Opening
よろしくお願いします。
『プロローグ』
世界は国家によって統一されていた。
人々は生を受けると共に心の力、心術の源であるピースを与えられる。だが、ピースを操るのはとても困難であり最も意志の強い者にしか操れない。さらに、国は術を使っての反乱を恐れて国家は一般人に心術の使用を禁止する法律を作った。
国家の首都はセレス。
セレスでは外敵からの身を守るため、街全土が人工結界で覆われている。そのため『神々が愛でる街』と呼ばれる。
長くに渡り平和が保たれていたものの、数十年前ナイトメアと呼ばれる人々のピースを喰らう新種の魔物が現れる。ピースを喰われた人間は『闇化』といいナイトメアになる。普通の武器では全く倒せず、人々は魔物に怯えながらの生活が続いた。研究所は、ナイトメアは心術で倒す事が出来ると予測する。そこで国家はナイトメア討伐集団キングダムという教団を作り上げた。キングダム教団は心術を使いこなす天才グループを世界中から集め、実際の戦闘で教団は簡単にナイトメアを倒した。
ナイトメアは絶滅したと噂され実際にナイトメアの目撃情報も全く無くなった。人々は再び安心を取り戻し街は均衡を保たれていた。しかし――
3年前各地から再びナイトメアの目撃情報が多数寄せられた。キングダム教団はすぐに討伐に行ったものの 昔のナイトメアと全く異なり、強さがケタ違いだった。
そこで再び研究所は、ナイトメアを倒す心術よりも強い武器『ブレイブ』を開発した。ブレイブはピースと直結しており、心の力が強ければ強い程ブレイブの能力を引き出せるが心の力が弱ければ弱い程、身体や精神に負担がかかり命に関わるなどとても扱いが難しい武器である。
そして、もう一つ新たな事がわかった。新種のナイトメアは夜にしか活動しないと言うことである。国家は夜に出歩きを禁止する令を発令した。
そのため、ナイトメアによる事件は減少の傾向になる。
近年ナイトメアハンターという教団以外の者が何らかの方法で不法にブレイブを所持し、ナイトメアを捕獲すると金額に合わせて闇でマニアなどに売りさばく違法所持者が増えている。最近ではキングダム教徒がナイトメアを倒す直前などに割って入り、ナイトメアを奪うという事件が多発しておりキングダム教団とナイトメアハンターは敵対している。
そして、世界中が震撼した今世紀最大の悪夢が起こったのだ。国家で主導権を握っていた皇帝一族が聖夜に皆殺しにされるという事件が起こる。
犯人は未だに分かっていない。人々はその悪夢を『聖夜の惨劇』と呼んでいる。
聖夜の惨劇から7年―…
人々からあの悪夢はとっくに世界の軌跡として記憶に薄れていた。
もともと皇帝などいなかったように。
[セレス]
キングダムの本部はそこにある。今日の夜も使徒達は漆黒を纏い、人々に襲いかかるナイトメア達を葬る…。