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KAEZ TIME!!(NEXT)  作者: KeiTa
第一章:The tale which starts four years after
4/13

CHESS

さぁ、戦いの幕開けだ!

魔法が本格的に出てきます!

南部




 誰のいない街中で、たてがみのような髪型の槍使いの少年と、突如この地に降り立ったものが戦っていた。


「まさか、ここまでの強さを持つやつに出会えるなんて、今日はついてるな。」

 バーニアスはズタズタに負けていた。足場がふらつき、槍に重心が傾いている。まるで闘志のみでたっているかのようだ。


「命は奪わない。降参しろ」

 いくつかの切り傷しかない蓮の体は、金色のオーラできらめいている。右手には、鋭い爪が三つ形成されている。


「征六龍火の名に懸けて、降参など絶対にしない!」

 バーニアスは全力を出しきるように、槍を掲げると


「竜神突き!」

 構えた槍に巨大な竜の紋章が浮かび上がる。竜の如きパワーを槍に充填させ、直撃したと同時に相手の体内に放出する突きである。バーニアスは自分の残っている全ての魔力を槍に込めた。


「六波動剣《業魔の星刻》!」

 竜の紋章が盾となり、煌めく六波動剣からバーニアスをガードした。

 六波動剣とは……、斉天大聖のみが操れる六つの魔力(エネルギー)でできた剣のことであり、様々な属性を持ち、蓮の思うままに操られる。


「隙あり!!」

 今までで一番スピードでバーニアスは槍で突いた。

辺りに空を切り裂く音が響く。


「速いな」

 バーニアスの渾身の一撃を六波動剣は受け止めていた。六つの剣が重なるように蓮の前に展開されバーニアスの渾身の突きを防ぐ。


「《業魔の迅雷》」

 蓮の六波動剣は進化していた。

 疑似覚醒形態での六波動剣は剣を飛ばすだけではなく、その属性を宿した六つのエネルギーの剣を自らの身体に装備して攻撃することも可能になっていた。雷の力が剣に宿り、真神のそれには及ばないが、しびれるほどの威圧感を放っている。


「切り裂け、閃光の裁き」

 目映い閃光が辺りを飲み込み、一瞬の出来事で勝負が決まった。


「終いだ」


 バーニアスから血が吹き出し、バタリと倒れ去り動かなくなった。しかし、息はしているようだった。


「ハア…ハア、な、なぜ俺…を生かしておくんだ…?」

 蓮は能力を解除し、静かに答える。

 大人びた風貌になった今でも、眼だけは野望の如く、最前と朱色に耀いていた。


「命を奪うことに意味なんてない。……勿体無いんだよ、その命が」

 そう言うと、手をかざし、北に歩いていった。


『良いのか? 野放しで』

 心の中で何かが語りかけてくる。蓮は目を閉じた。心の中の光景が見えた。深淵なる闇に一人たつ男、白黒逆転している自分が話しかけてくる。


「バンス、久しぶりだな、話しかけてくるのは」

 心で話しかける。バンスと呼ばれるのは、斉天大聖の化身である。疑似覚醒形態を発動する際、彼とは契約を交わさなければいけない。


 斉天大聖は『覚醒』によってさまざまな力になる特殊な魔法である。


七聖覇者 基本形態

自我や精神は通常で、六波動剣も扱える。

しかし、本来の力を出せておらず、戦闘能力は一般的な魔法となんら差異はない。


覚醒形態

【ザ・バースト】

真の力を覚醒させた時になる。

限界能力値の斉天大聖の持つすべてを引き出せるが、自我を失いあらゆる物を破壊するまで止まらない。


疑似覚醒形態

【セカンド・オリジン】

初期覚醒形態で精神を安定させ、かつ精神世界の魔物(心が具現化した七聖覇者)

と対話し、力を借りることでのみなれる。

覚醒形態より能力は大幅に劣るが、自我が安定するところが利点である。


 この三つの形態を『七聖覇者』達は持っていて、身体、精神の鍛錬により習得していく。蓮も、四年の月日を経て、ようやく疑似覚醒形態をモノにすることができた。


『歴代の斉天大聖の中で、お前だけだ、命を絶つことをしないのは……。』

 心の中でバンスの言葉が響く。蓮は通常状態には戻らず、本の少しだけ、斉天大聖化《七聖化》している。


「別に良いじゃないか、あいつはもう人を殺さない」


『お前の言う通り、負のオーラが消えていた。まぁ、良い。それより、ヘッドフォンをつけろ。』

 ヘッドフォンをつけることで、蓮の集中力がまし、スムーズに七聖化することができる。蓮は仲間たちのいる場所に行くため、歩いていく。


「まったく、いつになったら会えるんだ……?」


ラヴェール王国城壁付近  レイン VS ルーク


「俺を見破った? 冗談きついよ君」

 ルークが笑いながら剣をヒラヒラさせている。


「お前の魔法の恐ろしさは、見交わし脚じゃない《連携》だろう?もうひとつの魔法がお前の魔法を隠している」

 レインがそう言い放つと、ルークは笑いをこらえるように語りだした。


「君は随分回りくどい言い方をするね。そんなもんじゃない、俺の魔法は………」

 剣を再びヒラヒラとさせ、剣先を相手に向けた。再び瞬間移動を繰り返し、レインを切りつけていく。


「見破ったなんて、無理して言うもんじゃない。」

 レインは剣先を読み、タイミングをあわせて、受け流した。


「もらった! 彗星爆発(ビックバン)!!!」

 バランスを崩し、瞬間移動が止まった瞬間、勢いよく攻撃を放った。蒼い炎をまとったレインの拳は、恐るべき速さでルークに向かっていく。この魔法は、相手に拳が触れるとエネルギーが勢いよく爆散し、拳の威力を何倍にも高める魔法である。彼はこの魔法とともに「蒼い彗星」の異名を獲得した。


