絶
彩を見届けた舞浜は、夜空の下で優雅に歩きながら雛月に近づいた。
彩が保険として放ったクモの糸は消滅し、壁のようにそびえ立つえぐれた道路とキャノン砲が着弾した弾痕だけが、彩がいた証として残っていた。
雛月の目の前で立ち止まった舞浜は、巨大な扇を広げ、口元を隠しながら見下ろしていた。
「貴女も中々、いじっぱりな方だ。最初に出会った時点で、逃げれば良かったものを」
嫌みたらしく言葉をかける舞浜に、雛月の意識が戻ったのか、指がかすかに動きはじめた。だが、反撃をしようにも身体はまともに動かず、魔力を回すことさえロクに出来ないというのが彼女の現状である。そんな抵抗のできない雛月の姿が愉快に思ったのか、舞浜はあざ笑う。
「過ぎたるは及ばざるが如し。というものですか。精靈も事が済んだあとに後悔したでしょうね。あの神社から、使った分の魔力を補給してもらったら、今度は神社の結界が無くなってしまう。外からの邪鬼たちは、またとない機会を逃さなないでしょうから……」
舞浜が得意げに口をたたいている中で、雛月はおぼろげな光を宿した目で舞浜を見、力を振り絞って片腕を上げ、人差し指に白い光を集中させた。それを見た舞浜はいったん口を閉ざすと、黒揚羽を手の形に変化させ、雛月を掴み上げた。
「神社の結界はそのままに、貴女が死なない程度の魔力だけ、補給させてもらった、と。さて? 貴女は、今や意識を保ち続けるのがやっとの状態で、この私を、その一発で仕留めようというのですか? 面白い方ですね」
雛月の指先がピンポン球ほどの大きさの、白くて丸い光に包まれる。消えかかっている意識の中で、雛月は舞浜の顔に指先を向けた。
「しょうがないですね」と言いながら舞浜は、掴んだ雛月を目の前まで引き寄せた。
「これでどうですか? この距離なら外すことはないでしょう?」
嫌味と挑発をする舞浜は、余裕の笑みを浮かべている。この現状は絶対に覆らない。何をしても無駄だと言わんばかりに、その美麗な顔は邪にゆがむ。
そうして指先に集中していた光は、一層の輝きを光らせると、舞浜の顔を目がけて放たれた。が、舞浜が顔を少し動かしただけで、その光は顔に触れることなく、彼方へと飛んでいった。
「無様ですね」
手の形をした黒揚羽が掴んだ雛月を持ち上げると、抉られて壁となった道路に思いきり叩きつけた。
風前の灯火だった雛月の意識は完全に消え、手の中で雛月の頭は一つの思いと共に、暗闇の底へと沈んでいった。
雛月が沈黙したことを確認すると、舞浜は通信機と一体化した、後頭部からもみあげまで伸びる髪飾りの一部をつまんで、口元に引っ張った。金色の羽の内側で、カプセルほどの大きさの赤い光がともると、事の報告を待っているであろう金満へ得意げに伝えた。
「金満様? 雛月の沈黙を確認しました。今そちらに帰還します」
金満からは、あふれんばかりの喜びと賛辞が来るはずだった。ところが、耳越しから聞こえてくるのは荒い息遣い。更に耳をすませると、背後からはサイレンと思しき音が鳴っていた。
しばらくして聞こえてきたのは、焦燥に駆られた金満の声だった。
『舞浜か!? 計画は変更だ! 私も地球に向かう。座標を送るからそこに来い!』
用件だけ伝え終わると、そのまま通信は終了した。
羽をつまんだままの舞浜は、慌てることも無ければ、動揺することも無かった。むしろ、ついに来たと言わんばかりにほくそ笑んでいた。
金色の羽からは赤いカプセルに代わって、小さなモニターが表示され、現在地から金満の指定した目的地までの道のりが大ざっぱに明滅されていた。
舞浜は身にまとった黒揚羽から黒い羽を開くと、雛月を黒揚羽の中にくるませ、夜の空に混ざって飛んでいった
舞浜の気配が消えると、雛月が放った光からシラユリがそっと出てきた。
側から見れば建物の壁からすり抜けて出てきたようだが、未だ人々の意識の戻らない世界で、彼女が現れたことに気づいたものは誰もいない。
夜空に消えた二人を見ながら平静を辛うじて保ち、次の手を考えていた。そうして考えていると、身を押しつぶさんばかりの重低音が轟いた。その音を聞いてシラユリは、いよいよ平静を保てず、焦りを表に出しながら音の方角へと向かっていった
