終
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「じゃあ、いつ起きるんだ?」
倒れた理由もういいこれが先決だ。
「うん?もう、起きることは無いよ~」
「「えっ?」」
どういうことだ
「彼女はね~ずっと高校生活を続けることになるはずだよ~」
「な、なんで」
鈴木の声が震えている。気のせいか顔に血の気がないような。
「そうしないとね~。た・・・たき・・たれ?・たい、あっ、たいむパラダイスになるって」
タイムパラドックスのことだろうか。今回過去に戻したのでまたこの時間になったら戻らなければならない。ループするって言うのか
「そ、そんな私のせいで」
「お願いしたんだろその願いは取り下げられないのか?」
倒れた理由がこの梅のせいならその理由をなくしてやればいい
「だめなの」
「?」
「願いは一人一回・・・そうなのキャンセル等も一回に含まれてしまうので良く考えてお願いしましょうと言われていたのに」
「あれ?よく知ってるね~」
おいおい。魔法のランプじゃあるまいに・・・
「なら肥川が戻すときにキャンセルすれば」
これなら文句はあるまい
「・・・えっとね。叶えていない願いをキャンセルすることは無理だよ~」
過去に戻ったからこいつ、飛梅は鈴木の願いを叶えていないのだ。ならもうこれしかないじゃないか。
「なら今俺が」
「いいの~。さっきも言ったけど一人一回までだよ~」
「かまわない」
彼女がいなければ叶える願いも無い。
「じゃあ叶えてあげるよ~」
あっさり引き受ける飛梅。
「佐藤あんた」
鈴木がじっと見てくる。
「なんだ?」
「・・・あんたたち両思いだったんじゃん」
「・・・はっ?」
どういうことだ
「かすみも好きなのよ。あんたのこと」
嘘だろ
「臆病者」
「う、うるせー」
そうだよ。そのせいで、三年間告白できずにいたんだからな
「・・・では、あなたの願いは?」
元の梅の前
「さとう君はね~。お願いをキャンセルしてくれたんだよ~」
「さ、佐藤君」
私佐藤君に助けてもらえるなんて
「かすみ~」
千里が走ってくる。
「ごめんね。私があんな願いをしたばかりに~」
「ううん。ありがとう。楽しかったよ」
「かすみ~」
泣きじゃくる千里私は泣き止むまで抱き寄せていた。過去は楽しかった。夢で終わってしまったけれど。
「あれ、佐藤は?」
落ち着いた千里が周りを見始めて言う。やっぱりさっきまでいたんだ。
「うん。起きた時にはいなかったよ」
「・・・逃げたのかしら?」
・・・ならまだ近くにいるはず。
「私、追いかける」
「えっ、かすみ?」
驚く千里そうだ知らないよね変われたこと
「うん、引っ込み思案じゃいけないってわかったの」
「かすみ、変わったのね・・・」
変われたのは千里のおかげだよ。
「じゃあ私こっちに行くから、かすみはそっち、私があいつにあったら捕まえておくから」
「うん、ありがとう」
走っていく千里。さてと
「ねぇ飛梅さん」
「なぁ~に?」
私たちをずっと見ていた飛梅この願いは叶えてもらえるだろうか?
「千里と、佐藤君にお願いの権利をあげるってことできる?」
「う~ん・・・。一人ならいいけど、ふたりにか~・・・うん叶えるだけ叶えてあげる。それで無理だったらあきらめて」
自分で叶えるかどうかじゃないのだろうか
「目を瞑って」
「うん」
目を瞑る。そして粉を振りまく
「うん。できた」
「ありがとう。」
これで安心して追いかけられる。私のために二人も願いを使ってくれた。やっぱり私はお返しをしたい。
「じゃあね」
千里がさした方向に走る私。追いつけるかな?ううん見つけてやる。伝えたいことはたくさんあるから。
「飛梅、おまえキャンセルして無いだろ」
「ん~なんで~」
梅の木の後ろに隠れて見ていた俺は彼女たちが走っていくのを見て、飛梅に話しかけた。彼女の反応から見てふと思ったのだ。
「キャンセルってことは願いは無かったことにするはずだ」
「・・・うん」
首をかしげる飛梅。だが間違っていないはず
「けど、肥川はあきらかに過去に行って経験した記憶を持っているじゃねぇか」
笑い顔になる飛梅
「ふふん、サービスだよ~」
「サービス?」
融通が利かなかったやつが何故
「それよりも君を探しているみたいだけど~」
「・・・」
何も言わずに去ろうとするが
「ねぇ」
飛梅に呼び止められる。
「本当にあの願いで良かったの~?」
ふん、何を当たり前のことを
「じゃなきゃ、今追いかけねーよ」
「ふ~ん」
納得していないようだが俺は早く行きたい
「ありがとな」
きっかけはくれたんだこれくらいは言っておいてやるよ。さて走れば追いつくかな。
人もいなくなり静かになる梅の木
「あと一週間くらいかな~」
梅の木を見てつぶやく飛梅。叶えることが出来るのは本咲きから散るまで
「それまでに何人来るかな~」
今日来た人たちを思う。遠くで告白が聞こえる。願うことができても、もうあの人たちは来ないだろう。
「東風 吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」
歌いだす飛梅。自身である梅の木を見て
「うん、春は忘れてない」
飛梅は主がいなくなってさびしがりで遊びたがりの子どもなのかもしれない。
以上です。
ありがとうございました。




