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お左さんの、たまに書くならこんな落語

 皆さんは夢は見た事があるでしょうか?


 …うん、ありますね?


 大変失礼な事を聞いてますね。


 子供の頃、良く『見た事がない』なんて言う子供もいましたけど。


 今となっては、その子は嘘をついているというのは、思い出さないでね、あげましょうね?


 良く言われていますのは、起きている時に得た知識や情報を、寝ている間に整理しているとか、


 脳裏にある自分の欲望を見せているなんて、


 『夢を見る』という行為には、様々な説がありますが、


 今でも夢なんてモンは、科学的にも医学的にも、判明されてないらしいです。


 だからこそ。


 いい年こいた私にも、非常識な情景を見せるのでしょうね?


 「おい、左くん」


 あっ、左というのは、私の名前でございます。


 「このシールを身体に貼れば、姿が消せるようになるぞ?」


 見た事のあるような博士から、お前にやるという調子でもらうのですよ


 当然、私も半信半疑なんですが、このシール、服の上から貼っても姿を消せるモンですから…。


 それは、もう…。


 「ありがとう、博士」


 ですよ。


 人間、自分の器以上の力なんて手にすると、ロクな事にしか使わない。


 なんて、


 良く言うもんです。


 私も、この通り悪い事もしちゃいます


 車、パンクさせたり。


 通り過ぎる男のカツラを、浮かばせたり。


 まあ、良い歳こいた男が、見る夢ですから。


 女性に対しては、人には言えないイタズラを。


 ね。


 まあ、ロクな事に使いません。


 そんな透明な男を、どうやって見ていたんでしょうか、博士が言うのですよ。


 「どうせなら、もっと良い事に使いなさいよ」


 うん、正論です。


 おかげで思わず黙っちゃいますよ。


 「うん、やってみるよ」


 とまあ、なんて素直に返事する始末です。


 そして、キリも良く事件だって起こっちゃうんですよ。


 夢ですから。


 マシンガンや、ショットガンだの武装した連中が銀行強盗なんてしてるのですよ。


 こう、空に向かって、


 ダダダダダ…。


 景気良くマシンガン乱射なんて、危ない連中を前にして、博士は言うのですよ。


 「今だ、左くん。


 そのシールの出番だ」


 「ようし…」


 なんてね。


 意気込んで、シールを貼るんです。


 彼、行くつもりですよ。


 勇気ありますよね?


 姿を消した男が強盗団に向かって行きます。


 するとね、ショットガン持った男がこっちを向くのですよ。


 「あれ?」


 とも思いますよね?


 「見えないはずなんだけど…な?」


 とも戸惑ってますと、ショットガンをガシャコンと、


 「なんだ、てめえは!?」


 うわ、見えとる。


 そう思った瞬間、発砲されてちゃって撃たれちゃうんです。


 隣にいた博士が。


 繰り返しますけどさ。


 私、良い歳こいた男ですよ。


 銃で撃たれるなんて意味、知ってますよ。


 ショットガンで撃たれるって、どういう意味か知ってますよ。


 しかも至近距離で、吹っ飛んじゃって…。


 もう博士が、とんでもない事になってるんですね。


 「うわー!!」


 そりゃ、叫びますよ。


 何で博士がついてきたのか、わかんないけどさ。


 自分は幸いシール貼ってるお陰で、助かってんのよ。


 それを見た私はですね。


 話し込んでいる強盗団がどこに向かうとか言っている中、近づいていくのですよ。


 そして、携帯を手にして、


 「もしもし、警察ですか?


 今、強盗事件が発生してまして...。


 はい、どこどこです。


 なんか、あっち逃げるみたいですよ?」


 車のナンバーも言って、逃走する車を見送ってるんですね。


 よく言ったモンです。


 人間、自分の器以上の力なんて手にすると、ロクな事にしか使わない。


 なんてね。


 ええ、なんでこんなモン書いたんでしょうね?


 深夜に、落語を見ていた所為でしょう。


 気分転換に調子も変えて、こんなのを書いてみたのですが。


 いかがだったでしょうか?


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