第010話 人間側次世代兵器
~5月10日 水曜日 11:14 インドネシア バンダ海~
東南アジア南部。サファイアの様に青く澄み切った青海に浮かぶ、緑が生い茂る幾つもの島々は迷路の様に入り組みんでいた。水平線まで青く澄み渡るその海の上。船体がグレーで塗り尽された艦隊が楼閣の如くそびえ立つ様に浮かんでいる。マウガン保有の〝はりま〟型強襲揚陸艦〝はりま〟。
強襲揚陸艦としての機能もあり、船底がホバークラフトの様になっており、全長180mと巨大でありながら、そのまま陸地に上陸する事が可能である。その横で並んで航行するのは海軍保有の〝たかま型巡洋戦艦〟。一番艦〝たかま〟、二番艦〝ほくれい〟。
護衛艦としてミサイル駆逐艦〝あまつかぜ〟、〝たちかぜ〟もある。
今から150年――1世紀半前。技術の向上と同時に、世界中では何度も戦争が起こっていた。日清・日露。自国の発展の為の奪い合い、国と国の間にある海上での戦いにおいて、世界中で幾つもの戦艦が建造された。当時は電子機器は発達しておらず、計器を用いても観測や照準は手動であり、やっている事はスケールの大きい銃撃戦だった。
その上で、強力な艦砲射撃を行う為に艦を大きく頑丈にする力のゴリ押し――〝大鑑巨砲主義〟が重視されていた。やがて航空機やミサイルが開発・発展されると、それらよりも高コストで着弾に誤差が生じる大砲と戦艦は衰退。
時代は大砲と同等の破壊力でありながら低コスト・高い命中率を有するミサイルを主軸に、迎撃用の対空火器や近距離での戦闘の為の単装砲が搭載された小型の駆逐艦が主流になった。
しかしそれから1世紀。現代の戦術は、ファルマコには通用しなかった。航空機と同等の運動性を持つファルマコに翻弄されて戦果は出せず、ミサイルを発射しても滞空するファルマコによる捨て身の防御で目標へ攻撃が届かず、届いてもその外殻によって攻撃は十二分に効かない。
そんな最中で効果的だったのは単装砲――強固な外殻を撃ち貫く単純な〝質量兵器〟だった。この結果から、各国は新造艦として、大昔の戦艦を再度、造り始めた。
有象無象の肉の壁を穿ち、貫き・叩き割る為の主砲は最新鋭の管制システムと大型化された連装砲。それを4基の計8門。副砲として速射砲十基、対空火器のCIWSが十八基。艦橋後方には状況に応じて様々なミサイルを発射出来るミサイル発射装置はあるが、あくまでサポート。鋼鉄の牙城、最新の技術で造られた砲撃重視の船が、今の世界が求めるものだった。
そして今現在いる海域はインドネシア付近の海域バンダ海。この近くにはフィリピンがあり、タウイタウイ州といった、嘗ての大日本帝国が占領した地域があった。9条によって戦争勃発も参加も法律で否定した日本。しかし日本人の一個人の狂気的な独善によって戦争が火蓋を切り、それを退く為、贖罪の為に戦地へ赴く日本人。そして当時の思想を用いた兵器で嘗ての占領地域周辺を航行するその様は、人類への皮肉と呼ぶに申し分無かった。
はりま船内のブリーフィングルーム。広々とした部屋の正面にはモニターと演台。そして横3列並べられたテーブルと椅子がある33名の〝シジン総隊〟の男女達が静かにそこに腰掛けていた。
皆、何時もの全身を鎧の様に覆うパワードスーツでは無く、白、黒、青、赤のどれか一色のウェットスーツの上にプロテクターを付けた戦闘服を身に纏っていた。
