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小指  作者: M.O.I.F.
4/8

私のイマ

4話目です。

過去の話はここまでで、次から今に入ります

前の夜私の意思は固まった

彼に、相沢君に望まれる迄の私の人生は

過去になろうとも私を狙い、壊そうとするモノノケになった

ならば私は今の

彼に望まれ生きていた私が私だったんだ

彼が望んで生きた…

それなら。

私は彼の思うように死のうと思う

そう考えることに時間はかからなかった


「赤い糸を小指に結んだ男女が自殺するニュースはしってる?」

「そうやって死ぬとあの世でも来世でも一緒になれるんだよ」

「小指は宗教では前世を表していて運命の赤い糸で結ばれている男女が本物の赤い糸を結ぶとそこに現世と来世が繋がるんだって」

相沢君がそう話すのを私は朧気に覚えている

正直今でも私の死生感は変わらない

死の先にはなにもないと思う

でも、もうどうでもいい

彼が望む私であるならもう、それでいい


相沢君のためなら

私は死ぬ



自殺場所は学校の裏山の崖に決まった

この山は切り立った崖が多く、毎年事故が起こる場所だった


小指に赤い糸を結び私達は崖に立つ

隣に立つ彼はどこまでも笑顔だった

「あの世はどんな世界だろうね!」

「そうだね、きっと素敵な所だよ。」

私は心にもないことを口にする

彼が喜ぶならそれでいい

「僕達あの世でも来世でも一緒だよ」

その言葉に胸が熱くなる

白く濁った心にない温かさ

「…私も」

本心だった


私達は同時に崖を蹴った


私は幸せだった


こんな人生でも望まれることができた

一緒になろうといってくれた


その充実感のまま私はその時飛んでいたと思う


なのに、



私は生き残ってしまった

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