に軽くキスをすると拓人は
「朝ごはんでも作るか」
と言って立ち上がった。
「やっぱり嫌いになんてなれない。大好き…」
私が呟くと拓人が
「ん?何か言った?」
と聞く。
「ううん。言ってない。フレンチトースト食べたい。」
拓人と喧嘩したり、ご飯を食べる何気ない日常がずっと続くといいな。
Fin♡