その中で2人、夜明は1人、首に蒼いマフラーを巻き、イザナミは小柄な体格故か、他の隊員達よりも目立っていた。彼等の前方にある入口から、司令官の徳多と技術研究開発部室長の大野口が入室すると、徳多は演台の方へと歩み寄って、部下達に敬礼した。
「よし。それではまず、現在の状況を確認する」
徳多は演台の上に置かれた機材を操作すると、モニターに地図が映し出された。
「先月の4月二24日、ファルマコが東南アジアに侵攻を始めた。侵攻5日目でパプアニューギニアが陥落。その後はパラオ諸島とオーストラリアといった周辺地域にも行動範囲を拡大している。これに対して国連軍と現地部隊、マウガンによる連続31時間の戦闘によって押し返す事に成功した。パプア本島は現在、最前線となり、戦力もそこに集中している。
シジン総隊もそっちを手伝いたい訳だが、先週前線後方のティモール島でファルマコが確認された。恐らくは取り零したのがいたのだろう。衛星写真やドローンの偵察では巣が確認された。放っておけば増殖したファルマコによる挟撃が危惧される。俺達の任務はその生き残り共を殲滅する事だ。それに加え、新型兵器を実戦投入して戦闘データも収集する。という訳で大野口、機体の再度説明を」
「おう」
徳多と入れ替わって演台に立ったのは小柄で白衣を着た大野口だった。大野口の操作でモニターは海域の地図から人型の〝何か〟の画像に切り替わる。
「じゃあ説明を始める。新兵器は形式番号はPNG―X01。機体コードは〝ヴィレッジライト〟全長6.6メートル、重量8.2トンの人型機動兵器だ。歩行速度は最速で時速70km。複合装甲で全身を覆ってはいるが、戦車よりも薄いからアテにはするな。本機の特徴はその操縦形式である“NLCシステム〟と呼ばれる操縦方法を採用。今、皆が着ている専用のパイロットスーツを通して、神経を接続――つまり動こうとする信号をシステムが読み取り、機体が代わりに動いてくれる訳だ。
このシステムの利点はパイロットの運動能力が反映されるので、機体に慣れる事以外は操縦訓練等の訓練はする必要が無いという事。そして反射神経も反映されるので、生存性や信頼性は高い。アクチュエーターには動力シリンダーとサーボモーター、動力は最新型の高出力水素バッテリーを採用。武装は〝六二式試製突撃銃〟と〝試製高周波振動剣〟が基本兵装。そこから手榴弾やネットランチャー、狙撃銃とかがあるから各自の判断で装備してくれ」
大野口が機体説明を終えると、今度は徳多が変わって説明し始める。
「では10分後にティモール島に上陸する。各員準備しておけ」
輸送機内貨物。胸部が花弁の様に装甲が大きく口を開き、正座で座る明るいグレーに巨大な人形、ヴィレッジが向かい合わせに横一列に並ぶ人形が置かれていた。その足元で、隊員達は次々に口の中へと乗り込んで行く。胴体は縮小し、入口の回りから四方に広がる装甲が内部へと折り込まれて搭乗者を包み込んだ。
ヴィレッジ達は次々と立ち上がり、出口へと歩き出して行く。胴長で凹凸の少ない長めの胴体、太くガッシリとした手足、丸みを帯びた頭と双眼。無骨でシンプルなデザインと、皆形状こそ同じだが、胸部と肩が赤、青、白、黒のどちらか1色に塗り分けられ、肩には01~08の内の一つが書かれていた。ていた。
その中でも、他の機体よりも一回り小さい、白い身体の上からグレーの外装を纏った巨人が混じっていた。巨人の下に、黒く塗られて、肩に白字で〝07〟と書かれたヴィレッジが歩み寄る。
『よっ、雲井』
「――ああ、三都さん」
