闇と戦士とその他色々
十畳一間のアパート暮らし。日々の労働。緩やかに続く変わりない日常。そこから抜け出すために男は一大決心をした。思い立ったが吉日、さっそく彼は酒場へと向かう。
「俺を登録してくれ」
店の女主人は快く了承し、彼は晴れて戦士として己を磨き上げることとなった。
時は魔物蔓延る混沌の世。外を出歩くにも武器は必須であり、その「武器」として己を売り出す者も少なくない。
彼は待った。己を武器として研鑽し、売り出し、勇者がその身を必要としてくれると信じ待ち続けた。しかし、現実は甘くない。彼の希望は時間と共に押しつぶされ、待っていたのは今までと変わらない酒びたりの…ただ、職が変わっただけの生活だった。
彼が意気消沈するのも仕方が無いことかもしれず、かと言って、それを簡単に打破できる方法も無かった。そもそも、彼は最初勇者として戦っていくつもりだった。が、酒場の女主人の「魔法の素養が無いから無理ね」の一言で轟沈。しかし、それでも戦士として戦うことを選んだあの頃の彼は前向きだった。今の男にその頃の面影は全く無い。希望は時間という絵の具で塗りつぶされ、絶望という絵画に変わってしまっていた。
そんな変わらない、変えようの無い日々が続いていたある日のこと、男が昼間から酒を飲んで腐れていると、不振な物音に気がついたのだ。
音は押入れの方からしており、猫が動いているような、そんな小さな物音ではない。そう、これは人ほどの大きさもある何かが蠢いている音だ。戦士として鍛え上げてきた彼の直感がこれは危険だ、危険なにおいがすると告げている。
彼は即座に長年愛用してきた鋼の剣を取ると、慎重に押入れのふすまに手をかけた。突然飛び出してきたときのために壁を背にし、ふすまの真横に位置を取る。一度大きく息をすって吐く。感覚は鋭敏に、額を流れる冷たい汗が一滴一滴流れ落ちるのを読み取れるほどに五感を研ぎ澄ます。
ぐっと剣を握り締め、一気に扉を開放した。
「きゃっ!眩しっ…!」
甲高い女の声だった。しかし油断はできない。戦士として鍛え上げた彼に、いくら酒を飲んでいる間とはいえ全く気取らせずに押し入れに入っていたのだ。魔物かもしれない。こんな古びたアパートに忍び込んだ理由は分からないが、元々魔物は理解の範疇外の代物だ。その行動原理を疑ってかかればきりが無い。
「両手を上げて外に出ろ」
緊張感を押し殺したつめたい声を押入れの中へ投げかける。が、反応が無い。変わりにうぅと呻くような声が聞こえる。
彼は用心を怠らない。それでも自ら中をのぞくようなことをせず、もう一度同じことを言ってじっと待つ。
…やはり動きが無い。
状態は硬直したまま、緊張感もそのままにゆっくりと流れる。
男はただひたすら待った。わずかな反応も見逃すまいと、集中し続けた。が、その集中を乱すような感覚が彼を襲う。
視線。
どこからかかすかに感じる自分に向けられた視線に気づいたのだ。しかし、押入れの中以外に気配があるわけでもない。何をバカな、と一度は思う。だが相手は魔物だと思い直し、押入れの方に気をやりながらも視線を感じる方向へと顔を向けた。
その先には自分が以前買っておいた等身大の鏡があった。それに写っているのは黒髪長髪の見目麗しい、しかしながらその体から発する雰囲気は影のごとく暗く、瞳は氷のように青く冷たく透き通っている、まさに闇を具現化したような女性だった。
視線は彼女から投げかけられている。
一瞬その姿に見とれてしまった彼が、押入れの中を写しているのだと気づくと、彼女の口が滑らかに動いた。
「あなた誰?」
「それはこっちの台詞だ」
間抜けな声とあきれた声。鏡越しの邂逅は神秘さを一瞬で失った。