※
雛月が敗北する少し前に時間をさかのぼる。
輝夜と黒月。二人が静かに不動の姿勢で対峙している。普段ならば輝夜が有無を言わせず、いの一番に初符を発動し、相手の能力を一つ封じるのが、一通りの流れであった。
だが今の輝夜は黒月を見据えながら、全く動こうとしない。
今までの相手は、敵意、殺意、覚悟といった雰囲気や気配。表情、動作に多様な変化があって、出会えば勝負の前口上を言ってくるなどの人間味がある相手だった。そう、今までの相手は。
ところが未だ黙視している黒月は、白い虹彩と縦に割れた瞳孔が、固定されているかのように輝夜だけ見据えている。表情も動作も変化が無いため、何も読みとれない。
人間であるのに人間と対峙しているように感じられない、不気味さと異様さが、本能的な恐怖を生ませているために、輝夜が強気で攻めることができないのだ。
先に動いたのは黒月だった。
おもむろに黒月は両手で縦長の四角形を作り、その四角の枠越しから片目で輝夜を見るという、奇妙なポーズをとった。
ジッと見続ける黒月に、ようやく我に帰った輝夜は、反射的に黒月を指さし、能力を封じた。
それに動じることなく、黒月はそのままポーズを解くと輝夜の方へと歩き始めた。
輝夜はドレスの姿からワンピース姿に衣服を変えさせ、身体を覆うほどに長い黒髪は後頭部に芍薬の花を形どりながら集約し、本気の姿となった輝夜は黒月へ瞬時に間を詰めると同時に、弾丸のように剛腕を放つ。
瞬時に間を詰められたにもかかわらず、黒月は表情一つ変えず、身を低くしながら流れるように攻撃をかわした。
すかさず輝夜は、勢いを利用して前のめりの姿勢から回転し、向き直りながら垂直に足を上げた。
黒月が顔を上げるよりも前に、輝夜は足を振り下ろした。すると今度は、弾かれたように素早く回転しながら後退し、かかと落としを避けた。
さながら大型拳銃の発砲音が周囲に響き、マンホール大の範囲が衝撃でへこみ、足が下されたところに至っては深々と穴が開いた。
攻撃の手は緩めることなく、輝夜のワンピースから鋭い牙を生やした触手の群れが、大口をあけて渦巻きながら黒月へ向かった。
黒月からは、輝夜の姿が見えなくなるほどの群れが、低い音をたてて迫って来ているのに一向に動じず、建物の三階まで優に飛び上がって触手の猛撃をかわした。
それを待っていたと言わんばかりに、歯の列を二重に生やした大型の触手が、今まさに黒月を喰らおうと口を全開にして迫る。
それを見た黒月は建物の壁面を一瞥すると、へこみ跡が残るほど勢いよく蹴とばし、道路の方へと逃れた。
道路に着地すると紫の残光を引いた漆黒が、目の前まで迫ってきていた。黒月が姿を確認できないうちから、輝夜の猛攻が黒月へと向かう。
側からみれば目視すら困難な輝夜の拳、脚、衣服からの絶え間ない攻撃は、いずれも黒月の表情に微々たる変化さえ見せなかった。
一発一発が黒月に向かうたびに、大気が一瞬低い風切り音を上げている。やがて黒月の周りでは大気がうめき声を上げているかのような音で満たされ、輝夜の攻撃も苛烈さを伴っていく。
平然と攻撃をさばき、いなしてかわす黒月だが、真正面からの攻撃の最中に、衣服の一部が音もなく腕の形に変わって両足を薙いだ。
バランスを崩した黒月に、輝夜の拳が鋭角から放たれ、一撃はみぞおちに命中した。
身体と一体化したような装甲は、機動力を損なわず、しなやかでありながら強固な作りであり、月界の武器でも容易には傷がつかない。
だが輝夜の一撃となれば話は根底から変わる。剛腕、剛脚から繰り出される攻撃は、装甲をたやすく壊し、衝撃は装甲に覆われた生身の身体を貫く。
防御が意味をなさない一撃は、黒月も例外ではなかった。装甲が軋む音を鳴らしながら、黒月は向かい側のビルの一角へ吹っ飛び、ガラスの割れる音とけたたましい音を立てながら建物の奥までいってようやく止まった。
(手応えはあり。付近に新手の気配なし。魔力は感じず、心身に違和感もなし)
輝夜が自分の拳が間違いなく入ったことを確信し、追撃の一歩を踏み出そうとしたときだった。