話し掛けたヴィレッジのパイロットは夜明と仲の良い先輩、三都だった。小さな巨人は、上から外装を付けた、ヴィレッジの原型となった人型ファルマコだった。
「上から鎧付けてるんだな」
「大野口さん曰く、ファルマコ相手に『重武装は良い的だからするな』って事ですけど、それでも致命傷の確率を減らせる様にと気休め程度に付けました。外見もヴィレッジに似せた方がファルマコと思われにくい様にと」
『だったらヴィレッジをお前に似せて造れば良いのにな』
「ファルマコに似てると上の人から怒られたそうです」
『見た目から入るってのがあるけど、まあそう考えれば、猿真似みたいに思えるな。――そういえば巨人形態は何て言えば良いんだ? プロトヴィレッジ?』
「〝パングゥ〟って名前です。中国の神様の名前で……正式名称は〝ヴィレッジライト・AHP仕様実験機〟って名前で、AHPは〝All |High |Polymer〟、全身が高分子人工筋肉で出来てて、ヴィレッジよりも身体が柔らかいって意味で付けたそうです」
『それで通せるものなのかね……まあ、俺もお前と同じ身体で戦える。千歳の時と違って、しっかりお前を手助け出来るからな』
「……期待させて頂きますね」
ヴィレッジが拳を突き出すと、パングゥも拳を出して、ぶつけ合った。
横長な形をしたティモール島の沿岸沿いの町――だった場所。そこには嘗ての人々で賑わう町の面影はない。辺りには粉塵が舞い、炎や黒煙が上がっていた。半壊した建物もあれば、全壊しているのも少なくは無い。地面には血痕が飛び散り、肉片や瓦礫が転がっていた。嘗ては人々が行き交い、賑わってはいただろう町の面影はそこにはなかった。
残骸の海の上を縫って走る群れ――純白のヴィレッジライト。それを筆頭に続いて走るライトグレーの同型機が6機。そしてその中に混じる、鎧を纏う小さな巨人パングゥ。純白の機体に乗る隊長、小斉本は前を向いた。ロボットのコックピットとは言ったものの、内部にはコントローラーもモニターも何もない。
固定具が全身を包み込む様にして身体を固定し、目の前にはあるのは内壁だけ。LEDの光が内部を照らし出すも、ブラックライトで明るくしたかの様に薄暗い。しかし頭部に装着したヘッドギアの側面にある投影機がヴィレッジの視界をパイロットの網膜に映し出していた。
亮介の視界は暗闇の狭所ではなく、地面よりも遥かに高い目線からの、日光の下に照らし出される、転がる建物の欠片と立ち上る黒煙で満たされる無残な街と、自分の身体の様な感覚で思い通りに動く人の手を象った硬く無機質な機械の手だった。進路と周囲の警戒をしながら前進する。挙動は何処か固いが、迅速に俊敏に、一糸乱れず一列に進むその姿は一匹の蛇だった。先頭を取る隊長機が、左手を上げて部隊を静止させる。
『……狼か?』
亮介は見たものは200m先にいた。黒み掛かった緑色の外殻に四本脚、前に突き出た顔に2本の角が生えた、どことなく狼に酷使した一匹のファルマコだった。
『各員へ、ファルマコ発見。外見から四式と確認」
『1匹だけ?』
『潜んでいる可能性もある――ホワイトファング6、狙えるか?」
『ファング6、了解』
ホワイトファング6――神崎がそう言うと、黒字で〝06〟と書かれたヴィレッジが前へ出た。右肩後部に担架されたライフルが接続されたアームによって前に出てそれを手に持つ。側面にある銃身がレーンで前に迫り出して本体と合体すると、ヴィレッジはしゃがみ込んでライフルを構えた。スコープを覗き、十字線の中央を目標と重ねる。