◆
邂逅から数刻、事態は進んでいるようで全く進んでいなかった。少々の会話で分かったのは、彼女が闇を好み、その内に生きる種族らしく日の当たる場所を苦手としているということだけだった。その種族としての習性か、少しでも光を減らそうと押入れのふすまを十数cm開くにとどめて戦士と向き合っている。完全に閉めていないのは正体不明の相手に対する男の警戒心からきたものだ。閉じこもりたいという彼女の意向を汲み、最大限譲歩した結果がこれだった。
男は剣を手元に置いたまま押入れと向かい合って胡坐をかいている。女の様子は分からないが、隙間から青い目だけがはっきりと見えていた。
「それでお前はなんでウチの押入れなんかにいるんだ」
「それをしゃべったら私、あなたを殺さなきゃならなくなるの」
「聞き方を変えよう。何が目的だ」
「それもあなたが死にたくないのなら答えないわ」
終始こんな調子である。しかし、時は無駄に経ちすぎた。陽は傾き、空は赤く染まり始めている。まもなく夜だ。漆黒の闇に閉ざされるその時間は彼女が動き出すのに絶好の条件であり、時が経てば経つほど、二人が戦闘になった場合男の方が不利になる。彼女が戦わず去っていくのも考えられないでもないが、それは希望的観測に過ぎない。彼に残された時間は少ない。
やがて意を決したのか、彼は挑発的に言った。「殺されてもいいから話せ」と。女はやはりためらっていたが、彼の強固な意志を察し、ならば仕方ないと、己の身上を話し出した。
「私は……いえ、私達は、闇に潜み、息づき、そして戯れる一族に属する者」
「……よく分からんな。お前は人なのか魔物なのか?」
「そうね。人の形はしているけれど、人と群れず、人と馴れ合わず、あまつさえ死を与える。おおよそ魔物といって差し支えないでしょう」
自分は魔物であると、彼女の口からはっきりと紡ぎだされたその言葉に男は警戒色を強める。
「その魔物が入ることのないように町は警備されているはずなんだがな。どうやってここに来た?」
何度目か分からないその質問に、暗闇に映し出される青い瞳が微かに揺れた。それだけの事だったが、何故か男にはそれが彼女が冷たく笑っているように思えた。
「警備?そんなものは関係ないわ。今から町の外に追い出されようと、私は何の障害もなく再びここへ戻ってこれる」
「俺に気配を全く悟られずにか?いくら俺が酔って寝こけていてもさすがに人……、いや魔物一匹が側を通ればさすがに気付くぞ」
「いいえ、気付くはずが無いわ。ある程度の手順と条件が必要になるけれど、私達の一族は闇から闇へ瞬間転移することができるのよ。とはいえ、今回は失敗したわね。目的地は元々ここではなかったし」
「なるほどな。人ではないからこそ、持ち得る能力、できうる所業か」
得心がいったと頷く男を見て、女は妙な人間だ、と思っていた。確かに魔物を前にして、恐れもせず、戦いもせず、ただ言葉を交わすだけの人間はそういないだろう。もっとも、それは女にしても同様である。人間を前にして己の身の上を話すなど、それこそ魔物にとって理解の範疇外の代物だ。
そんな考えが浮かび、女は口の端を僅かに吊り上げると、なるほど、確かに私は一族でも変わり者と言われていた、と自嘲にも似た想いを抱えてくすくすと笑った。その様子を見て男は少し眼を丸くし、はぁ、と一息ついて頭をがしがしとこする。手元の剣は強く握り締められていた。その様子を見て女もぴたりと笑いを止め、すっと蒼暗い目を細めた。
「それで、結局お前は何をしに来たんだ」
「闇に潜む私達の使命は一つ。命ぜられるままに死を与え、生を奪うこと」
「それは重々承知だ」