建物の奥から影が一つ立ち上がり、ガレキを分けながら黒月が出てきた。
顔には先ほどから対峙している時と全く変わっていない、鉄のように無機質な表情が貼り付けられたままである。歩調もいたって普通で、やせ我慢をしているようには見られない。
これには輝夜は驚きを隠せずにいた。むしろ驚きに加えて、わずかに恐怖を感じ始めているようでもあった。
急所を外したか。それとも、武術などで習う何かしらの防御術をしたのか。どちらにしても輝夜の一撃が、黒月には効いていないのを証明するように、黒月は変化のない表情のまま、距離を縮めてくる。
黒月が近づくにつれて、輝夜は空を切る剛拳をもう一発繰り出したが、突き出した片手で難なく受け止められてしまった。
自分の力や自信に動揺する相手へ、「どうした? そんなものか?」「信じられないならもう一回やってみろ」などという小物がするような挑発や嘲笑はしない。真偽を確かめたければ、実力で確かめるしかない。
輝夜は拳を受け止めてふさがっている方に、連続して蹴りを放った。しなやかに無駄なく流れる蹴りは、装甲へ当たるたびに耳を塞ぐほどの音を立てる。
身体こそ蹴られる度に揺れ動くが、当の本人は表情を全く変えない。そこで輝夜は、攻撃の最中に未だ掴んで離さない方の腕を、引っ張って開かせると、垂直に蹴り上げた。
つま先が顎を貫き、黒月の上半身は大きくのけ反った。
両足が大きく笑いだし、そのまま崩れ落ちるだろうと予測して、輝夜が動こうとした矢先だった。
のけ反った上半身がゆっくり起き上がると、黒月の白い眼光と、縦に割れた黒い瞳孔が、はっきりと輝夜を睨んだ。
目の焦点はブレることなく輝夜を見据え、笑っている足に反して表情は無のままだった。
ここにきて輝夜は、目の前にいる存在が、これまでの敵とは明らかに違う事を察し、血相を変えた。
黒月の髪を掴むと、顔面に向かって頭突きを当てた。まばたきこそすれど、鼻血は出ず、表情も変わらない。しかし輝夜はそれには気にもとめず、もう片方の手で黒月の顔を鷲づかみすると、二度、道路にヒビが入るほどに強く打ちつけ、ダメ押しに剛拳を顔へ打った。道路のヒビが更に広がり、拳が打たれた頭部に至っては浅いながらもへこみが生まれた。
間髪入れず、掴まれている手を逆に握り返し、ビルの壁めがけて思いきり振り回して当てた。
石の壁に一瞬でヒビとへこみが刻まれ、数秒の間黒月が壁にめり込んでいるところを、輝夜の蹴りが追い打ちをかける。
へこんでいた所が蹴りの衝撃で穴が開く。これほどの猛攻を受けて未だに掴んで離さない黒月の手を引っ張り上げ、振りかぶった拳を放った時だった。
黒月の目が輝夜の拳の軌道を正確に捉えると、もう一方の手で受け止めた。
両手を捕らえられた輝夜が目を見開き、冷や汗が一筋流れた。
ゆっくりと起き上がる黒月は、白い眼光を光らせながら血痰を静かに吐き捨てた。それ以外は、やはり全く変化が存在しない。苦悶の表情、激痛をこらえる表情、恐怖におののく表情も、その顔には一切無く輝夜を見つめていた。
(馬鹿な……。能力は封じている。終符が発動している気配は無い。なのにどうして奴は無表情でいられる? もう一つの能力? それとも奴の着ている装甲の仕掛け? ……そうなれば別の変化があるはずだ。だが奴にそれは無い。どうなっている?)
疑問と焦りが、同時に輝夜を蝕んでいく。そんな輝夜を意に介さず、黒月は掴んだ両手で押さえ込もうと力を込めるが、両手から伝わる力の流れで我に帰った輝夜は、すぐさま両手に力を込めて立て直した。
力では輝夜が上であるために、黒月はあっという間に力負けして、のけぞる姿勢になった。
「私と力比べなんて、いい度胸ね」
焦りと困惑に囚われていた輝夜は、幾ばくか調子を取り戻して、不敵な笑みでそのまま押しつぶさんばかりに黒月を倒そうとした。
すると黒月の口元が、かすかに動く。
「……終符……死産葬爪……」
あまりに小さな呟きだったために、輝夜からすれば目の前でも何を言ったのか聞き取れずにいた。しかし黒月の白い瞳孔が次第に黒くなり、黒の光を放ちはじめた途端、何が起きて、何を言ったのかを瞬時に理解した。
(━━終符!)
