悩みの理由
中間テストの決意からまた少し時間が過ぎた。前よりは翔哉くんとよく話せている気がする。聖依を介してという事実はかわらないが。
そして私には一つ楽しみが増えた。自分で勉強することで授業はわかるようになったし、何しろ翔哉くんとの話のネタが増えたことだ。
このままテストに向けて突っ走って行きたいところなのだが……
「今日は再来週の遠足に向けて班を決めてもらうぞ」
そう、テストの前に2年生は遠足がある。
ここで、翔哉くんと同じ班になれば、一気に距離縮められるはず……!
まずは同性で班を決め、その後クジを引いて、男女の班を合わせる。
つまり、完全に運任せということだ。
その前に、女子班を構成しないといけないわけだが。
「聖依! よろしくー」
勿論、聖依は同じ班だ。あと2人くらいは同じ班になってくれそうな所が……
「ねぇ、希優と聖依ちゃん2人? だったら、うちらと組まない?」
話しかけてきたのは、桃奈と美希だった。この2人も前の世界で私を応援してくれていた。
桃奈は1年の時も同じクラスでよく知っている。気が強くて、揉め事も解決出来ちゃうような人物だ。
美希は前の世界では引っ込み思案で、だけど自分で決めたことは諦めない根は強い子だ。
「いいよー。じゃあこの4人で決まりだね」
後は、クジで翔哉くんと同じ班になれれば完璧だ。翔哉くんの班の男子も知っているメンツだし、いい遠足になりそうだ。
「じゃあ、クジを引いて、男女で同じ番号の所で組めよー」
先生の言葉で、勝負のくじ引きが始まった。
「私が、クジ、引くよ」先だってみんなにそう告げた。
「おう、いいとこ決めろよ」と、桃奈が後を押す。
確率は5分の1。神様、どうか私を幸運の未来へ連れてってください……!
そして、恐る恐るクジを引いた。
「まぁ、そんな上手くは行かないさ」
聖依が慰めの言葉をかける。
この日の帰り道はいつもより長く感じた。
結局翔哉くんの班とは同じになれなかった。実際運任せでは実るものも実らないということか。
ため息ばかりの私はふと思い出す。
「あ、遠足終わったらすぐテストじゃん……。勉強しなきゃ」
ため息をつきながら言う私に聖がこう告げた。
「恋も勉強も、努力して勝ち取るものじゃないの?」
そんなことわかってるさ。でも、それになれるのはとても大変だ。
聖依は昔から勉強してきたからそこら辺しっかり習慣づいているんだろうけと……
あれ? まてよ?
一つだけ疑問が生じた。
「聖依って、好きな人いるの?」
なんとなくだが、聞いてみた。小学生の頃も一緒にいて、私と同じで男子を好きになることに無縁だったとおもったが……
「え! す、好きな人? いない、いないよ!」
私の問いかけに目をそらしながら答えた。どこかしら怪しいが、まぁ私が恋をしたように、聖依にもそういう悩みがあるのだろう。
「ホントに? 私でも力になるよ?」
私だって、聖依の力になりたい。
「ホントにいないって~」
照れくさそうに言う。
何でそうするのか、実際はわからない。だが、私は少し寂しいような、でも少し嬉しかった。