「今から話すことが貴方がもっとも知りたいことでしょう。まだ、命を天秤にかける気はあるのかしら?」
彼女はもう一度男の覚悟の程を問うた。これを話せば本当に殺さなければならない。直接的に口にせずともそれが伝わる凄みのきいた重い言葉だったが、男は
「是非も無い、話せ」
と軽く即答した。彼女はその潔い返答に少々たじろぎながらも頷き、ついに己の目的を口にする。
「私の目的はこの国の王の殺害。依頼主は魔王よ」
国王殺害、そして魔王。その言葉で男の目つきが鋭く変わる。今までの警戒の色ではなく、魔物を葬るときの好戦的で威圧的な視線だ。対する女の方の目つきも似たようなそれへと変わっていた。
ぴりぴりとした空気が十畳一間を支配する。
空気を切り裂いて飛び出したのは女の方からだった。ふすまを蹴り飛ばし、その背に隠れるようにして男へと突進する。しかし、その行動は彼の予測の範囲内だった。酒の瓶を引っつかんでふすまに投げつけ、その進行を妨害する。が、女としてもふすまはもともと囮だ。背に隠れて上下左右、異なる方向から必殺の一撃を繰り出す腹積もりだった。男もそれは予測している。問題はどこから来るか、四方あるとはいえ必要なのは一方向。暗殺者である彼女の奇襲を読み、それを凌げれば彼に負けは無い。正攻法では戦士として鍛え上げた彼にかなりの分がある。
男は神経を研ぎ澄ます。彼女の来る方向を示すありとあらゆる情報―――殺気、疾走から生まれる風切音、女の息遣い、果てはその鼓動の音まで五感をフルに使い、瞬時に読み取ろうとする。
下。攻撃は下からだった。女は信じられないほど低い姿勢を保ったまま、ふすまの下方を潜り抜け、左手に持った短剣を振り上げた。その奇をてらった一撃を男は構えた剣を使って受け止め、凌ぐ。だが、彼は剣を動かそうとしたわけでない。あまりの速度に体がついていかず、しかし剣は運良く彼女の攻撃の直線上にあったのだ。
否、運ではなかった。女の右手にはもう一本短剣が握られており、それを見るに左の剣で体を崩し右の剣で止めをさすつもりだったのだろう。
が、女の思惑通りとはいかなかった。男の膂力が尋常でないほど強く、彼女の力では剣をはじくことすらできなかったのだ。予想外の出来事に体制を崩され、すでに放たれていた右の剣も失速し、それに加えて男は左の拳を突き出していた。防御を考えていなかった彼女はなすすべもなく吹き飛ばされ、背後の押入れへと巻き戻されるように押し込まれた。
二撃を攻撃のみにあてがった彼女と、防御と攻撃に割り振った男。明暗を分けたのはそこだった。いや、そんな理由も説明も必要ない。彼が彼女より強かった。ただそれだけのことだ。
押入れの中で苦痛にうめく彼女に剣先を向け、男は勝者の権利……つまり、命令をつきつける。
「国王の殺害は諦めろ。俺に知られたからにはもう果たせまい。お前が侵入するより早く警備を整えてもらうこともできる。何より、光のある場所にいさえすればお前は行動できないだろう?」
「でも、それじゃあ私は帰れない。失敗は死を持って償う。それが私たち一族の掟……」
「命を捨てるか。しかし生き急ぐ事はあるまいよ」
「なら、どうしろと言うの?任務を遂行するか、自害するか、道は二つに一つ。選択肢はもうないのよ」
女はそう言って自分の運命を嘲笑する。
「そうだな……女に死なれるのは気分が悪い。しばらくここに住むといい」
突然示されたもう一つの選択肢に女はあっけに取られた。大胆不敵、という言葉が彼女の頭をめぐる。
「馬鹿ね。そんなこと……寝首をかくかもしれないわよ?」
「何、かまわんさ。国王に進言し、お前が暗殺できないように対策を立ててもらう。そうすれば、仮に死人が出ても俺一人。もともと、捨てかけていた命だ。女一人救えるなら惜しくもない」