輝夜が理解したと同時に黒月の背中から、筋繊維が露出した一対の腕が伸び出て、二の腕と思しき部分の側面にくっ付いていた刃が一つに合わさり、鋭い槍となった。
天月人の特徴である黒色の強膜と、黒月の変色した瞳孔の黒が合わさって、輝夜を見る目は悪霊を想像させる禍々しいものとなった。
輝夜がとっさに手を離そうとすると、黒月の手が輝夜の手を強く握った。そこに背中から伸びた槍の腕が、輝夜の身体めがけて刺突する。
輝夜の衣服が黒い炎に変形して切っ先から身体を守るも、連続で殴りつけるように切っ先が衣服を叩きつける。
負けじと輝夜も衣服を変形させて、黒月と同じような攻撃をするも、攻撃のペースは一方的で、変形した衣服の裏では切っ先が明確な形を攻撃のたびに表していく。
ここまで黒月は決して輝夜の手を狙わなかった。ただひたすら輝夜の胴の辺りを狙う。逃げないように、という思いで握っているのかと思われていたが、それが微妙な間違いであることを輝夜は知った。
輝夜の守りが破れ、鋭利な切っ先が合間をすり抜け輝夜の腹部を刺した。そこから続けと言わんばかりに、一対の腕が絶え間なく、交互に輝夜の腹部へ攻撃する。
黒の衣服が赤いしぶきで染まっていく。そうして輝夜はここで、ようやく黒月が両手を離さず、槍の腕で刻まなかったのかを理解した。
逃げないように。ではなく、動けないように。という意味だった。
一度攻撃が入ったならそこを集中的に、執拗に、徹底的に攻める。そのためには相手がなるべく動けないようにする。それが黒月の狙いだった。
腹部からの血と切っ先が食い込んでいく激痛が、抵抗の意識を奪っていく。
口まわりが吐血に汚れていく中、輝夜は歯を食いしばりながら黒月を睨むと、電車道よろしくビルの中を一直線に押し出した。
石造りの壁を突き破るだけでは止まらず、並び建つ建物を貫くように黒月を押し出す。その間も黒月は、速度こそ大きく落ちたものの、攻撃は止めずに顔や肩を切るか刺し続けた。
やがて住宅街を抜け、工事現場を囲むガードフェンスを突き破ると、四階建ての建物ほどはある深さの穴に転げ落ちた。
黒い残光を引いた目は輝夜を捉えたままだが、落下の衝撃と斜面を転がったことで、強く握っていた両手の力がわずかに緩んだ。その瞬間を逃さず強引に両手を引き離して、両者がほぼ同時に立ち上がると、即座に距離を詰めて顔面を掴むと、整備された地面が土と砂利を盛大に散らすほどの力で地面へ叩きつけた。
距離は離れたものの、黒月はすぐさま姿勢を立て直して立ち上がり、一方の輝夜は腹部を押さえながら荒い息遣いで見ていた。
(どうなっている……。奴の終符は間違いなくあの腕だ。だが、そうなるとさっきから無表情でいられるのは何故だ? 能力でも、装甲の仕掛けでもない。なのにどうして奴は顔色ひとつ変えない?)
輝夜には黒月の尋常ではない強靭さの正体がますます分からなくなり、混乱はいっそう大きくなった。
自己回復が追いつかない腹部からは出血の量が増し。それに伴って息もますます荒々しくなり、輝夜の眼光もおぼろげになっていく。
工事現場には幸いにも従業員はいない。基礎工事によって等間隔に並んだ鉄骨と、運搬用の重機が数台置かれているだけ。
これ以上の戦闘は不利とみた輝夜は、目に強い光をともさせると黒月を指差した。
初符と終符の封印を入れ替えたことに、黒月はすぐさま気づき、両脇をゆっくりと見て前方に目を向けると、目の前に黄色の残光をひいた輝夜がいた。
微動だにしない黒月に、渾身のアッパーが胸部に入ると、黒月は夜空に吸い込まれるように吹っ飛んだ。
輝夜の右手に黒い雷がほとばしり、豆粒ほどの小ささまで飛んだ黒月に狙いを定めた。
「……終符、焔月!」
黒い雷が手中から漏れだし、腕を掲げたまさにその瞬間。
黒月の姿が空中から消え、目の前に現れた。
「━━な」
輝夜が驚きに声を上げる前に、黒月は輝夜の胸ぐらを掴むと、極太の黒い雷が一筋、二人をまとめて飲み込んだ。
かすれた叫びをあげる輝夜に対し、黒月は勢いと雷の量が増していく中で、冷静に頭部の装甲を起動させる。
顔の両脇、後頭部と駆動部品が回りながら覆っていくと、顔は段階的に丸みをおびたヘルメットに隠された。
黒い雷の間隔はどんどん無くなっていくが、輝夜は終符を停止させることはなかった。もはや道連れに等しい行為だが、こうでもしなければ勝てないという現実の前には、出せる答えはそれしか無かったのだろう。
一瞬の間さえ無くなるほどの雷撃で二人が黒いドームに包まれた時、大気を震わせるほどの重低音を出しながら大爆発がおこった。
重機や鉄骨、一帯を囲んでいたガードフェンスは全て消滅し、現場の付近に建っていたビルやマンションの大半は廃墟同然の姿になった。
そんな甚大な被害を出した爆心地に、人影が一つ立っている。
黒焦げとなった輝夜の胸ぐらを掴んでいる黒月は、半壊したヘルメットを片手で取り外すと、輝夜を無造作に引きずりながら、車が徐々に行き交いはじめた道路の方へと歩いて行った。




