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ネガイシステム  作者: ぼんべい
七章 事実と真実の境界線
53/62

7ー5

 ○ ○ ○


 「いい?皆聞いて。これはとっても大事な事なの。気付いた事ならなんでもいいからこの紙に書いて頂戴。どんな些細な事でもいいの。こんな事を言ってた、とか、前にこんな場所で見かけた、とか。」

 長谷川が失踪して一週間。

 長谷川のクラスでは紙を配りながらアヤメ先生が皆に語りかける。

 学校としては今の所警察に任せ様子を見守るという態度だったが、生徒想いのアヤメ先生は長谷川の失踪をかなり重く受け止めている。

 (長谷川君・・・)

 その紙を見ながらミキモトは長谷川の事を想う。何度か顔を合わせ、自分の大事な話もした相手。当然彼女もものすごく心配している。

 (・・それに、一条さんも、アンドウさんも・・)

 その不安気な眼差しは友達二人の机にも向けられる。

 この一週間学校を欠席しているのは長谷川だけじゃなかった。一条とアンドウも姿を見せていない。

 (・・病気だって言うけれど・・・)

 しかし、この二人は長谷川と違って学校に連絡が行っていた。

 一条は風邪による体調不良、そしてアンドウはと言えば。

 (目と耳がやられちゃう程の高熱だなんて・・・)

 すでに二日前にミキモトは二人の家にお見舞いに行っていた。しかし一条は寝込んでいるから、と親に言われ会わせてもらえず、アンドウは遠くの大きな病院に入院していて今は面会謝絶、という事だった。

 行方も知れない長谷川に比べればまだ安心できる状況ではあったが、やはり本人の顔を見ないと心の底から安心は出来ないでいた。過去に親友を失った事のあるミキモトにしてみればそういう不安は必要以上にミキモトの不安をさらに煽る。

 それに、自分がメッセンジャーをしていた事から、もしかして三人の欠席には同じ理由があるのかも、と、勘ぐってしまっている事もあった。

 (でも、会えないんじゃ話も聞けないし・・・)

 結局、ミキモトは白紙のまま紙を提出する。

 「あの、カガミくん?」

 放課後、授業が終わったタイミングでミキモトはおずおずとカガミに声をかけた。

 「なんだ?」

 「長谷川君の事なんだけど・・・」

 何かヒントになりそうな事でも聞ければ、と思い声をかけたミキモトだったが。

 「ハセがどうした?」

 「何か知らないかなぁ、って。」

 「ああ、俺は何にも知らない。なぁ、皆?」

 周りにいたサオトメとユージに首を回したカガミに、二人が揃って頷く。

 「逆に僕達が聞きたいぐらいなんだよね。ミキモトさん、何か知らない?」

 「え?いや、私は何も・・・」

 サオトメに逆に質問されてしまい、ミキモトは口ごもってしまう。

 「まぁ、最近態度わるかったしなぁ。あいつ。もしかして非行旅行とかしてんのかも。」

 楽しそうにユージがまくし立てる。

 「はは、非行旅行ってなんだい、ユージ。」

 「わからんぞ、もしかしたら年上の女性と駆け落ちをしてるのかもしれん。」

 同じく楽しそうに答えるサオトメとカガミ。

 「はは、そういえばシュリーズの社長とかに興味持ってたもんね。あ、今はもう社長やめちゃったんだっけ。」

 「を、ますますあやしーじゃん、それ!」

 ミキモトはそんな三人の態度にやはり違和感を感じる。

 (友達が、親友が居なくなったっていうのに、なんでそんなに平気で笑っていられるの!?)

 「まぁ、俺たち明日ハセの部屋行ってみるつもりだ。ミキモトも何かわかったら知らせてくれ。」

 カガミがハセのアパートの場所をミキモトに教えた。

 「ありがとう、カガミ君。うん、何かわかったら連絡するね。」

 ミキモトは三人に吐き気さえ覚えながら学校を後にした。

感情がのってきちゃって僕の中では書いてるつもりになってるのに実際にはあまり書けてない感じになってます。冒頭は、「そして一週間が過ぎた。その間、長谷川は一度たりとも皆の前に姿を見せなかった。」からクラスのアヤメ先生のシーンの描写をするってのもいいかもですね。アニメじゃないんでシーン描写じゃない部分に力を入れる事ができるようになりたいです。そう考えると、この物語りは結構成功してるのかも。

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