「どうしてそこまでしてくれるの?私は敵なのよ」
「お前は俺を殺すつもりが無かった。だからだ」
「そんなことがわかるわけ…」
「お前はなんだかんだと理由をつけて俺に事の真相を話そうとしなかった。最初はただ秘密を守りたいだけかと思っていたが……」
男は剣を適当に放り投げ、その場にどっかりと座り込んだ。
「殺気だ。殺気が感じられん。あの放てなかった二撃目、途中で失速して俺の拳の方が早く当たった。大方、寸止めにするつもりだったんだろう?」
彼女は絶句した。確かにそれは正解だが、あの一合でそこまで見破られるとは。
「お前のような美しい女に殺しは似合わんよ。できれば、一族としての自分を捨てて人として生きろ」
「無理よ。殺ししか能の無い私が人として生きるなんて」
「できるさ。俺ができるようにしてやる。だから、俺の家族になれ」
「それって…プロポーズ?」
「悪かったな、ありていな台詞で」
「……わかった。ここに住まわせてもらうわ。私は敗者だもの、勝者の言う事を聞くのが道理…」
「いいや、お前は負けてはいない」
「なによ、謙遜?」
「そうじゃなくてな、戦い以前に勝負は決まっていたんだ」
不思議そうにする女に見返され、男は少し恥ずかげな顔をして言う。
「一目惚れした俺の負けだ」
◆
彼の生活は一気に変わっていった。家に帰ればおかえりと言ってくれる人がいる。それだけで彼のやる気は絶えること無く泉のようにわいてきた。変わらない日常に突如訪れた異分子。その異分子は本当に壮絶に異色なもので、毎回騒動を巻き起こす。男は日常が楽しくて楽しくて仕方なかった。女の方も同じようで、日が経つにつれ笑顔を見せることがふえてくる。さながら、感情を覚え始めた赤子のように。
男は危険が伴う戦士という職を捨てるべきかもしれないとまで考え始めていた。あれほど嫌っていた日常が大切で大切で、なにものにも変えがたいものへと変化してきていたのだ。
そして時は流れる。
それはかつての英雄の息子が16になった日のことだ。戦士の部屋の門戸が叩かれ、出迎えると英雄の息子が希望に満ちた表情でそこに立っていた。その少年は熱のこもった口調で彼を自らの旅へと誘った。
「あなたの噂は聞いています。その力を是非貸していただきたいのです!」
男は困った。以前なら意気揚々と快諾しただろう。かつて己が待ち望んでいた勇者でもある。しかし、今は彼女がいる。潤いのある生活を与えてくれた人がいる。その人を放り出していくことなどできはしない。その旨を少年に伝えるが彼は聞く耳を持たない。
「一緒に世界を闇から救いましょう!闇を打ち払うんですよ!」
「いや、でも俺は同居人が…」
「むむ!?闇の気配!」
さすがは英雄の息子といったところだろうか。もはや闇のものとしての力を使わず、魔の気配も薄れていたというのに、少年は女からほんの少し漏れる邪気を感じ取ったのだ。
「どうしたの?」
あろうことか、彼女は少年と相対してしまった。少年は勇者としても人としてもまだ未熟だ。己の正義を、正しい行いを一瞬でも見直そうなどとは思わない。
「なんてことだ、ここも闇に侵食されていたなんて!成敗してくれる!」
よってこのような過激な発言も出る。しかしこの言葉があながち間違っていなのも事実だ。男の部屋の窓はカーテンによって二重三重に覆い隠され、女の暮らしやすい環境になっている。逆に普通の人には暮らしにくい場所となってしまっているのは仕方の無いことである。別の考え方をするならばそこは彼女の戦闘フィールドとして申し分ない。たとえ少年が襲い掛かってきても対応できるはずだった。が、少年が背にしょっていた剣を抜き、彼女へ向かって振りかぶっても彼女はそうしようとしなかった。
