弐
???
彼女が倒れる。そこへ彼女の友達が駆け寄っている。その動作からも普通じゃないことが見て取れる俺も急いで駆け寄る。何故彼女が・・・
「何でかすみが倒れるのよ」
鈴木が誰かに叫んでいる。
「彼女は過去にいったんだよ~」
「どういうことだよ」
平然と答えていた誰か彼女たちのそばまで来れた俺は理由を聞いた。
「あれ~新しい人~」
知らないやつの表情が新しい人が来たのがうれしいためか喜ぶ表情に変わる。こいつはいったい・・・
「さ、佐藤。ね、願いが叶う梅の木に来て私がお願いをプレゼントしたら急に倒れちゃって」
鈴木が説明するが焦ってるためか支離滅裂になっている。
「まてまてわからん」
俺の疑問に答えたのは鈴木ではなく知らないやつだった。
「わたしがね~過去に送ったの~」
「は?」
ますますわからない
「要するにね。わたしがお願いをかなえたから、かすみちゃんは倒れたの」
「・・・」
過去に飛んで一か月後
何も無いまま過ぎてしまった…いや前とは違う所はある。勉強は簡単になったでも成績は変動無く行きたい三年間一緒のクラスだったのにこんなことで変更されるブレにしたくない。
でも分かったことがある。やったことと違うことをやると私が知らないことが起きた。前はクラス全員が分からなかった質問にうっかり答えてしまった。答えを知っていたから本当にうっかりしていた。そしたら先生は私が知らない質問をしてきた。その質問に私は焦ってしまった。当り前かもしれないが過去は変えられる。今回は悪かった例だ。でもこれなら上手く思いを伝えられるかもしれない。
そんなことを考えていると、
「かすみ~」
千里がそばに来た。そういえばもうお昼休みだ。
お弁当を広げていると
「ねえ、かすみ、あなた好きな人がいるでしょ」
「えっ?」
「もう、ごまかさなくても中学からの仲なんだからわかるに決まっているでしょ」
千里に言われたのは初めてだった。前でも気づいていたのだろうか
「でね良いおまじないがあるんだけど・・・かすみ?」
「えっ?」
「・・・違った?」
「・・・ううん、うん。いる。好きな人」
口にするだけで恥ずかしいでも前の時間では話したことが無かった。話してみても大丈夫だっただろうか
「・・・あのね、よ、良く分かったなと思って」
「中学からの付き合いでしょ」
それにねと付け足す千里
「かすみ、いつも佐伯君見ているでしょ」
「えっ・・・」
「あれ?」
佐伯君はあの人とよく一緒にいる。どうやら千里は勘違いをして話をしたみたい。だけどもう好きな人はいると言ってしまった。このまま流すことはできただろう。でも好きな人は偽りたくない
「私ね」
「うん」
私は声を落とす。まだ千里にしか知られてくなかったから。
「佐伯君じゃなくて佐藤君が好きなの」
「そうだったんだ。私てっきり」
佐藤君かっこいいもんねと付け足す千里。そういえば勘違いした理由って
「千里、私、そんなに見てた?」
「うん。休憩時間は特に!」
はずかしい
「ほんと、心ここにあらず!って感じだったもん」
・・・そうだ。どうしたら彼に思いが伝えられるかそればっかり考えてた。そのせいで彼ばかり見ていたのかも
「でね」
「うん」
「おまじない試してない?」
「・・・うん。試してみる」
「あれ、めずらしいね。いつも断るのに」
それでも三年間誘ってきてくれた。そう今があるのは千里のおかげだ。誘いに乗ったから過去に来させてもらえたのだ。
「うん。きっかけが欲しいの!だから教えて」
また誘いに乗ったら何か起きるかもしれない。たとえ起きなくてきっかけになればいい。アクションは起こさないと過去は変わらない。それはこの一カ月で分かったことなんだから
それから一年後
「さ、佐藤君。」
「・・・」
私は佐藤君と屋上に来ていた。下駄箱にラブレターを入れるなんて古典的だったかもしれない。
「あ、あなたの事がす、好きです!」
とうとう告白してしまった。はずかしい、もうあたまがくらくらして何も考えられない。今倒れていないのが不思議なくらい
「・・・ありがとう」
「え?」
「実は俺言いだせなかったんだ。俺もお前の、いや肥川の事が好き・・・」
最後の方は聞こえなかった。あまりにも嬉しくてとにかく一番聞きたかった言葉だった。
私は自分で願いを叶えることができたけど、人間が叶えられる願いなんて限られている。じゃああの梅は何故こんなあり得ないことを叶えられるのだろう。
「梅の木?あの木の事?」
窓の外には例の木が青々としていた。
「あの木ならうわさはた~くさんあるよ」
「そ、そうなんだ」
「学校の七不思議よりも多いよ。えっとね」
とメモ帳を取り出す千里。そういえば最後まで中身見してくれなかったな。
「あの梅は元々近くの鳥影神社の物で何でもこの学校が建てられる際に桜の代わりに埋めたんだって」
学校に梅なんて珍しいと思ったけど桜の代わりだったなんて
「うん、それで?」
「一番有名なのは願いを叶えてくれることかな」
「やっぱり」
「どうやったら願いを叶えてくれるかはまちまちでね・・・あれ知ってたんだ」
「うん。図書館行ったら一冊だけあったから読んでみたの」
「あの本は信用度高いから私よりよっぽどいいよ」
「でも」
「?」
「最近の事はやっぱ千里の方が」
「本当?」
「うん」
「あの本にも書いてあったけど」
また話し始める千里
「うわさに一致しているのは一人一回までしか願いを叶えないことかな」
「一人一回・・・」
千里は分かって私に・・・
「今度行ってみる?」
「・・・いい」
今は言ってはいけないと思った。それに
「今は叶える願いが無いってか~。私にも誰か紹介するように言っといてよ~」
「う、うん」
読まれた・・・。もし紹介するとしたら佐藤君は千里に誰を紹介するだろう・・・
「あと・・・は、あの梅は古典とかに出てくる飛梅の一株だとか、元々はというかさっきとかぶるんだけど道真公の梅だとか、それにね・・・」
千里はいろいろと話してくれた。けどあの梅が何故願いを叶えられるか分からなかった。