「っこれはっ!?……外した……!?」


「くくくくっ、どうやら本当に瞬間移動の《制約》は見抜いてるみたいだな、だがまだまだ甘い。俺の『盤上の軍神ボード・ザ・ジェネラル』の真の力はここからさ。……モード切り替え《騎士》から《僧正》へ!!」

 レインの後ろに、ルークが回っていた。その手に持っている剣は今までの細剣はなく、黒き剣と白き剣の二刀流になっていた。


「これが君の言いたかった《連携》か………?」

 先ほどの剣より、遥かに重みもスピードもある連続攻撃をレインに浴びせていく。瞬間移動はしていないので、反応こそして受け止めたりしているが、その攻撃の多さ、次第にhitが増えていく。

 そう、これがルークの魔法。

 《騎士》は、障害物を乗り越える〝疑似瞬間移動”でき、味方も飛び越えて移動できるナイトのようである。そしてこの《僧正》は、四方向に同時に斬撃を放つことができ、ルークはこの四方向を二方向にし、二倍の威力の斬撃を二方向(二刀流)に放っていた。斜め四方向自由に移動できるビショップを象っている。


「こ、このまま、負けてたまるかっ!! 俺の2つ名は『蒼い彗星』、速さなら負けない」

 レインから蒼い火花が散っていく。体の至るところに蒼い炎が宿っている。


「……限界解除(リミットアウト)、身体への負担を無視して全力を出しきる魔法だ!」

 レインは落ち着き、拳を握った。

レインから発せられる爆風に、小石がコロコロと地をつたっていく。


「ハハハハッ!!面白いよ君!!!………君に評して、本気で相手してあげるよ」

 ルークは高らかと笑う。彼が動きを見せた瞬間、神速の居合いでレインが抜き去った。ルークの脇腹に、通りすぎさまに鋭い連激を数発放っていた。ルークが脇腹を抑える。


「なかなか速いな………だがこれくらいの攻撃じゃ、俺は死なないぞ・・・?」

 ルークは二刀流の剣の矛先を向けた。勝負を楽しむように笑っている。彼にはレインと違って余裕があった。まだ魔法の〝モード”を、三つも残しているのだ。


「はああぁぁあ!!」

 二人の凄まじい連激の衝撃波ががラヴェール王国の城壁を破壊していく。


「………こいつ、まだ速くなるのか!?」

 レインの彗星の連続攻撃をルークは二刀で辛うじて受け流して、攻撃を放つ。


星屑翔連鎖(シュリスム)!!からの…………」

 天の川のような鎖をルークの二刀に巻き付けた。その鎖は彼の心とリンクしており、生半可な力では切れない。

左右の刀と刀は繋ぎ会わされ、ガチャガチャと鉄の軋む音が鳴り響く。


流星彗剣(エクスカリバー)!!」

 足に蒼い流星のエネルギーを纏い、剣に具現化させ斬りかかった。二度目のこのパターンの攻撃だが、今度は確実に当てられるだけのスピードがあった。レインのすべてをぶつけるようなこの攻撃の衝撃で、辺りに凄まじいエネルギーが広がっていく。


「うおぉぉぉぉおおお!!」

 レインの踵落としは、ルークの二刀にクリティカルヒットした。二刀は砕かれ、地面に破片の散らばる音が乱反射していく。レインは降り下ろした右足を地面に着地させ、遠心力にものを言わせて左足で蹴りを放った……………が、


「……二刀を砕くか……この硬さを意図も簡単に…いい技だ。……」

 蹴りを右手で受け止められたレインは、動きを封じられた。ルークの絶妙な力の入れ加減に、振り払うことができないでいる。そんなことを見ながら、彼は淡々と続ける。


「いくらでも作れる刀を壊しても意味ない。……しかし、ここまで僕と渡り合った君を評価して、特別に見せよう《クイーン》が動く『トキ』を………『Re:BUSTER(リバスター)』」

 ルークの身体が、紅紫の不気味な色に包まれた。刹那、音もなく、ラヴェール王国の城壁前の乾燥した岩場は、消し飛んだ。


………砂ぼこりの中に倒れているレインはもう、気絶していた。



 ラヴェール王国に再び進行していく、征六龍火(ラヴァルジーク)筆頭、ルーク・アルデヒド。彼は、憤怒の形相を浮かべながら言った。


「……いい余興にはなったな。バーニアスは始末されたみたいだが、俺を侮るなよ、斉天大聖」

 完全に王国に足を踏み入れたときには、彼の表情は普段とかわりなく戻っていた。






 

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