『人として生きろ』
闇の力を使わない。それは彼女の絶対の誓いであり、破ることのできないものだった。
そんな彼女の決意と幸せも知らず、少年の剣は容赦なく彼女を襲う。
「きゃあ!」
「やめろおおおおお!」
惨劇は一瞬だった。叫び声があたりにこだまし、残ったのは嗚咽だけ。
「あなたどうして……」
血に濡れた男を抱きとめ、女は声を殺して泣いていた。彼女の顔に飛び散った血が涙と一緒に流れてゆく。
「うぅ……お前は確かに闇かも……しれない……。けど……俺にとっては腐った一人暮らしに差し……げほっげほっ!差し込んだ一条の光だったんだ……」
「いや、いやよ……」
「ぐふっ……」
「死なないで…死なないでよォ!」
彼女の悲痛な叫びも、事情を知らない少年には通じない。彼の目に映るのはなぜか魔物をかばった人間とその人間の死に涙する闇のもの。理解できない、そう彼は感じていた。そしてその感情は苛立ちを産む。人を切り捨てた己を省みず、ただ怒りを外へと向ける。
「うるさい!死ね!闇よ滅べ!」
女も切り裂かれた。しかしその手は男を離すことはなく、ただひたすら涙する。痛みすら忘れて泣き続ける。
「私もあなたと一緒に行けるのね…」
「……」
「もう、返事もできないんだ……ふふ……いいわ、共に闇へと落ちましょう……永遠の闇へ……」
理解できない。少年はずっと理解できないでいた。何が起こったのか、自分が何をしたのかも分からない。ただひとつだけ、それが間違いだろうとなんだろうと、己の正義として認識する。自分は魔物を倒した。その魔物を匿う人間も成敗した。
まだだ。まだ助けを求めている人はいる。闇を打ち払わなくてはならない。世界を救わなくてはならない。
「悪は滅びた!これにて一件落着!次の仲間を探そう!」
この先、少年は勇者として成長し、いずれは魔王をも倒すだろう。そのとき彼はこのことを思い返すだろうか。思い返してどう感じるだろうか。彼の旅は始まったばかり。二人の屍を踏み越えて。
『めでたし、めでたし』
そんな言葉でくくれない。闇と戦士とその他色々。
◆欄外(小説のネタ出し合い中のこと)
「主人公は10畳1間のアパートに住む戦士とか」
ああ、ルイーダの酒場に登録はしたものの勇者のお呼びがかからず酒飲んだくれて腐ってるんだな。そして根暗女がでてくるんだけど、そのあとすぐに勇者からお呼びがかかって、この女どうしようとか悩むんだ。で、勇者としてはなんでかしらんけどこの戦士がいいって言い張るから、わざわざアパートまで来て説得するんだ。
『一緒に世界を闇から救いましょう!闇を打ち払うんですよ!』
『いや、でも俺は同居人が…』
『むむ!?闇の気配!』
『どうしたのー?』
『なんてことだ、ここも闇に侵食されていたなんて!成敗してくれる!』
「やべえ 」
『うおおおおおおおお!』
『きゃあ!』
「逃げて根暗女!」
『やめろおおおおお!』
「そうだいけ主人公!つうか勇者人の話聞け!」
『戦士さん…あなたどうして…』
『ぐふっ…お前は確かに闇かもしれない。けど俺にとっては腐った一人暮らしに差し込んだ一条の光だったんだ…』
『いや、死なないで…死なないでよォ!』
『うるさい!死ね!闇よ滅べ!』
『きゃああああ!』
「勇者ひでえ」
『私もあなたと一緒に行けるのね…』
『…』
『もう、返事もできないんだ…ふふ…いいわ、共に闇へと落ちましょう…永遠の闇へ…』
『これで悪は滅びた!』
めでたしめでたし
「めでたくねえ!」
──────────
「ぐふっ……」
お察し。