狙うのは――斜め背後を向けるファルマコの左前足脇。今使用している〝六二式狙撃銃〟と、発射する〝38mm重徹甲榴弾〟は、ヴィレッジ用に大型化されたものであり、ファルマコの胴体を貫き、そのまま跡形も無く吹き飛ばす事を可能とした、〝首の切断〟と〝胴体部内重要器官破壊〟を同時に出来る代物である。
息を吸い、止め、狙いを定め――引き金を引いた。閃光と爆音が銃口から解き放たれた。弾丸が狼に着弾すると同時に炸裂し、その身体を引き裂き肉片を宙に舞わした。するとその直後、ヴィレッジ達の周囲で瓦礫と土煙の間欠泉が複数噴き上がる。轟音と共に土石が空を曇らせ、その中から黒緑色の巨大な群狼が降り注いだ。ヴィレッジライト達の周辺で突如立ち上る残骸の間欠泉。そこから現れたのは4匹のオオカミ型ファルマコ。ファルマコは大きくを口を開き、鋭く尖った牙を剥き出しにして機人の直上から襲い掛かる。
『各機散開ッ! 2人1組!』
白の隊長機の指示に瞬時に反応した隊員達は一斉にその場から離れてファルマコと距離を取る。更にすかさず肩部後方、もしくは腰にマウントした試製突撃銃を構えて発砲した。四方八方、銃弾の吹雪が狼の群れへと浴びせられる。だが狼達も銃弾へと立ち向かい、身体に穴が空こうが怯む事無く突き進んでヴィレッジ達に襲い掛かる。
それぞれのファルマコが目標とするヴィレッジは、引き続き銃弾を浴びせて牽制、狼の動きを乱す。更にもう一機のヴィレッジは鉈の様に大振りの刃を持つ高周波振動剣を振り抜いて、死角から背中目掛けて振り下ろす。しかしファルマコの後頭部に切れ込みが入ると同時に眼球が出てヴィレッジの攻撃を捉えると、狼は右へサイドステップして回避――だがヴィレッジも手首を返して右に切り上げた。掠り傷だが、その外殻に切れ込みを入れた。
両方共に距離を取って瞬時に体勢を整え、ファルマコは強襲、ヴィレッジ達は迎撃する。ライフルを構えて弾丸を放ち相手の攻撃を妨害、注意を引くと同時に、もう1機が死角から攻撃して首を狙う。だが相手も機械兵士の動きを捉えており、決定打を与え切れていない。
夜明がなるパングゥと、07のナンバーを肩に持つヴィレッジを操縦する當堂勇一も押し切れていなかった。
「――早い……」
『急かすなよ、ヒット&アウェイッ!』
「はいッ!」
俊敏な動きで流れる様に駆けるファルマコ。ヴィレッジもその巨体とは裏腹に素早く動くも、手足の関節部の動きは直角的だった。弾が無くなり、弾倉を切り離して腰に装備した予備の弾倉に手を掛けた瞬間、瓦礫を踏んでヴィレッジは体勢を崩して膝を着く。その隙を突いてオオカミ型ファルマコは一気に距離を詰めに行く。パングゥも突撃銃を構えるも、照準が追い付かない。
「ファング7ッ!」
『待ってたぜ!!』
一気に距離を詰める狼型の目の前に、右肩後部に装備した狙撃銃を前方に回した。同時に砲身を迫り出させ、銃口を大きく開いた口へとねじ込み、喉の奥まで押し込むと、そのまま抉る様に上にファルマコを突き上げた。マズルフラッシュと爆音と共に、頭部と首、胸部が花火の様に弾けて炸裂した。それと同時に、當堂は網膜に映し出されるヴィレッジ視界ともう1つあるレーダーマップに複数の光点が浮かび上がった。
『増援か……』
『ホワイトファング1より各員へ。増援のファルマコの駆除に掛かる。かなりの数だ、戦果稼ぎたい奴は遅れるなよ。たかまからの連絡で、ヴィレッジから行けない位置からのファルマコには艦砲射撃で攻撃を行う』
『うしッ、俺等も行くぞ!!』
