現れた、焔
この小説は、携帯に昔書いていたデータを、PCに転送し、編集、加筆をしているだけなので、比較的早いスピードで投稿できます。
まぁ、それでも遅いですが・・・・ww
では、第四話をお楽しみください^^
彼らは後ろに置いてきた仲間の勝利を願いながら、前へと進んでいた。蒼い彗星はルーク・アルデヒドに敗北したことも、旧友が救援に来ていることも知らずに。結城の先行部隊からの連絡を受けた雄塀、霧ヶ峰、真神、秋道、高坂の四人は、雄塀・霧ケ峰が助けに向かうことで二手に分かれた。
「俺たちは王宮に行きます。雄塀さんも気を付けてください。」
結城たちが戦っている方角に、不穏な雰囲気を感じながら真神は言った。────ラヴェール王国の中央にそびえ立つのは、500年近くの歴史を持つ『カトリシア王宮』である。
上を見上げる高坂が呟く。
「この王宮、嫌な予感がする。」
不安が一同をよぎるが、乗り込むしかないという意見が心の中で合致し、三人は王宮の門を乗り越えた。幸い、迷路のように要り組んでおらず、中央の広い階段を登ることで王室にたどり着けた。
「待ちなさい!ルークのもとへは行かせないわ!」
最後の扉を開けようと手を伸ばしたときに声が響いた。綺麗な装丁の扉の横に人影が見え、現れたのは長い黒髪にその手には銃を構えた女性だった。彼女は征六龍火の五人目、アルフィンであった。
「ルークってやつなら今頃レインに負けてるぞ。……残念だったな」
魔法を発動しながら、真神が言った。すると、扉の向こうから、聞き覚えのある声が聞こえた。
「ハハハッ!………お言葉だが雷鳴魔神。蒼い彗星は盤上の軍神によって地に落とされた………と言ったらどうする?」
辺りは静まり返り、扉の向こうから発せられた真実によって、真神に動揺が走る。動揺によって軽く硬直している真神を隣で聞いていた秋道が、
「動揺してる暇があるなら、あのルークをさっさと倒してきなさいよ。こいつの相手は、私が受け持つから」
秋道のローブがひらりと揺れると、腰には細身の剣が納められていた。鮮やかに細剣を抜くと、アルフィンに向かって構えた。彼女は、自身の自然系魔法を、スピードに長けているその細剣に乗せて放つ魔法スタイルを確立させていた。
「わかった、任せたぞ。高坂、 援護してやってくれ」
真神は扉を開け、入っていく。沈黙三秒、そして本調子を取り戻した雷鳴が鳴り響く。
「あんたが私を倒す? 調子にのらないでもらいたいわ」
アルフィンの両腕両足に黄色い光が宿り、まばゆい閃光を轟かしながら二人を威嚇する。秋道は細剣を少し上にかざし、呟いた。
「発動!」
『大自然の理』
空を切り裂きながら、肉眼ではとらえられそうにもないスピードで、アルフィンを連続で切り裂いていく。その連撃のスピードは尋常ではなかった。相手に呼吸する間も与えないように、少しずつ、確実にダメージを与えていった。攻撃がヒットするたびに、鮮やかな花が舞っていく。
「………くっ、………うわっ……ぅぅ」
必死に、ガードをしているが、さばききれていない。
「止めよ!」
《桜花・火の舞》
連撃が一瞬止まると、レイピアに桜色の光が集約されていく。秋道は凄まじいスピードでアルフィンを抜き去り、一筋の剣閃が走った。一筋の剣閃のまわりには、桜が咲き誇るように広がっていく。
「私が援護する間もなく終わっちゃったね」
ニコリと秋道に微笑みながら、香は少し残念そうに言った。バタリとアルフィンが倒れ、秋道が香に微笑み返しながら細剣をしまうと、王室のほうから雷の轟音と共にガラスの割れる音が響いた。
「ガラスの音!? 真神君!」
二人が扉を開けると、真神、ルークの姿はなく、窓から飛び降りていた。
「波動術・『流水火刃』!!」
高坂は印を結び、地に降りていくルークめがけて、火の刃と流水を放った。火刃と流水は、交錯しながら、正確に襲い掛かっていく。ルークは油断していて、地に「落下」する。今のは、波動術と呼ばれる魔法のシリーズで、かなりの集中力を必要とするため、この威力の波動を打ち出せるものはそういない。
「あんな難しい波動術を覚えたの……!?」
香は優しく微笑み、左手で自分の右腕を握りながら言った。
「ええ、治療以外にも役にたちたいですから。」
少しダメージを受けたルーク・アルデヒドは立ち上がり、笑った。
