【1月某日】
この日、ノンフィクションノベル〈What is Real?〉を制作していくことが決まった。
ノンフィクションでリアルな内容の本を制作するのだ。
その題材として、世にはなかなか知られることのない、ブラック企業の実態を本にまとめるのはどうかという意見が出た。
ブラック企業か…。
そして、全会一致でブラック企業の知られざるリアルを、ノンフィクションノベルとして本にすることとなった。
ブラック企業の実態を本にする。
我々は取材班である。
そんな我々取材班にも仕事が言い渡された。
我々取材班は、ノンフィクションノベル〈What is Real?〉という本を制作するため、ブラック企業に関わりがある人を取材しなければならない。
なぜならば、よりリアルな本にするためには、よりリアルな声が必要となるからだ。
我々取材班は、あるタレコミ情報を元に、株式会社クライシスがブラック企業であると知る。
そして聞き込みを行った結果、株式会社クライシスという会社は、間違いなくブラック企業であると判明した。
ところで、皆さんはブラック企業という言葉をご存知だろうか?
ブラック企業とは、不当な長時間労働・暴力行為やパワーハラスメント・違法な会社経営・独裁的会社経営等々…。
要するに、入社をオススメできない企業のことだ。
我々はそんなブラック企業、株式会社クライシスのリアルなブラックさを取材するため、取材に協力してくれる関係者を探していた。
そんな中我々は、その会社に4月から入社する男性がいるという情報を入手した。
我々は彼にアポを取る。
もちろん我々は、ノンフィクションノベル〈What is Real?〉の制作のため、あなたが入社するブラック企業、株式会社クライシスのリアルなブラックさを取材させて欲しいとは、断じて言わない…言えるわけがない。
そんなことを言ったら、彼は入社を断わってしまい取材にならない。
我々はアホではない。
そんなこんなで、彼に都合の良い日時を聞き、ノンフィクションノベル〈What is Real?〉の制作に向け、我々のリアルなブラックさを取材していく日々が始まった。