特訓して待たせて約束に遅れて行く~重りが更に重くなりました~
昨日は諸事情により、一話しか更新できませんでした!すみません!!
ではどーぞ!
『はあぁッ!!』
俺は剣を生徒会書記の緋月文歌に向けて横薙ぎに振るう。
「速いっ!?」
が、ギリギリの所で避けられる。
『今のを避けるなんて・・・・さすがです、ねッ!!』
右上段から左下段へ斬り下ろす。
「くぅッ!?」
俺の使っている剣よりも細身のレイピアのような剣で受け止められる。
だが、なんとか「受け止められる」レベルのようだ。
『せァあッ!』
左下段から右上段へ斬り上げる。
もうこの戦いは一時間ほど続いており、両者とも動くたびに汗が散っていた。
「きゃんっ!?」
俺の剣を受け止めきれず、攻撃に当たる。
それを見た俺は間合いを一気に詰め、文歌先輩の首辺りに剣を突き付け、
『勝負あり、ですね。』
「・・・・・みたいね。」
ニッと笑ってそう告げると、残念そうな顔でそう返された。
「それにしても陸君、強いわね。本当に。」
『んな事ないですよ、と言うかそれを言うなら文歌先輩の方ですよ。』
いや、マジでこの人は強い。初見で俺の剣をあそこまで躱せたのは梨御姉とこの人ぐらいだ。
「勝ったあなたに言われてもね・・・・・・。」
『あはは・・・・・。』
急に文歌先輩は俺を見つめ、
「陸君って、モテるでしょ?」
『は?』
急に何を言い出すんだ、この人は。
「だって陸君、すごく美形じゃない。」
『いやいやいや、それを言うなら文歌先輩でしょう。』
改めてよく文歌先輩を見てみる。
艶のある綺麗な長く伸ばされた黒髪。俺の目より濃い蒼の瞳。そして引き締まってはいるが出るとこは出ている体。
『うん、すごく美人だ。』
俺はよく見た後、こくりと頷きながら言った。
「び、美人・・・・////////」
『はい、すっごく美人だと俺は思いますけど。』
「なっ、なっ・・・!?////////」
急に文歌先輩の頬が真っ赤になりだした。
『せ、先輩?』
「ご、ごめんなさいっ!ちょっと頭冷やしてくるッ!!」
そう言って走り去ってしまった。
『・・・・・?』
なんだったんだ?
とりあえず何か飲み物を買いに行こう。
そう思った俺は中庭に向かって歩き出した。
『なんか、だんだんこの重りにも慣れて来たな・・・・・・・・・。』
そう言うと、
『っぐ!?』
急に重りが重くなった。
こ、これが自動重さフエールの呪いか・・・・・・・・!
『く、クソ・・・・。特訓後だっちゅうに・・・!!』
重すぎ笑えません。
『ふ、ふざけんな・・・・・!!』
重い、重すぎる・・・・。
『ぐ、ぐおおおおおおおお!!』
早く飲み物を買って、ベンチに寝っころがりたかった俺は重みに耐えながら走った。
『うおおおおおおっ!!』
俺の足が限界を越えそうです。
『ぜえ・・・ぜえ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。』
ようやく着いた。が、飲み物すら買う気力がないのでベンチに寝っころがった。
『学院長め・・・・、なんてモン着けさせ、やが・・・る・・・・・。』
俺はあまりの疲れに、ベンチでそのまま寝てしまった。
『ん・・・・・?』
俺が眠りからさめ、目を開けると、俺の体に女子のブレザーがかかっていた。
体を起こすと、
「あ、起きましたか。」
メガネをかけた、肩ぐらいまでの長さの黒髪の女の子が居た。
『このブレザー、君の?』
「はい。何もかけないで寝たら、風邪をひいちゃうので。」
『ありがとう。って、今何時?』
「七時ですけど・・・?」
俺と文歌さんの勝負が終わったのが四時だから、
『君がここに来てブレザーをかけてくれたのは、何時?』
「五時頃です。」
つ、つまり俺は二時間もこの子を待たせてたって事か!?
『な、なあ!明日の昼飯、一緒に食べないか?』
「いいですけど、どうしてですか?」
『えっと、今日ブレザーを貸してくれたお礼がしたいんだ。』
しかも俺二時間も待たせてたんだし。
「わかりました。」
『君の名前は?』
「私は河並夕季です。あなたは?」
『俺は月御門陸。よろしくな!』
「はい。では、明日また食堂で。」
『ああ!またな!』
俺が手を振ると、夕季は手を振りかえしてくれた。
『んじゃ、帰る・・・・か・・・・・・・!?』
忘れていた・・・・・・・、水希と、一緒に飯を食べると言う約束をしていたのを・・・・・・。
約束の時刻は六時、現在は七時十五分・・・・・・・・・・・。
これはマズイ\(^o^)/
『だあああああああああああ!!また走んなきゃ!』
殺されるかもしれん・・・・・・。
『うおおおおおおおおおおおおおッ!!』
俺頑張れ!俺超頑張れッ!!
『おおおおおおおおおおりゃああああああああ!!』
後少しだ!!
『ハッ、ハッ、水、水希はドコだ・・・・・・・・。』
「ここに居るけど・・・・・?」
後ろ・・・だと・・・・・・・!?
『み、水希・・・!?事情を話させてくれ、事情を。』
「・・・・・まあいいわ。言ってみなさい。」
『えっと、だな。文歌先輩との特訓が終わった後に俺の体に着けてる重りの「自動で重さフエールの呪い」が発動して、重りが更に重くなっちゃってさ。疲れたから中庭のベンチに寝っころがってたら寝ちゃったんだよ。ゴメン!許して!』
俺はまだ死にたくない!
「・・・・いいわよ、別に。」
『えっ・・・・・?』
「アンタが色々あって忙しいのは知ってるし、重りの事で毎日辛いのも知ってる。だから、別にいいわよ。」
み、水希様・・・・・・!!
『あ、ありがとう水希!!』
「べ、別にいいわよ。」
水希はとってもいい子です。
『水希!オムライス食べようぜ!オムライス!!』
「まあ、たまにはいいわね。オムライスも。」
俺は重りの重さにも、毎日の特訓にも、耐えられる気がした。
今日ももしかしたら一話しか更新できないかもです、すいません。
できればあと一話か二話ほど更新します!
感想等、待ってます!!