「思わぬ伏兵がいたね。……邪魔は良くない。俺は勝負を楽しみたいんだ」
二刀流で、真神に斬りかかる。真神は武器の爪で右刀を受け止め、雷を纏った鋭い鉄拳を繰り出す。しかし、ルークの左刀に受け流され、切り込まれたところを回避する。その見るものを圧倒する素早き斬り合いは、ルークのほうにわずかに分があった。
「天なる裁きよ、灰塵と化し轟け!聖なる轟雷!」
巨大な雷をルークめがけて落とす。その轟は、あらゆるものを威圧し、爆風だけで大地を引きはがしかねない威力を秘めていた。ルークはこれに臆することもなく、冷静に二刀を旋回させ、逆に轟雷を刀にまとわせた。
「バカなっ!? あの雷を!」
ルークは間をおき、
「吸収するのにも、結構魔力がいるんだよ。……しかし、この技を繰り出せる!」
十文字斬・雷
時間が止まったように空気が張り詰め、ルークが右の刀をゆっくりと振り下ろした瞬間、耳を劈くような轟音と共に、この場にいる全員を閃光が覆った。全員が目を覆ったと同時に、十字の斬撃が真神に襲い掛かっていた。
自らの迅雷に撃たれた真神は、何とか踏みとどまり、次の攻撃を放とうとしたが血が噴き出した。予想以上に凄まじいダメージを喰らっていたのだ。
「バ、バカな。なぜ雷で……血が!?」
「踏みとどまるとは素晴らしい。この技は君の雷をそのまま返した《だけ》じゃない。俺の斬撃を加えて切り裂いたんだよ」
ルークは淡々とはなし、二刀を構える。ぐらついている真神に刀の剣先を向け、静かに魔力を集中させた。彼は戦闘を楽しんでいるように笑みを浮かべると、駆け出していた。
「素早く止めをさしてあげよう。もう君の魔法はよくわかった」
「いけない!!真神君が!!」
高坂と秋道は素早く飛び降り、二人の中央に降下していく。攻撃に移っている今が最大のチャンスだ!と言わんばかりに攻撃の体勢をとる。
「はあぁぁ!!」
身軽な細剣で、秋道は突きを繰り出した。虚を突かれたが、素晴らしい反応スピードで、ルークは地面に斬撃を放ち、反発力で大きく回避する。
「波動術:『極夏麒麟』!!」
花火の音のように光輝く爆発が出現し、激しいエネルギーを発しながら、ルークを直撃した。ルークは大きく吹き飛び、辛くも二刀で体制を保っている。そして、香を警戒した目でとらえると、
「あのレベルの波動術を!?まとめて消し飛ばす!!『Re:BUSTER』」
ルークが叫ぶと再び、紅色の光が辺りを包み込む。一つ一つの動きがスローモーションのように流れていき、ルークはニヤリと笑い、真神は立ち尽くし、紅色の光が侵食していく。全てが終わったと思ったその時、美紀は見た。視界の片隅に、金色の光が輝いているのを。辺りは激しい爆発音と共に大地に亀裂がはしっていた。
爆発音が止まった後、辺り一帯に煙が巻き起こる。ルークは高笑いをしていたが、目の前の光景を目にし、凍りつく。ルークの目の前には、死体はなかった。あれほどのエネルギー爆発を受けたにも関わらず、誰1人死なず生きていたのだ。気絶はしているものの、先ほどと何も変わらない。
「ば、バカな!?……何で!?…………! お前は!!!」
煙が取り除かれたその場には、少年が立っていた。ルークは少年を見つけると、かすかに声を震わせる。─────そう、彼は金色の光で三人を包み込み、『自らだけがダメージを負った』斉天大聖であった。
「せ、斉天大聖!!!」
斉天大聖こと狭間蓮は、ルークに何一つ言葉を発さずに、金色の光に焔を混ぜた。目の色は左右バラバラで、右眼が斉天大聖の金色。左眼が焔の魔法の朱眼である。
「『斉天形態“朱眼”」
そう呟くと、静かに蓮の身体が金色と朱色に燃え上がる。思わず見とれそうになるその焔は、彼の魔法を鮮やかに表現していた。
『金色の《斉天》に焔を混ぜ合わせる。それがお前のオリジンなんだな。』
バンスが心の中で呟く。オリジンとは、七聖覇者の魔法のことを指す。覇者それぞれに特有の七聖という光の魔法があり、自らの持つ通常の魔法を混ぜ合わせ、世界に二つと存在しない魔法を生み出すのだ。
「これが俺のオリジン。勝負だ、ルーク・アルデヒド!!仲間が受けた痛みを味あわせてやる!!」
かつてない火花が散り、鮮やかな焔をまとった狭間蓮と、再び二刀を握りしめるルークが対峙した。
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