「はいッ」
ヴィレッジとパングゥは瓦礫の転がる道を走って行った。シジン総隊が向かったのは島の南西部、アメリカ側である。沿岸部と内陸の山から新たに出現したファルマコの総数は約500匹以上。その9割は山側から向かって来ていた。勾配と木々が密集して足場が悪い地帯には、沖合にいる戦艦たかまからの艦砲射撃による支援が行われた。
砲口から衝撃と黒煙、爆音と共に打ち出された砲弾は、空を切り裂き、大海を飛び越え、山をの麓でたむろう狼の群れに降り注ぐ。着弾の衝撃と爆発、砲弾そのものがファルマコの緑の外殻を引き裂き、土砂ごと血肉を吹き飛ばす。緑と赤が入り混じる肉片が宙に舞って雨の様に島に降り注ぐ。対して沿岸沿いの地域では、ヴィレッジの軍隊がたかまの取り溢しや少数のファルマコの討伐にあたっていた。
沿岸沿いの道を走り、ヴィレッジ達は手にした武器で敵を倒す中、敵味方入り乱れる戦場を駆け抜ける機体がいた。返り血で汚れた白いヴィレッジ――小斉本の駆ける隊長機だ。他の機体と違い小刻みに足を動かして、両手に持った幅広の高周波振動剣二刀流で縦横無尽に駆け抜けていた。正面から来るファルマコを頭から×字に切り裂きそのまま切り抜けて、背後にいたファルマコを首、胴、下半身の三分割に切り捨てる。
ヴィレッジから一旦距離を取るファルマコ、ヴィレッジは追撃。後ろ向きに走るも俊敏なファルマコに、ヴィレッジは目と鼻の先にまで迫って食い付き逃さない。ファルマコは突如横に飛び退いて距離を取ろうとすると、ヴィレッジは踏み込みと同時に身体を捻って方向転換、地面を蹴って踏み抜き背筋を伸ばし、装甲や可動部が軋みながらも直角に方向転換してファルマコの脇腹にまで距離を詰め、数瞬まで宙に浮く狼の怪物の巨躯を一瞬でバラバラに叩き切る。
続けて擦れ違いざまに数十体のファルマコを細断して進撃すると、突如右脚の力が無くなり身体が沈む。視線を向ければ右脚は地面にめり込んでいた。
(落とし穴――)
考えるのも束の間、動けなくなったヴィレッジを狙ってファルマコが飛び掛かる。ヴィレッジは剣を持った両手を地面に叩き付けると同時に全身に力を込めて一気に跳躍。穴から脱出して5m以上の高さまでジャンプすると、手にした剣を投げてファルマコの背中目掛けて投げ付け突き刺した。機人は機体を捻って着地すると同時に背後にダッシュしてファルマコの背中に突き刺さる剣の柄を持って頭部を刎ね落とし、更に振りかぶって胴と首を切り離す。
続けて直進、四方かファルマコが迫るも一気に包囲を突破、背後に回って纏めてバラバラに切り捨てる。姿勢を整え走り出そうとした瞬間、またしても右足が動かない。見れば地中から顔を出した狼型ファルマコが右足首に噛み付いていた。
(地中――)
再度足止めしたヴィレッジに今度は大量のファルマコが飛び掛かったその瞬間、群狼が爆炎と共に吹き飛ばされた。
『はえーよ馬鹿!』
「助かるファング6! ついでにこれも頼むッ!」
そう言って隊長機は力強くバック転をして地面からファルマコを引きずり出すと、先程来た神崎機は右肩に担いだライフルを腰で構えて弾丸を発射、狼の胴体を吹き飛ばす。胸が無くなったファルマコの下半身が重力に従い落ち始めると、白いヴィレッジはその死骸を蹴り飛ばして先程吹き飛ばした群れに蹴り込んだ。ファルマコも衝突を避けて回避すると、その隙を突いてヴィレッジは肉薄、宙を浮く一瞬を突いて両断する。純白の装甲は、鮮血で更に赤く染まっていった。




