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第六話 根川 咲【負けヒロイン】

いつも読んでいただきありがとうございます!

 根川 咲。卒業式の時に俺に告白してきた女子である。まぁ、その時に振っていいるんだが。


「真優じゃん⁉」


非常にに気まずい。相手もぽかんとしている。


「ひ、久しぶり……」


根川の方から話しかけて来た。


「お、おう……そうだな」

「変わってないね。また眼のクマあるよ?」


切り替えが早いのが彼女の良いところだ。


「ほんと変わらないな。昔からその明るさは」


無難なことを言ってみる。

すると、彼女は笑顔で、


「えへへ……♡」


途端甘い声になる。しかし、すぐに顔をしかめ、


「もう彼女できちゃったよね……」


「いや、まだだけど?」


「え……?」


「作る気もないけど」


その瞬間彼女は一度明るくなった顔をもう一度暗くして、


「そう、、だよね」


その人に涙がにじんでいることを俺は知らない……。


「チャンス、ないよね……」


「………………まぁ、返答はあの時と変わらないよ」


電車が俺の降車駅に着いた。


「じゃ」


「…………うん」


こうして俺のささやかな出会いは終わった。


そう。終わったのだ。





「え?」





「え?」




自宅にて、姉貴と根川が遊んでいる。

今日は土曜日なので四時間目が終わると、俺は即帰宅。姉貴の昼食を作る。


んで、家に帰ったら根川がいた。


「わたし、今日から真優の恋愛アドバイザーになったから」


「喜べ弟よ。人に相談できないことも、咲になら話せるだろう?」


どうやら、姉貴公認のようだ。

これは困った。と、思ったが、根川から驚きの発言があった。


「私は負けヒロインだから、もうとっくに君のことはあきらめたよ。それに、誰かと幸せになってる真優を見るほうが私は好きみたいだからさ♪」


この強すぎるメンタルは正直かなり尊敬する。

いやほんとに、どうしてそこまでできるんだよ…………。


と、いうことで俺に専属の恋愛アドバイザーがついたのであった。



 「根川は姉貴とどういう知り合い?」


絶句して数分後、俺はついに口を開いた。


「え?私が帰ったらドアの前にいたんだよ」


お前の家じゃねぇよ。と言いたいところをぐっと抑えて、俺は姉貴の言葉を聞いていた。


「それで、勝手に家にあげたと?」


「今日、おばさん夜勤の日でしょ? だからいいかなって。なに? 文句でもあるの?」


こういった姉貴はもう止まらない。仕方なく俺は今の状況を受け入れ、晩御飯を作ることにした。


「あ、私お茶漬けで」


姉貴の我がままである。


「自分で作ったら?」


「は?」


あ、ヤベ…………


「あ、すみません…………」


と、言うことで、今日の晩御飯は俺作の鮭の塩焼きと白米、そして味噌汁だ。


え? 質素だな~って? しばくぞ?


「できたよ~」


そんなことを考えてる間にできた。


三人で食卓を囲む。もくもくと漂う湯気が美味しそうな香ばしい匂いを運んでくる。


「すごい……はや……! しかもおいしそう……」


根川が息をのんでいる。しかし、顔は紅潮している。


「うんうん。まぁまぁね」


「食べる前から感想言わないでよ」


俺の抗議も虚しく、姉貴は続ける。


「見た目の話をしてるのよ。邪魔しないで」


こいつは本当に……。


「さ、手を合わせて。いただきます」


「「いただきま~す」」


箸の音が響くダイニング。こうして今日も一日は終わる。


———平和だ~。




・・・




 そのころ、藤村 詩織は、


「会えてよかった……雄……卒業式の時、告白されてたのを見た時はヒヤッとしたけど……断ったみたいだったし……私にもチャンスあるよね……?」


終始顔を赤くしながら、勉強机に伏せるのだった。


「~~~~////」


続く

次回

嫌味【いじめ】


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